卓球界の頼れるベテラン水谷隼、東京五輪団体戦で張本智和とWエース?

7月21日(水)6時0分 SPAIA

水谷隼,Ⓒゲッティイメージズ

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団体戦のエースは使い分け?

リオ五輪で決勝に進出し、銀メダルを獲得した卓球男子団体。福原愛石川佳純と2大スターのいる女子ばかりが注目されていた中、この活躍を機に男子卓球の注目度は大幅に高まった。
今回の代表メンバーは、世界ランク4位の張本智和、同17位の丹羽孝希、18位の水谷隼の3人。団体戦は4シングルス1ダブルスの5本勝負で、エースがシングルスに2回、残りの2人がダブルスとシングルスに1回ずつ出るのが一般的だが、今回はエースポジションに水谷と張本の2人を使い分けることが予想される。
水谷の世界ランクは3人の中で一番下だが、卓球は単純な戦力以上に相性が重要で、競った局面では技術以上に判断力が必要な場合もある。勢いで押すならエース張本、戦術で迫るなら経験豊富な水谷と相手によってオーダーを変えることができれば、非常に有利になる。

全日本10回制覇のレジェンド水谷隼はリオ五輪団体戦で全勝

メダルを狙うなら32歳のベテラン・水谷隼の活躍は欠かせない。リオの団体では全勝で、しかも内容も良かった。
準決勝のドイツ戦では、それまで1勝15敗と苦戦してきた皇帝ティモ・ボルを撃破。1ゲーム目は4-8と離されていた中、11-9と逆転で奪い、勢いそのままに2ゲーム目は5点。3ゲーム目は先にゲームポイントを取られるもレシーブから強気にフォアを振り、3-0で完封勝利した。
決勝は、それまで0勝12敗だった世界一のペンホルダー・許昕に対し、フルゲームの7-10でマッチポイントを握られたところから5連続得点。最後は無回転サーブでミスを誘って金星をもぎ取り、中国に一矢報いた。
水谷は全日本でも、2年前に「卒業」するまで13年連続で決勝に進み続けた。調子が優れない時もあっただろうが、それでも勝ち続けた安定感はさすがとしか言いようがない。
一時は目の不調で、試合会場でボールが見えなくなることに悩んでいた水谷。私自身も五輪会場となる東京体育館で3月に試合をしたが、確かに照明の光が強いと見えづらい時があると感じた。サーブを投げ上げると照明が視界に入って眩しいし、コートチェンジをするとボールの見え方が変わるし、慣れるまではやりづらかった。不調があれば、本当に球が見えなくなってしまうだろう。今大会は、会場の照明が選手ファーストになっていることを願う。

観るスポーツとしての「映えプレー」

水谷の戦型はTリーグではドライブ型、公式サイトではオールラウンド型と書かれている。ドライブ型は、強い前進回転のかかったボールやラリー勝負で戦っていく最も一般的な攻撃型で、オールラウンダーは攻守混合型。そして水谷は守備技術もうまい攻撃型、「オールラウンダーなドライブマン」だ。
水谷が得意技術に上げているロビングは、相手に打ち込まれたボールを台から離れて山なりに高く返す守備的打法だ。ドライブ型の場合は「しのぎ」として使うことが多い。ロビング打ちはボールを上から叩き続ける側と、追いかけて返し続ける側に分かれるため、攻撃側が優位に見える。
しかし、水谷はボールを曲げたり高さを変えたりしているので、しっかり見て攻撃しないとミスになってしまう。また、ロビング側がカウンタードライブを混ぜると、上から叩こうと前のめりになっているところを攻撃的なボールで刺されるような形になり、対応が難しい。水谷のロビングは、しのぎではなく相手を誘っているのだ。
ロビングはラリーがダイナミックになる「映えプレー」でもある。守備範囲が広くなるため女子の卓球で見ることは少なく、今回の女子日本代表の3人もほとんど使っていない。水谷の映えるロビング、ぜひ注目してほしい。
水谷が得意な守備技術にはブロックもある。水谷はドライブの打ち合いの中で、あえてラケットを壁のようにして返すボールを混ぜる。この場合、ボールを擦らないので回転量とパワーが落ちる代わりにコースを狙いやすい。ガンガン打って得点できれば気持ちいいが、冷静にコースを狙っても1点だ。決まらなくても、相手より先に緩急をつけることでラリーの主導権を握ることに繋がる。
水谷が安定して勝ってきたのは、試合運びの巧さやコース取りなどの判断力、メンタルの強さが大きいが、その根底には技術の広さがある。AがダメならB、それもダメならCと冷静に手を変え品を変え、織り交ぜて出すことができるのだ。レジェンドが魅せる堅実で映えるプレーは、今回も多くの人が卓球にハマるきっかけになるだろう。
《ライタープロフィール》
福田由香
NHK岡山キャスター、テレビ愛知アナウンサーを経て「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)で現場リポーターとして活動した経歴を持つ異色のライター。卓球初段。全日本社会人選手権、全国インカレ出場。学生時代は全国国公立大学卓球大会で数々の賞状を手にした。
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