ぱどっく裏話:3連戦のモーターホーム設営作業は大仕事。マクラーレンは徹夜で作業完遂

2018年7月17日(火)12時35分 AUTOSPORT web

 ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。今回はフランス、オールトリア、イギリスGPの3連戦分です。


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 F1は史上初のトリプルヘッダーを何とかやり遂げた。そのあまりの目まぐるしさのおかげで、私はいまだに曜日の感覚が取り戻せない。


 3週連続でグランプリを開幕するハメに陥ったのは、イギリスGPの翌週の日曜日に、FIFAワールドカップの決勝戦が組まれていたからにほかならない。そして、この過酷な3週間の間には、いくつもの『残酷物語』があった。


 始まりは、ル・キャステレで復活したフランスGPだった。過去にポール・リカールを訪れたことがある人にたずねれば(状況は今でも同じだが)、誰もがサーキットへのアクセス道路の狭さを教えてくれるだろう。そのタイトさたるや、バーニー・エクレストンの財布の口にも例えられるほどだ。もっとも、バーニーの財布がタイトなのは出る方だけで、入ってくる方にはきわめて寛容であるのに対し、ポール・リカールの場合は双方向ともにありえないほど狭い。


 フランスGPのスタート時刻が、いつもより1時間遅い現地時間の16時10分とされたのも、ワールドカップのイングランド戦とのバッティングを避けるためで、結果としてレースのフィニッシュ時刻も通常より遅くなった。一部のチームは、レース終了後にモーターホームをバラし、南フランスを脱出してオーストリアまで所定の時間内に運ぶのは、まず不可能と最初から見切りをつけていた。レッドブルとウイリアムズが、レッドブル・リンクにいつもと違うモーターホームを持ち込んだ理由はそこにある。


 おそらくマクラーレンは、彼らと同じようにすればよかったと後悔したに違いない。マクラーレンの『ブランドセンター』(いかにも彼らの好きそうな、大仰でキャッチーな名前だ……)は、パドックのモーターホームの中でも最も規模が大きく、組み立ても面倒なもののひとつだ。しかも、ただでさえ余裕のないオーストリアへの移動の途中で、トランスポーターの1台が故障して別のトラックと入れ替える必要が生じたという。その結果、設営チームはレースの週末が始まる木曜日までに準備を整えるべく、到着後は夜を徹して必死で働かなければならなかった。


 だが、彼らを気の毒に思う者は、ほとんどいなかった。チームスタッフが続々とオーストリア入りする頃には、ワールドカップ熱がいよいよ高まり始め、誰もが気もそぞろだったからだ。ドライバー同士のライバル意識はあまり見られなかったものの、様々な国籍の人間が集まるメディアセンターでは毎朝、やけに上機嫌だったり、逆に落ち込んでいたりするジャーナリストたちが目についた。


続きはF1速報WEBで掲載中
■F1よりも4年に一度のサッカー
 一番の問題は、F1とサッカーが同時進行になる期間が、予想よりも長びいたことだ。イングランドの試合は、オーストリアとシルバーストンの間の火曜日に行われた。このため、パドックの住人たちの大半は、イングランドがワールドカップで初めてPK戦を制した場面をイギリスで見ることになった……。


■ハミルトンが提供したホットな話題
 バーニーは、いつでも新聞のスポーツ面に読者の興味を引くF1ネタを提供できた。そうした彼のテクニックの少なくとも一部は、現在のパドックの住人にも受け継がれている……。


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