ホンダF1本橋CE予選後インタビュー:トロロッソ側でアップデート投入も熾烈な中団争いに苦戦。「路面変化に合わせきれなかった」
2019年7月28日(日)13時36分 AUTOSPORT web
トロロッソはF1第11戦ドイツGPで、空力と足回りの大幅なアップデートを投入した。しかし熾烈な中団争いを繰り広げるライバルチームたちも改良の手を止めておらず、一気に戦闘力アップとは行かなかった。アレックス・アルボンは遅いクルマに引っかかって予選Q1落ち、ダニール・クビアトも路面コンディションの変化にうまく適応できず、14番手が精いっぱいだった。
——車体のアップデートも入って予選に期待したんですが、なかなか噛み合わないですね。
本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):そうですね。セットアップに少し苦労してたのと、サーキットの路面の改善度合が思った以上に大きかった。それから路面温度も数時間の間に、急激に変化した。その辺りが少し、掴みきれなかったですね。
——金曜日から土曜日にかけてのカーヒュー(夜間作業制限)を破っていましたが、何があったんですか。
本橋CE:大きなトラブルではないんですが、車体の修正に思った以上に時間がかかったみたいです。作業自体、けっこう複雑なものだったようですね。何かを変えたというようなものではないです。
——初日はかなり暑かったんですが、トロロッソの車体はレッドブルに比べても冷却に厳しいですよね。
本橋CE:ところが実際には、もう少し暑くなるだろうと、それに合わせたボディワークをチーム側も用意してくれていたんですね。でも結局、そこまで暑くなかった。
——体感温度はかなり厳しいものでしたが、それでも想定していたより低かった?
本橋CE:そこまででは、なかったですね。クリーンエアで走れたからというのもありましたけど。レース中の渋滞は、本当にきついですから。一気に温度が上がってしまう。
—— 一方で初日から、マシンバランスに苦労しました。
本橋CE:ええ。去年に引き続いて、初日でセットアップがなかなか合わせられない。いろいろ振ってみるんですが、うまく行かなかった。
——それが今日になって、FP3で大きく改善しました。
本橋CE:ええ。特にアレックスですね。ところがFP3から予選にかけて再びコンディションが大きく変わって、それでセットアップがズレてしまった。
——FP3が終わった午後1時から2時間の間に、そんなに大きくコンディションが変わりましたか?
本橋CE:ええ。特に路面温度ですね。外気温は安定していたんですが、路面温度が上がった。さらに風向きも、ころころ変わりました。
——アルボンはQ1の1セット目も、タイムが出なかったようです。
本橋CE:FP3のまま行ければよかったんですが、路面変化に合わせきれなかったですね。少し残念でした。
——クビアトもQ2のあの順位が、精いっぱいでしょうか?
本橋CE:う〜ん、もう少し行けたかなというのが、正直なところですね。
——中団争いはここに来て、さらに熾烈になっていますね。
本橋CE:ですね。なのでちょっとしたミス、タイヤの使い方の違いが、大きく結果に影響する。アタックとアタックの間のクールラップの使い方も、相当考える必要がありますね。
——トロロッソのふたりは、スロットルラグの症状は訴えていない?
本橋CE:大丈夫ですね。さくら(HRD Sakura/栃木県の本田技術研究所)やミルトンキーンズ(HRD MK/イギリス・ミルトンキーンズにあるホンダの拠点)でいろいろ確認作業してくれていますし、まだ改善の余地はありますが、今週末は問題ないですね。
——レースペースはここも、問題なさそうですか?
本橋CE:大丈夫だと思います。ただ明日はコンディションが大きく変わりそうなので、それにどこまで対応できるか。そこをどう捉えるか、今晩ファエンツァ(イタリアにあるトロロッソの本拠地)のファクトリースタッフも交えて、戦略を立てて行きます。
——できればあまりコンディションが、ころころ変わらないでほしい?
本橋CE:そうですね。本当に。そういう状況に陥っても、取りこぼしなく結果を出せれば一番いいんですが。
——そろそろダブル入賞をしたいですね。
本橋CE:ええ。4台完走、4台入賞を、ぜひ果たしたいですね。