長谷川唯がなでしこジャパンで「ずっと課題」と感じていること。強豪国に対しての戦い方

7月18日(日)10時50分 Sportiva

 2014年、FIFA U-17女子ワールドカップを制した頃から、そのズバ抜けたテクニックと意表を突くアイデアで注目されていたのが長谷川唯(ACミラン)だ。当時の日テレ・ベレーザでさらに磨きをかけた長谷川が、なでしこジャパンに初選出されたのが2017年。アンダーカテゴリーから高倉麻子監督の元で日の丸を背負ってきた彼女を、なでしこジャパンの軸に据えるのは必然だった。
今のなでしこジャパンには欠かせない存在に成長した長谷川唯
 20歳で飛び込んだなでしこジャパンでも、臆することなく自らのプレーを貫いてきた。ピッチではあらゆるポジションに出没する長谷川。当初は周りの選手も戸惑いを見せていたが、それが高倉監督の目指す流動的なサッカーの象徴でもあった。それから4年が経ち、今やなでしこジャパンに不可欠な選手へ成長した。今シーズンからはイタリアのACミランへの挑戦も果たした長谷川が、いよいよオリンピックの舞台へ立つ——。

——2019年のFIFA女子ワールドカップフランス大会では、途中ケガなどで悔しい思いをしたと思います。それ以降、レベルアップは実感できていますか?

高校サッカー応援マネージャー・本田望結

「ワールドカップ後に、取り組んできた筋トレの成果が表れてきていたところで、昨年はコロナ自粛がありましたが、そこでさらに筋トレの時間を増やせました。そのおかげで、リーグ戦でも調子がすごくよくて、身体の動きもよくなったと実感できました。そういう意味ではワールドカップからここまで成長できていると思います」

——今年1月からは、ACミランに移籍をしました。何かきっかけはありましたか?

「昔から海外へは行きたかったんです。高校3年生の時にもチャンスがあったのですが、『ベレーザのために何ができたか』と言われたらまだ答えられなかった。あとは代表でもアンダー世代だったので、なでしこジャパンに入って、ある程度自分のポジションが定着しないと海外に行くのはちょっと違うかなと思うところもありました。もう少し早く行けたらと思うこともありましたが、いろんなタイミングや年齢も考えて、今回行くことを決断しました」

——移籍からオリンピック開幕までは約半年。集中して臨まないと環境に慣れるだけで、代表活動では日本に戻らないといけないですよね。短期間で味方を理解、吸収するために工夫したことはありますか?

「自分でも生意気だなって思うんですけど(笑)、日本では年齢関係なく意見を積極的に言うタイプでした。だけど、今回の海外移籍で、自分の思っていることを言葉で伝えるのはなかなか難しいなと感じて、プレー中にボールを出してほしい場所を要求したり、表現の仕方を変えたり、相手がどうしたいのかっていうのを今までよりも考えました」


なでしこジャパンは五輪期間中も成長できると話してくれた
——なでしこジャパンも昨秋から新戦力が加わり、今まさに互いに理解し合うことが重要なタイミングです。そうした経験が生きそうですね。

「そうですね。今は"伝える"ことで共有できていると思います。若い選手に『私はこういうプレーをしたかった』って伝えても、ピンときていないこともありましたが、なぜこうしたかったのかと理由を説明すると、次のプレーで伝えたことをやろうとしてくれて、何回も『あ、変わったな』と感じられることが増えました。

 6月のウクライナ、メキシコ戦では、相手のレベルが足りないところはありましたが、チームとしての守備のやり方で、ここでボールを取る!というのをしっかり決められたというか、全体で共有できたと感じています」

——長谷川選手も十分若いですが、"若い子は......"って言うんですね(笑)

「24歳になったのでそんなに若くないです......(笑)。下の世代もいるので、みんな若くて元気ですよ!」

——すごい勢いで新世代が成長していますよね。

「FIFA U-20女子ワールドカップ(2018年)で優勝した選手たちは、フィジカル面では今までの日本にはない動きを持っている選手たちが多いんですよね。自分たちの代にはないパワーや高さを持っている。それと今まで代表がやってきた頭を使ったプレーを共有していけば、本当にいいチームになれるんじゃないかなと感じています」

——今年に入ってもコロナ禍の影響で、FIFAランキングで格下の相手との国際試合が続きました。それでも自信は得られましたか?

「そうですね。チームの変化というのは確かに感じています。この段階だからこそチャレンジが必要。できないことが出てきてマイナスと感じるよりも、できないことにチャレンジして修正するのが大事だと思います」

——強豪国は当然立ち上がりからフルパワーで向かってきます。受け身にならずに先手を取るための秘策はありますか?

「そこはずっと課題なんですよね。強豪国に対しても、いいポジションを取って全部数的優位になるようにできれば、前から来た相手に対しても2対1の状況を作り続けられると思うんです。全員がいいポジションを取っていることを前提で話すと裏へのボールっていうのは有効。つなげられないから蹴るのではなくて、いいポジションを取って相手がくるから裏を狙うというのが自分の中の一番の理想です」

——攻撃にしても守備にしてもポジショニングがポイントになるということですね。

「そうですね。個人的には背が低かったのもあって、ずっとポジショニングを大事にやってきました。スピードで勝てない選手に対しても、それで戦えた手応えを10代の頃から経験しています。海外の選手は、ほとんどが自分たちよりもフィジカルやスピードが上回っている相手なので、先手を取ってポジショニングを取るのが日本人として一番大事なことだと思います」

——オリンピックへ向けていいイメージが描けていますか?

「オリンピックという舞台に、完成したチーム状態で臨むのがベストだと思います。でも、若い選手がいろんなことを吸収して、どんどん成長しているのも感じているので、その中で自分も負けずに成長していきたいと思っています。一昨年のワールドカップの頃とは違うと感じられているので、大会中にもいいチームになっていって金メダルを目指したいです。それを自分も楽しんで、見る人にも楽しんでもらえたらいいなって思います」


Sportiva

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