「私たちはクリーンにやりたい」王者フルトン陣営による“異例のクレーム”! 井上尚弥は「凄いナイーブ」と意に介さず

2023年7月22日(土)16時0分 ココカラネクスト

フルトンとの大一番を前に早くも“心理戦”を挑まれた井上。しかし、日本の怪物は冷静さを失わなかった。(C)Getty Images

 大一番を目前に控えたなかで、王者陣営が異例の“クレーム”が飛んだ。

 7月25日に東京・有明アリーナで行なわれるボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチを3日後に控えたなかで、挑戦者の井上尚弥(大橋)と2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)が神奈川・横浜市内のホテルで公式会見に出席。試合への意気込みを語った。

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 テレビカメラ約15台、100人近い報道陣や関係者が集結し、独特の空気が漂うなかで実施された同会見において注目を集めたのが、フルトン陣営のワヒード・ラヒームトレーナーが放ったコメントだ。

 王者フルトンがファンへの挨拶を追え、司会者が井上に話を振ろうとした時だった。マイクを握ったラヒームトレーナーが「ちょっといいか?」と主張。そして、帝拳ジム、大橋ジム、日本サイドでこの試合を実現させるために尽力してくださった皆さんに感謝申し上げます。来日した後も皆さんが準備するために時間、場所を提供してくれた。日本人の皆さんがとても温かい。滞在中もサポートしてくれた。日本に引っ越したいくらいだ。この町、国は本当に素晴らしいと実感している」と大会関係者への感謝を述べたうえで、自身のスマートフォンを見ながら、次のように訴えたのだ。

「普段、会見は我々が質問を受けるためのものだが、WBC、WBO、JBCに私から聞きたいと思う。私はこの質問に皆さんが真摯に答えてくれると思っている。日本の皆さんは自分たちに誇りを持っていると思う。だから聞きたい。質問は、『この試合を開催するにあたって2人のファイターがリングに上がるために最も重要なものは何か?』だ。どなたか、この質問に応えてくれる人はいるか?」

 突然の問いかけに沈黙が続き、同トレーナーはさらに続けた。

「私がこのように発言しているのも、フルトン本人が、全身全霊をかけて、この試合に取り組んできたからだ。前回は自分たちに納得のいっていない結果だった。だから、我々は、この試合をクリーンにやりたいと思っている。選手たちのレベル、質を下げることのないことを祈る。このような問題が起こるなら選手がリングに上がる意味がなくなる。自分の発しているものがしっかり耳に届き、改善されることを願って発言しておきたい。安全な方法でテープ(バンテージ)が巻かれることを願っている」

 大演説を繰り広げたラヒームトレーナーは質疑応答でコメントの真意を問われ、「動画でバンテージを巻いている映像があり、イノウエのハンドラップ(バンテージ)に関する記事も見て、論争が上がっているんだ。この試合に関してはそういうことが起こらないように、明確な準備をしてほしいという意図だった」と主張した。

 突然、疑惑を向けられた井上当人だったが、冷静さ失っていない。苦笑いを浮かべながら「何か、凄いナイーブだなと思います。自分は24戦やって、全試合で正々堂々と試合をしている。何の記事を見たのかわからないけど、こちらも正々堂々と戦いたい」と反論した。

 この意見にもラヒームトレーナーは反応。会見の終わり際に再び司会者を遮り、「イノウエからナイーブになっているとあったが、私がフルトンと日本に来るのは問題なく試合ができると信じているからだ。選手のどちらかが有利になってはいけない」とコメント。「私が見た記事でテーピングの巻き方で論争になっているんだよ。パンパンのグラブで試合をするのは公平ではない。試合に公平さを求めるためにここで発言をした」と言い返した。

 最後の最後まで井上のグローブに対する疑念を訴え続けたフルトン陣営。試合に向けた心理戦かもしれないが、「少しナイーブになりすぎかなと」と淡々と語った“挑戦者”に動じた様子はなかった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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