バルセロナがチェルシー、神戸と激突! 世界最高峰&イニエスタとの再会が見逃せない理由

7月18日(木)19時22分 サッカーキング

日本の地でチェルシー、バルセロナ、ヴィッセル神戸が対戦 [写真]=Getty Images、VISSEL KOBE

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 来たる7月23日、埼玉スタジアム2002で、世界最高峰の戦いが繰り広げられる。スペインの絶対王者バルセロナと、イングランドはロンドンの雄チェルシー。言わずと知れたヨーロッパのビッグクラブがともに来日し、「Rakuten CUP Supported by スカルプD」で対戦するのだ。

 バルセロナとチェルシーは、チャンピオンズリーグの舞台で過去に何度も名勝負を演じてきた。直近の対戦は2017−18シーズンのラウンド16で、このときは第1戦、第2戦ともにゴールを決めたリオネル・メッシの活躍でバルサが2試合トータル4−1で勝利。意外にもバルサの王様であるメッシは、ファーストレグで決めたゴールが対チェルシー戦、公式戦9試合目にして初ゴールだった。



 つまり、それまではチェルシーがうまくメッシを封じ込めることで、両者の戦いは接戦になっていたということだ。その前の対戦は、チェルシーがCL初制覇を果たした2011−12シーズンの準決勝。チェルシーはホームでの初戦に1−0で先勝するが、第2戦では前半で2失点するとジョン・テリーの退場もあって、窮地に。しかし、前半追加タイムにラミレスの華麗なループシュートで、アウェーゴール差での再逆転に成功すると、後半は猛攻をしのいで、アトレティコ・マドリード時代に“バルサキラー”と言われたフェルナンド・トーレスのダメ押しゴールによって、チェルシーが勝ち上がった。

 反対にバルサが劇的な勝利を挙げた試合もあった。それが2008−09シーズンの準決勝だ。チェルシーの強固な守備に苦しんだバルセロナは、カンプ・ノウでの第1戦をスコアレスドローで終えると、スタンフォード・ブリッジ決戦では開始9分で先手を取られ、エリック・アビダルの退場処分で窮地に。しかし、バルサの象徴である男が勝利をもたらす。後半アディショナルタイム、メッシのラストパスをボックス外で受けたアンドレス・イニエスタが、右足を一閃。ドラマティックなアウェーゴールで勝ち抜けを決めたバルセロナは、続く決勝でも同じイングランド勢のマンチェスター・Uに勝って、この年の欧州王者となっている。

 このように、ともにCL優勝の経験を持つ両クラブは、攻守両極端なスタイルを存分にぶつけ合う形で名勝負を演じてきた。だが、今回はプレシーズンマッチになるため、チェルシーが極端に引いて守るという戦い方を選ぶとは考えにくい。いつも通りに鮮やかなポゼッションとショートカウンターでゴールを狙うバルサに対し、チェルシーもまた、自分たちの攻撃の色を出そうとしてくるはずだ。

 チェルシーは、昨季クラブを率いたマウリツィオ・サッリ監督が退任し、クラブレジェンドであるランパードが新監督に就任したばかり。彼は昨季、イングランド2部のダービー・カウンティでは走力を重視するとともにポゼッション志向を掲げ、惜しくもプレミア昇格こそならなかったが、そのアグレッシブなスタイルが高く評価された。それをチェルシーでも実現させるための第一歩として、このバルサ戦を大事なテストの場とするはず。だからこそ、この試合はいずれも攻撃的にプレーして撃ち合いになる可能性もあり、ファンは大いに楽しめそうだ。

 かたやエルネスト・バルベルデ政権3シーズン目を迎えるバルサは継続路線。新シーズンもメッシ、ルイス・スアレス、フィリペ・コウチーニョらの強力攻撃陣を中心に、ポゼッションとカウンターを高次元で融合させたアタッキング・フットボールを披露する。とはいえ、昨季は国内リーグでこそ圧倒的な完成度で連覇を達成したが、チャンピオンズリーグでは準決勝でリヴァプールに敗れ、CL制覇を逃している。欧州制覇を含む2冠を目指す今季は、メッシらをサポートする若手の突き上げが必要になってくる。その意味では、コパ・アメリカを終盤まで戦ったメッシやコウチーニョらは今回のツアー不参加、もしくは来日しても長い時間はプレーしないことが予想される(※7月17日現在)ため、ウスマン・デンベレやマルコム、カルレス・アレニャ、リキ・プッチといった次代の主役の座を狙う若手有望株のパフォーマンスに注目してみるのが面白いかもしれない。

 加えて、アヤックスから加わった22歳のフレンキー・デ・ヨング、7月12日にようやくアトレティコ・マドリードからの移籍が発表されたアントワーヌ・グリーズマンという“ニューフェイス”のバルサデビューが見られるかもしれないのもこの試合の見どころ。デ・ヨングは昨季CLベスト4の立役者となったMFで、シャビやイニエスタの系譜を継ぐことを期待されている新世代のレジスタだ。言わずと知れたグリーズマンは、新シーズンのバルセロナにおいて最大のキーマンになりうる選手。彼らがバルサのサッカーの中でどのように存在感を発揮するのかを、いち早く見られるチャンスは逃せない。

 また、バルセロナはチェルシーと戦った後は神戸へと移動し、27日にノエビアスタジアム神戸でヴィッセル神戸とも対戦する。この試合の注目ポイントは、やはり何と言ってもイニエスタだろう。

 彼は12歳でバルセロナのカンテラにスカウトされて「ラ・マシア」に入寮して以降、2018年に神戸へと加入するまで実に22年間、バルセロナひと筋でキャリアを積み重ねてきた。文字通りバルサに身も心もすべてを捧げてきた選手であり、彼のプレーヤーとしての能力、スタイル、サッカー観など、すべてがバルサで培われてきたものであることは間違いない。

 プロとして初めてピッチに立ったのは2002年10月29日のCL、クラブ・ブルージュ戦。「この日のことは永遠に忘れない」という18歳170日でのトップデビューからほどなくして、イニエスタはロナウジーニョやシャビらがいた当時のチームで頭角を現し、彼から遅れること2年後にデビューしたメッシとともに、バルサの象徴へと成長していく。公式戦出場670試合は、シャビ、メッシに次いでクラブ歴代3位。9度のリーグ優勝、4度のCL制覇など、獲得したタイトルの数はこちらもメッシに次ぐ32個と、まさにすべてを勝ち取ってきた。

 とりわけ印象深いのは、ペップがチームを率いた08〜12年頃の時期だろう。前述のCL優勝を果たした2008−09シーズンのトレブル達成を筆頭に、あらゆるタイトルを総なめにしたこの時期のバルサは手がつけられない強さだったが、そのチームを支えていたのは、間違いなくイニエスタだった。派手さで言えばゴールを量産するメッシの方が眩しかったかもしれないが、バルサの華麗なパスサッカーや、惚れ惚れするようなテクニカルな面を彩っていたのは、間違いなく中盤で攻撃のタクトを振るうイニエスタだった。10−11シーズンから11−12シーズンにかけては、出場した試合で55試合連続無敗(47勝8分)という今も破られていないクラブ記録も樹立した。バルサの黄金期にイニエスタあり。シャイで寡黙なキャラクターだったが、ファンにとって彼ほど頼りになる選手は、そして敵にとっては彼ほど厄介な選手は、他にいなかったはずだ。

 そんなイニエスタにとって、古巣と対戦するのは今回が初めてのこと。本人も「新しい体験」と試合を楽しみにしている様子。誰よりもバルサを知り尽くす男が、バルサ相手にどんなプレーを見せるのか、Jリーグのみならず海外サッカーファンにとっても、このエポックメイキングな試合は絶対に見逃せない。

 さらには、ダビド・ビジャ、セルジ・サンペールの2人も古巣対決となる。ただし、カンテラ出身でイニエスタに憧れて育ったサンペールに対して、ビジャはスペインで複数のクラブを渡り歩いた流浪のストライカーだった。バルサには2010〜13年まで在籍し、現在と同じ背番号「7」を背負って公式戦112試合出場47ゴールという記録を残し、10−11シーズンのCL決勝ではマンチェスター・U相手にペナルティーアークから右足で美しい軌道のミドルシュートを決め、優勝に大きく貢献した。一方では、レアル・サラゴサ時代やバレンシア時代にはバルセロナを撃破する大事なゴールを決めて、ヒーローになったこともある。どこに行ってもゴールという自分の仕事を果たせるのが、ビジャという男。今季のJ1でもここまで得点ランクトップタイの10ゴールを挙げているこの男は、古巣バルサ相手の一戦でも、間違いなく虎視眈々とゴールを狙っているはずである。

 クラブシーンで世界最高峰となる戦いと、歴史的なクラッキと古巣の“再会”が見られる「Rakuten CUP」は、見どころが満載だ。

文=寺沢薫

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