ホンダF1田辺TD初日インタビュー:天気が崩れる予選日以降のセッティングを考慮。「温度差のバランスも考える必要があります」/F1ドイツGP

2019年7月27日(土)13時11分 AUTOSPORT web

 最高気温37℃、路面温度50℃超という酷暑のコンディション下で行われたF1第11戦ドイツGP初日セッション。オーストリア、イギリスの好調を受けて、レッドブル・ホンダは今週末のドイツでもメルセデス、フェラーリに迫る速さを発揮するのではと期待された。


 ところが初日に関しては、マックス・フェルスタッペンがトップのシャルル・ルクレールから約コンマ7秒遅れの5番手と今ひとつの結果だった。さらにピエール・ガスリーはFP2終盤にクラッシュを喫し、15番手に終わってしまう。一方でホンダ側も、ドライバビリティに関する問題が出るなど、完璧とは行かない1日だった。


——かなり暑いコンディションの初日でしたが、レッドブル・ホンダのドライバーはふたりとも、「パワーの出方に問題がある」というような無線をしていました。
田辺豊治F1テクニカルディレクター(以下、田辺TD):2台とも同じ症状だったのですが、ドライバビリティの改善をいろいろやっている中で、エンジンセッティングを変えたところ、動きが悪くなってしまった。より正確に言えば、想定以上に激しい動きになってしまったというか。それで一気にパワーが出ない状態になってしまった。それで2台ともすぐにガレージに戻ってもらって、調整し直しました。


——それがなかったら、もっとタイムは上がっていましたか?というのも高速区間のセクター2だけで、フェルスタッペンはコンマ5秒遅かったです。
田辺TD:というか、パワーが大きく落ちていましたから。まともなタイムを出せる状態ではありませんでした。セクター2が遅かったのは、また別の話ですね。


——イギリスGPで出たラグの問題を解消しようとしての措置だったと思うんですが、ここでもラグの問題が再発する恐れがありますか?
田辺TD:ガスリーはラグのことはほとんど言っていませんが、他の3人は多少出ていると言っています。トロロッソ・ホンダの方は、他にもいろいろな要因が絡まってる可能性があります。そこは調査しているところで、わかり次第対応します。


——そんな問題もあって、フェルスタッペンの自己ベストは中古タイヤで出したものですか?
田辺TD:そうですね。その意味ではチーム側に、少なからぬ迷惑を掛けてしまいました。


■現状でトップ3チームの力関係に変化なし


——このサーキットは高速のセクター2と、低速区間のセクター3と、どちらにクルマを合わせるかが難しいところです。特に明日の予選以降、天気が崩れることを考えると、いっそう難しいと思うんですが。
田辺TD:その辺はドライバーコメントを参考にして、チーム側が解析して、方向性を決めている最中です。


——どちらに振るか判断するためのデータは、十分にありますか?
田辺TD:温度差が今日と明日以降ではかなり大きいでしょうから、稼働範囲内にきっちり入れないといけない。10数℃下がることが予想されますから、バランスも考える必要がある。パワーユニットに限って言えば、その辺は過去のデータも参考にしつつ、セッティングの方向性は見えています。


——ガスリーは、FP2終盤に残念なクラッシュを喫してしまいました。ドライビングミスだったんでしょうか。
田辺TD:ミーティングでも、ドライバーはコメントしていなかったですね。まったく触れなかった。クルマの不具合でなかったことは、確かなようです。データも見ていますしね。


——まだ初日ですが、トップ3チームの中での力関係は田辺さんから見て、ある程度の変化はありますか?
田辺TD:今までとあまり変わっていないというか、まったく変わっていないですね。残念ながら。


——今のF1ではターン1やターン15は、全開で行けてしまう。その分、エンジンパワーへの依存度が上がっているかと思うんですが。
田辺TD:そこはまだ、解析できていません。


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