【ブログ】鍛え上げたドライバーたちは、猛暑の中でも余裕の表情/F1第11戦ドイツGP現地情報
2019年7月27日(土)14時20分 AUTOSPORT web
F1第11戦ドイツGPはメルセデスのモータースポーツ活動125周年記念の看板がいたるところに。次は130周年記念をどこかでやる機会があるのでしょうかね……。今回もムッシュ柴田氏が現地の様子をお届けします。
————————————–
1年前のレポートを読み直すと、あの時のドイツも「暑い、暑い」と騒いでたんですね。でもせいぜい、日中の最高気温は30℃でした。
それが今年は、木曜日38℃、金曜日37℃(「FP2のピットレーンでピレリが測ってた気温は、42℃だったよ」と川井ちゃん(川井一仁/モータースポーツジャーナリスト)談)。木曜日は朝6時からホテルの近所を走ったんですが、すでにヒマワリが気持ちよさそうに夏の日を浴びてました。
われわれ下々の報道陣が泊まる安ホテルにエアコンなど付いているはずもなく、日没の10時過ぎまで冷房の効いているメディアセンターに居残るようにしているのですが、
夜11時過ぎに部屋に戻っても、室温はまだ30℃近く。唯一の救いは湿気が30%もないことで、なので扇風機をつけっ放しにして比較的熟睡できました。
翌朝になっても、ほとんど室温は下がってないんですけどね(苦笑)。夏風邪を引く心配は、なさそうです。
確か去年も、「ドイツGPは今年が最後」と言って、満員の観客を集めた気がしますが、今度こそ最後になりそうです。今年がメルセデスの「モータースポーツ活動125周年記念」だったから、延命を決めたらしいです。
なのでメルセデスのモーターホームはもちろんのこと、
サーキットのそこかしこに、125周年記念の看板が見られます。
マシンも、125周年記念のホワイトアロー仕様。初期のメルセデスはドイツのナショナルカラーの白に塗ってたのが、重量オーバーのために塗装を剥がしてアルミボディむき出しで走ったら、圧勝した。それ以降、シルバーアローになったというお話です。ということは今週末のメルセデスは、いつもより重いのか(なんちって)。
モーターホーム前には、メルセデスの歴代チャンピオンたちを顕彰するシールが貼ってありました。このカラッチオーラの次がファンジオは大戦を挟んで20年近くのブランクがあり、さらにその次のニコ・ロズベルグまでは、実に60年も待たなければなりませんでした。レースファンなら誰でも知ってる「ルマンの悲劇」を引き起こした責任から、メルセデスが全モータースポーツ活動から撤退してしまったからですね。125年もやってると、まさに歴史に翻弄され続けたことがよくわかります。
そんな酷暑の中、ドライバーたちが木曜日恒例のコース下見をしてました。
時間は正午頃。日なたの路面温度は軽く50℃を超えてたと思うんですが、ドライバーたちは意外に平気な顔で、セバスチャン・ベッテルとかは水も持たずに1周歩いてました。
しっかり鍛え上げてて体脂肪率が低い分、これぐらいの暑さは何でもないんですよね。
そんな中、日本で活躍中の山本尚貴選手にもバッタリ遭遇しました。
ホンダのエンジニアとちょうどコース下見から戻って来たところで、やはり炎天下のコースを1周してきたようには全然見えない、余裕の表情でした。
ん?もしかしてホッケンハイムかハンガロリンクで、FP1に出場する?なんて先走ってしまいましたが、まったくそういう話ではなく。
翌日、ホンダの山本雅史マネージングディレクターといっしょのダブル山本状態で、今回の訪問目的、その前にファクトリーで体験してきたこと、そして今後どうして行くのかなどなど、みっちり語ってもらいました(別項のインタビュー記事をお読み下さいませ)。
山本選手のF1挑戦に関しては、30歳超という年齢問題は確かに避けて通れないでしょう。でも今回改めて彼の人間として十分に成熟した佇まいと頭の良さ、そして衰えない情熱に触れて、若ければいいってもんじゃないとつくづく思いましたね。