「奇妙だ。彼は僕をアイドルだと」中国競泳19歳に“名指し批判”された豪競泳選手が反論「談笑もしたのに」【パリ五輪】
2024年8月2日(金)15時30分 ココカラネクスト
表彰台で金メダルを誇らしげに手にした潘展楽。その横には批判をされるチャルマーズが立っていた。(C)Getty Images
大衆の面前で批判をされたアスリートが複雑な胸中を隠せなかった。
事の発端は現地7月31日、パリ五輪男子競泳100m自由形で、世界新記録(46秒40)をマークして金メダルを手にした潘展楽(中国)の優勝インタビューだった。
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19歳の若きエースは、自身が保持していた記録を0秒40も更新する圧巻のパフォーマンスを披露。プールで快哉を叫んだわけだが、レース後に母国のテレビ局に優勝の心境を問われると、ライバルたちを猛然と批判した。
「大会初日から酷いものだったよ。(4×)100m自由形リレーの時にカイル・チャルマーズ(オーストラリア)のところに挨拶に行ったんだけど、彼は僕らを完全に無視したんだ」
そう他国選手による“嫌がらせ”を暴露した潘展楽は、「ジャック・アレクシー(アメリカ)なんて、練習でフリップターンしながらプールサイドにいた(中国の)コーチに水をかけてきた」とも告白。その上で「きっと彼らは僕らを見下しているんだと思う。でも言わせてもらっていいかい? 彼らを僕は今日打ち負かしたんだ」とエキサイトした。
中国競泳界に“逆風”が吹いていたのは事実だ。今年4月、2021年の東京オリンピックの7か月前に禁止薬物の陽性反応が出たにもかかわらず、23人の中国選手が罰せられていなかったことが発覚。大騒動に発展していた。
今大会に向けては、世界アンチドーピング機構(WADA)がドーピング検査の強化を約束。さらにドーピングの国際検査機関(ITA)も五輪開幕間近の7月25日に、パリ五輪に出場する中国の水泳選手が今年に入ってから600回を超える検査を受けていると公表した。
猛批判を受けていた19歳に名指しで批判されたチャルマーズは、どこか複雑な想いを打ち明ける。母国紙『The Roar』の取材に応じた26歳は「うーん、それはちょっと奇妙な話だよ」と切り出し、問題となった大会初日時の潘展楽とのやり取りを回想する。
「だってその大会初日のリレーの時に僕らはフィストバンプ(グータッチ)をしたんだよ。僕はすぐに仲間とのレースに向けて集中力を高めたけど……。(100メートル自由形決勝の)前の日もウォームダウンの時に談笑もした。僕としてはなにも問題はなかったんだけど……」
首を傾げるチャルマーズは、昨年の世界選手権で「あなたは僕のアイドルです」と言われたとも告白。「ちゃんと英語を使ってくれたから、すごく嬉しかったのを覚えているよ。この決勝後にも彼に『おめでとう』と言ったら、また『おー、あなたは僕のアイドルです』と言ってくれていたんだ」とも明かした。
食い違う両者の意見。どちらが真実を話しているかは不明なままだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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