女子W杯開幕目前!なでしこジャパンが目指す12年ぶりの優勝

2023年7月17日(月)19時30分 FOOTBALL TRIBE

なでしこジャパン MS&ADカップ2023 写真:Getty Images

7月14日に行われた国際親善試合MS&ADカップ2023で、パナマ女子代表に5-0で勝利したなでしこジャパン(サッカー日本女子代表)。20日に開幕が迫ったFIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会へ向け幸先の良い一歩となった。


日本が初優勝した2011年の女子W杯(ドイツ大会)以来、12年振り2度目の世界王者がかかっている今大会。なでしこジャパンを率いる池田太監督は、13日に開催された壮行会やパナマ戦後のインタビューで「優勝という大きな目標に向けて全身全霊で戦ってくる」「オーストラリア(決勝戦開催地)で戦えるように頑張っていきたい」と語っており、目標は明確だ。


しかし、目標達成のためには多くの壁が立ちはだかっているものまた事実。ここでは、12年ぶりの世界一を目指すなでしこジャパンの現状と強みについて検証しよう。




2021/22女子CL準決勝会場 写真:Getty Images

世界の女子サッカー事情、12年前との違い


12年前のドイツ大会でW杯初優勝を飾ったなでしこジャパンだが、FIFAランキング4位で挑んだ当時と今回では、やや事情が異なる。


近年、欧州を中心に女子サッカーに注力する国が増加。UEFA女子チャンピオンズリーグを筆頭に大きな盛り上がりをみせており、2022/23シーズンには1試合平均11,000人を超える観客が集まるなど、トーナメント終盤では男子サッカーにも一切引けを取らない人気だ。


2022年に開催された女子欧州選手権(女子EURO)の決勝戦(イングランド対ドイツ)には、実に8万7192人もの観客が集い、2021/22シーズンのUEFA女子チャンピオンズリーグ準決勝では女子サッカー史上最多となる9万1648人を記録した。


一方、日本では2021年に女子プロサッカーリーグ、WEリーグがスタートしたものの、2年目となる2022/23シーズンの1試合あたりの平均入場者数は1,401人。クラブによっては3桁に留まる試合もまだ多く、欧州スタジアムと比較すると「盛り上がりに欠ける」と言わざるを得ない状況だ。


現在のなでしこジャパンはFIFAランキング11位。まだプロ化していなかった12年前に比べて7ランクも下がっており、このままでは今大会の優勝はかなり厳しいように見受けられる。しかし、そんな状況の中で、日本もただ手をこまねいている訳ではない。


U-20女子W杯をはじめとした年代別代表では、2018年の優勝を含めて安定した成績を残している。若手選手が台頭しスタメン争いが激化すれば、今大会での優勝も決して夢物語ではないだろう。


日本女子代表 DF熊谷紗希(2011女子W杯)写真:Getty Images

キャプテン熊谷の経験と若手選手が強み


今女子W杯で、なでしこジャパンのキャプテンを務めるのはDF熊谷紗希(現ASローマ所属)だ。2011年大会では、当時20歳ながらセンターバックのレギュラーとして全試合フルタイム出場。アメリカとの決勝戦ではPK戦で4人目のキッカーを務め、豪快に左上へと蹴り込み優勝を決めた。


その後も所属クラブのみならず、日本代表としても世界を相手に戦い続ける経験豊富なキャプテン熊谷は、今W杯に挑む23選手内で唯一、2011年大会での優勝を身をもって知る存在である。当時のキャプテンMF澤穂希が無類の勝負強さを示したように、熊谷がチームを引っ張り、紙一重の試合を制す鍵となる可能性は十分にあるだろう。


また、若手選手の躍進も注目ポイントのひとつだ。U-19、U-20の日本女子代表を率いた経験のある池田監督は、2018年のU-20女子W杯で初優勝、2022年には準優勝と輝かしい栄光を記録しており、現在のなでしこジャパンには教え子も多数いる。


2018年のU-20W杯でチームトップの5得点を挙げたFW植木理子(現日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属)、キャプテンを務めたDF南萌華(現ASローマ所属)。2022年U-20W杯で大会最優秀選手に選ばれたFW浜野まいか(現ハンマルビーIF所属)、背番号10を背負ったMF藤野あおば(現日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属)などはその代表格だ。フル代表での経験は多くないものの、大会を通じての戦い方やメンタル面の調整を経験済みの選手が多いことは強みとなるだろう。




なでしこジャパン 2011女子W杯優勝時 写真:Getty Images

世界で4か国だけの栄光


なでしこジャパンは2011年W杯の優勝で、国内外から一躍注目を集めた。東日本大震災からの復興を目指す日本国民に勇気を与え、また団体として初めて国民栄誉賞を受賞した。日本の女子サッカーがもう1度盛り上がるためにも、W杯での優勝が最短ルートであることは間違いない。


放映権料の高騰によってなかなか決まらなかったテレビ中継も、日本の試合をNHKが放送することで決着。選手のモチベーション向上にも繋がったことだろう。国内での盛り上がりはまだまだといったところだが、女子サッカーブームを巻き起こした2011年大会時も、勝ち進むにつれて急速に機運が高まったことを思えば、なでしこジャパンの頑張り次第で当時に負けない盛り上がりを作ることも不可能ではない。


女子W杯で優勝経験を持つのは、アメリカ、ドイツ、ノルウェー、そして日本のわずか4か国のみ。その誇りを胸に、2度目の優勝を目指すなでしこジャパンは、7月22日にザンビアとのグループリーグ初戦、26日にはコスタリカと第2戦、31日にはスペインと第3戦を迎える。


各グループの上位2チームが決勝トーナメントへと進出し、8月20日の決勝戦はオーストラリアのスタジアム・オーストラリアで開催される予定だ。なでしこジャパンがこの舞台に立つことを願い、日本から熱い声援を送り続けたい。

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