【函館記念】ポイントはトーラスジェミニ。波乱を呼んだハイペース

7月20日(月)12時41分 SPAIA

2020年函館記念結果インフォグラフィックⒸSPAIA

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鳴尾記念6着が復活のサイン

かつてホープフルSでサートゥルナーリアの2着があったアドマイヤジャスタも、函館記念は16頭立ての15人気。やや忘れ去られがちな存在が見事に復活Vを果たした。
3歳すみれS2着、皐月賞8着以降は二桁着順ばかり。クラシックは壁に阻まれたとしても、ローカルGⅢの福島記念やオープン特別・都大路Sでも二桁着順とあっては早熟だったと判断するのはやむを得ないところだ。
ところが、ホライゾネットを着用して臨んだ前走鳴尾記念が皐月賞以来の一桁着順(6着、1秒差)。これが函館記念の伏線だったことに気づいた人は少なからずいたにちがいない。
外枠から課題のスタートを決め、道中は馬群のなかでも気持ちを切らさずに走り、3角で前にいたマイネルファンロンの外に出すタイミングも絶妙。外を手応えよくまくりあがった。勝利が2歳の紫菊賞以来というのが信じられないほどの完勝だった。

トーラスジェミニの逃げについて考える

このレース、ポイントは巴賞を逃げ切ったトーラスジェミニ。函館記念のステップレースである巴賞を勝ったトーラスジェミニは当然ながらマークされる。ましてや逃げ切りであり、距離延長の函館記念では競りかけられる可能性すらある。
それでも木幡育也騎手は迷うことなくスタートから手綱を動かしハナを主張した。控える選択肢などなかった。外からレッドサイオン、内からレイエンダと育也騎手が所属する藤沢和雄厩舎の2頭ががっちりマーク。残り800m地点まで11秒7〜8が繰り返される持続ラップ。前半1000m58秒8の急流だった。
前半のハイペースもあり3角からゴールまでは12秒0−12秒1−12秒4−12秒6の失速ラップ。緩急がなく、終いはラップを落とす展開は差し馬向き。後続が動きにくい3角手前のペースダウンではなく、動きやすい3〜4角でペースが落ちたことで追い上げやすくなった。
アドマイヤジャスタの後ろからさらに外を回したドゥオーモの2着はこの失速ラップで自身がリズムよく動けたことによるものだ。ただし、ドゥオーモは小倉大賞典2着がある実績馬、巴賞をひと叩き、ここは狙った鞍、13人気は盲点だった。1、2着はトーラスジェミニ包囲網の利を得たのは確かである。
これらを踏まえれば3着バイオスパークは大健闘といえる。こちらは前半のハイペースをレイエンダの真後ろ5番手のインコースでロスを減らし、4角でブロックにきた1人気カウディーリョを競り合いで制し、トーラスジェミニとレイエンダの間を突き破るように伸びてきた。小回りコースでロスを最小限に抑える和田竜二騎手らしい強気な騎乗が光った。展開を利した外の組には屈したものの、重賞戦線で戦える手ごたえをつかんだ一戦だった。
4着トーラスジェミニは2角までは藤沢和雄厩舎勢に競りかけられかけたが、向正面では番手以下は抑え、マイペース。緩急をつけずに進んだことでレッドサイオンやレイエンダに脚を使わせ、先に後続の手ごたえが悪くなる理想的な形が作れた。
4着は距離がやや長かった分だろう。この戦法が定着することで競りかけてくる馬は今後そうは現れないだろう。後続のマークを一身に受ける逃げ馬というポジションは簡単ではないが、自分の形を守り抜くことでなにか大きな仕事をする予感すらある。

2020年函館記念結果インフォグラフィックⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

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