【コラム】昨夏のユーヴェを抜いた? “爆買い”中の新生ミラン、古豪復活なるか

2017年7月19日(水)12時0分 サッカーキング

今夏の移籍市場で主役に躍り出たミラン [写真]= Power Sport Images/Getty Images

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 ミランのメルカート戦略の勢いが止まらない。今月14日にはユヴェントスのイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチの獲得に成功した情報は瞬く間にヨーロッパ中を駆け巡った。ボヌッチと言えば今年の2月、セリエA第25節のパレルモ戦でマッシミリアーノ・アッレグリ監督と口論し、監督の采配批判とされた。その直後のチャンピオンズリーグ(CL)のポルト戦では、ベンチにも入らずスタンドから試合を見守った経緯があった。ユーヴェの黄金時代を支えた一人であるボヌッチも30歳。キャリアのラストスパートに向けて新天地でのチャレンジを望んだことと、ミラン側の思惑が合ったのだろう。

 喜びを爆発させたのは、ミラニスタだ。ミラノ市内のクラブ事務所やミラン・ミュージアム、レストランなどの総合施設『カーサ・ミラン』には14日、平日にもかかわらず数百人がつめかけ、ボヌッチの到着を待った。スタジアムでもおなじみのメロディーに合わせて「Chi non salta juventino e`!(キ・ノン・サルタ・ユヴェンティーノ・エ=ユヴェントス・サポーターじゃないやつはジャンプしろ!)」や「レオ・ボヌッチは我々の物だ」というコールが沸き起こった。

 それにしてもこのミランの“買い物”の凄さはここ数年、見たことがない。人によってはアリゴ・サッキ氏の時代、前シルヴィオ・ベルルスコーニ会長の時にアンジェロ・コロンボ、カルロ・アンチェロッティ、アレッサンドロ・コスタクルタ、マルコ・ファン・バステン、ルート・フリットらを“爆買い”した過去を思い出すようだ。

 もちろん、1年前のメルカートでユーヴェがゴンサロ・イグアイン、マルコ・ピャツァ、ミラレム・ピアニッチを移籍させ、その移籍金は合計2億1100万ユーロ(約274億3000万円)と、破格の額となったことは記憶に新しい。

 ただ今回のミランはこれを超えそうだ。推定4200万ユーロ(約54億6000万円)のボヌッチ、ポルトからのアンドレア・シウヴァ(3800万ユーロ=約49億4000万円)、アタランタから2人のレンタル、フランク・ケシエ(2800万ユーロ=約36億4000万円)とアンドレア・コンティ(2400万ユーロ=31億2000万円)、ラツィオのキャプテンだったルーカス・ビリア(2000万ユーロ=約26億円)などレギュラークラス8人以上のトータルは、2億3200万ユーロ(約301億6000万円)と概算される。

 順調に行けば、スタメンとしてピッチに立つ11人のうち左サイドバックのアレッシオ・ロマニョーリ以外、8人が新加入の選手となるだろう。揉めに揉めたGKジャンルイジ・ドンナルンマも結果的にはチームに残ることになった。ヴィンチェンツィオ・モンテッラ監督の頭の中には3−5−2をベースに、数パターンのフォーメーションが描かれていることだろう。

 クラブ最後の大型補強としてアルバロ・モラタ(レアル・マドリード)、ピエール・エメリク・オーバメヤン(ドルトムント)、アンドレア・ベロッティ(トリノ)の候補から一人を迎えたいとしている。17日には2017−18シーズンの年間シート席の予約販売が始まった。昨年はたった1万5990席と落ち込んだシートが今シーズンどこまで盛り返すか。10年前の07−08シーズン4万3140席にどこまで近づけるか。ミラニスタの期待度が数字となって表れる。(ちなみに1992−93シーズンは約7万2000席だった)

文=赤星敬子

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