東京Vの“マスター”永井秀樹が語る最高のスパイク「重みがあった方がしっくりくる」【SPIKE WARS】—②

7月19日(火)15時0分 フットボールチャンネル

6足のスパイク登場

 遠い昔、まだラモス瑠偉がルイ・ゴンサウヴェス・ラモス・ソブリーニョだったころ、彼の所属する読売クラブが国士舘大学と練習試合をしたことがあった。試合後、ラモスはチームメイトの武田修宏に命じた。「いますぐ大学辞めてウチのチームに来いってあの選手に言ってこい! あれは天才だよ!」——。それから25年。ラモスをして天才といわしめた男、永井秀樹は目下、三浦知良に次ぐ日本で二番目に経験豊富なJリーガーである。この企画は、サッカー界の表も裏も知り尽くした男マスター・ナガイに、メーカーの枠組みを超えて各社のスパイクを試し履きしてもらい、その寸評とジャッジを公にしてしまおうという、おそらくは世界でも初めての試みなのである。今回は第2話をお届けする。

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 東京ヴェルディ1969のクラブハウス。柔らかな日差しが差し込むテラスに、キングギア編集部が持ち込んだ6足のスパイクが並べられた。その顔ぶれは──。

1. NIKE/TIEMOP LEGEND VI HG-E
2. ASICS/DS LIGHT X-FLY 2
3. PUMA/EVOPOWER1.3FG
4. MIZUNO/WAVE GNITUS 4 JAPAN
5. ADIDAS/X15.1HG LE
6. UNDER ARMOUR/CLUTCHFIT FORCE HG JP

──さあ、いかがでございましょう、マスター・ナガイ。もう20年以上プロの世界で生きてきていらっしゃるあなた様でも、こういう光景はちょっと目になさったことがないかと。

マスター永井 「だね。同じメーカーのスパイクで違う種類が並んでるっていうのはあっても、こういうのはないな」

──今年からマスター・ナガイにはキングギアと契約していただいたわけですが、一般的な印象で言うと、“プーマづかい”の印象が強い。

マスター永井 「そらまあ、マラドーナに憧れた世代だからね」

──ちなみに使用したプーマのスパイクの中でベストワンをあげると?

マスター永井 「う〜ん、一番長い期間履いたのはパラ・メヒコかもしれないけど、ベストとなると、Jリーグ開幕のころに履いてたスフィーダってやつかな。俺、カカト周りのフィット感をわりと重視するのね。スフィーダはその点が最高だった」

20歳の高木大輔は…「人工皮革じゃないとダメ」

──プロ入りしてからずっとプーマでしたっけ。

マスター永井 「いや、実は3年ぐらいだけ、アディダスを履いてた時期もある。フリューゲルスとマリノスが合併した時ね。いまになってはちょっと後悔。浮気、しなきゃよかったなって(笑)」

 とその時、着替えを終えたヴェルディの若手選手が通り掛かる。興味津々で足を止めた。その中の一人に、マスター・ナガイが声をかけた。

マスター永井 「お〜い、ダイスケ(高木大輔)、お前いまスパイク何履いてんだっけ?」

高木大輔 「あ、ボク、ナイキです」

マスター永井 「どんなスパイクが好きなのよ」

高木大輔 「あ、ボク、人工皮革じゃないとダメなんです」

マスター永井 「なんで」

高木大輔 「天然皮革のスパイクだと、だんだん型が崩れてくじゃないですか。あれがダメで」

マスター永井 「おいおい、それは型が崩れるじゃなくて、馴染むっていうんだよ」

──高木大輔選手20歳。天然皮革がダメ。そういう世代が出てきてるんですね。

マスター永井 「ね、改めて聞いてみると俺もちょっとビックリする」

「ちょっと重みがあった方がしっくりくる」

──軽さを追求する選手が多いのも、最近の傾向かもしれません。

マスター永井 「それはあるね。俺なんかは、正直あんまり気にしないっていうか、むしろちょっと重みがあった方がしっくりきたりするんだけどね」

──発起人Kによると、たぶん、スパイクに軽さを求めるようになる選手が増えたきっかけは、中田英寿さんではないか、と。アッパーの素材や形状にこだわる選手が多かった中、あの方だけはとにかく軽くしてくれとメーカーに要求をしていたと。

マスター永井 「そんなに違うかなあ。重いか軽いかで」

──ま、そこは個人差のあるところでしょう。実は今後、キングギアでは販売されているすべてのモデルの重さを測り、表示しようということにしております。今回のモデルも、すでに計測済でございます。

マスター永井 「へ〜え、じゃ、ちょっと俺も持ってみていい? どれが一番重いんだろ」

──いかがでございますか?

マスター永井 「このモデルの中では、プーマがダントツで軽いね。重いのは‥‥ナイキかな。意外だな、ナイキのスパイクって、とにかく軽量ってイメージがあったから」

──さすがマスター! お見事でございます。軽い順から発表していきますと──。

「疲れるか疲れないか。あくまで心理的なものだと思うけど」

PUMA/EVOPOWER1.3FG 181.5グラム
ASICS/DS LIGHT X-FLY 2 198.5グラム
UNDER ARMOUR/CLUTCHFIT FORCE HG JP 201.5グラム
MIZUNO/WAVE IGNITUS 4 JAPAN 211.5グラム
ADIDAS/X15.1HG LE 240.5グラム
NIKE/TIEMOP LEGEND VI HG-E 247.5グラム

──一番軽いモデルと一番重いモデルとでは、片足で66グラム、両足で132グラムの差があるということになりました。

マスター永井 「両足で水がコップ1杯分。どうなんだろうなあ。疲れるか疲れないか。俺はあくまで心理的なものなんじゃないかと思うんだけど」

次回、いよいよ試着、そして採点!

(語り手:永井秀樹、聞き手:キングギア編集部、取材協力:東京ヴェルディ1969)

▼キングギア
スポーツライター金子達仁が発起人となって発足した世界初、日本発のスパイク専門サイト。多くのサッカー選手にとって、命であるスパイク(=ギア)が主役として取り上げられた記事がなかったことから、新しいことをやってみたいという思いのもと誕生した。

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