3年ぶりエミル・フレイが勝利の美酒。ウインワードAMGはBMWとの接戦を制する/GTWCヨーロッパ第5戦

2024年7月23日(火)18時36分 AUTOSPORT web

 2024年GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS(GTWCヨーロッパ)第5戦が、7月19日から21日にかけて、ドイツのホッケンハイムで開催された。


 スプリント・カップの今季第3戦となったイベントは、週末に各60分の決勝が2回行われ土曜のレース1は、ルーカス・アウアー/マーロ・エングル組48号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング・チーム・マンフィルター)が優勝。。翌日開催のレース2では、ベン・グリーン/コンスタ・ラッパライネン組14号車フェラーリ296 GT3(エミル・フレイ・レーシング)がスイスチームに3年ぶりの勝利をもたらしている。


 32台のGT3カーがグリッドに並んだ夏のホッケンハイム。強い日差しが照りつけるなか、20日(土)の決勝前に行われた予選では71号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ)がポールポジションを奪った。エリゼオ・ドンノが乗り込んだ296は、晴天の下でスタートが切られた決勝のオープニングラップから、フロントロウに並んだグリーン駆る14号車フェラーリに迫られるが、このバトルを制し、以降は徐々にリードを拡げていく。


 対して序盤にポジションを奪えなかった14号車は、アウアー駆る48号車メルセデスからプレッシャーを掛けられる立場に。グリーンは必死のディフェンスで48号車と、さらにその後ろから迫ってきた991号車BMW M4 GT3(センチュリー・モータースポーツ)を抑え込むが、レース中盤のピット・ウインドウ・オープンまで残りわずかのところで2台に攻略を許してしまう。


 そのピットタイミングでは14号車が上位陣では真っ先に入り同じタイミングで、19番手スタートながら前半の25分で6番手まで這い上がる、脅威の挽回を見せた32号車BMW M4 GT3(チームWRT)がピットイン。アウトラップで14号車フェラーリもかわし実質のトップ3に浮上した。


 2番手を走る48号車メルセデスはレースの折り返しのタイミングでピットに戻り32号車BMWの前でコースに復帰。この翌周にトップの71号車フェラーリがピットインしたが、作業に時間が掛かり4番手での復帰となった。


 レースの後半戦はエンゲルの48号車メルセデスとドリス・ファントール駆る32号車BMWの一騎打ちの展開となり、フィニッシュまで残り13分の段階で、ピットアウト直後の攻防以来、やや間が開いていた両車が最接近。ランオフエリアも使ったバトルの末、前者がリードをポジションを守りきり最後は1秒089という僅差でウインワードのメルセデスがトップチェッカーを受けた。48号車から7秒遅れた14号車フェラーリが3位、4位にはポールシッターでシルバーカップを制した71号車フェラーリが入り、同クラス2位となった30号車BMW M4 GT3(チームWRT)が総合5位となっている。

32号車BMW M4 GT3の追撃を振り切った48号車メルセデスAMG GT3 2024年GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第5戦ホッケンハイム
レース1で優勝したマーロ・エンゲル(左)とルーカス・アウアー。手前の子はエンゲルの愛娘


 明けた日曜日も青空の下で予選と決勝レースが行われた。4番手からスタートした14号車フェラーリは、ラッパライネンがオープニングラップで32号車BMWをかわし幸先よく3番手に浮上する。さらに、2番グリッドからスタートし6号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(リキモリ・チーム・エングストラー・バイ・ワン・グループ)を追っていた99号車アウディR8 LMS GT3エボII(トレゾア・アテンプト・レーシング)が左フロントサスペンションの損傷で戦線を離れたため、労せず2番手に。


 フルコースイエローと短いセーフティカーランを挟んで迎えた直後のピットタイミングでは、エミル・フレイ・レーシングが迅速なピット作業で14号車を送り出し、同じタイミングでピットインした32号車BMWとタイヤ交換時にタイムを失った6号車ランボルギーニに先行。ラッパライネンからバトンを受けたグリーンがそのまま後半の約30分を危なげなく走りきってトップチェッカー。エミル・フレイ・レーシングに2021年以来の総合優勝を贈っている。


 優勝車から約6秒後方では、ウィーツ駆る32号車BMWと10番手スタートとなった48号車メルセデスによる接近戦が繰り広げられたが、アウアーのメルセデスに決定的な場面は訪れず。結果、WRTのエースカーがこの週末2度目の2位表彰台を獲得し、レース1の勝者は3位で日曜のレースを終えることとなった。トップから15秒遅れた4位は9号車メルセデスAMG GT3エボ(ブーツェンDVS)、5位にはシルバーカップを制した30号車BMW(チームWRT)が入っている。


 GTWCヨーロッパの次戦第6戦は同じくドイツが舞台。7月26〜28日にニュルブルクリンクで開催される第6戦だ。グランプリコースでの開催となる同イベントは、エンデュランス・カップの第3ラウンドとなっている。

フロントロウに並んだ6号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2と99号車アウディR8 LMS GT3エボII 2024ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第5戦ホッケンハイム・レース2
レース2で優勝したエミル・フレイ・レーシングの14号車フェラーリ296 GT3 2024年GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第5戦ホッケンハイム
予選4番手からレース2で逆転勝利を収めた、コンスタ・ラッパライネン(左)/ベン・グリーン組 2024年GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第5戦ホッケンハイム
2レース続けて2位となった32号車BMW M4 GT3のシャルル・ウィーツ/ドリス・ファントール組は、スプリント・カップのランキング首位に立っている。 2024年GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第5戦ホッケンハイム


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