アプリリアが新エアロを投入。その狙いとライダーの評価は/MotoGP第10戦イギリスGP

2024年8月3日(土)10時30分 AUTOSPORT web

 シーズン後半戦の幕開けとなるイギリスGP初日、アプリリアが新しい空力デバイスを投入した。形状はどのように違うのか。新しい空力デバイスのターゲットはどこに置かれたのか。そして、ライダーはどう感じたのだろうか。


 アプリリアが登場させた新しい空力デバイスは、率直に言って、一見、以前のそれと大きな違いはない印象だ。はっきりとした変化は、サイドカウルの段差になっている部分について溝のような形状になった、というあたりだろうか。

今季二つ目となるホモロゲーションを取得した空力デバイス


 この空力デバイスについて、アプリリアはこのように説明している。


「20以上のボディワーク・コンポーネントが改良、または再設計されました。主な目的は、空力デバイスによって生じるダウンフォースと空気抵抗の比率、つまり効率を向上させることです。さらに、バイクがコーナリング中にバンクしているときのグランド・エフェクト・ダウンフォースが改善され、横風への感度を下げました」


 つまりどういうことかというと、プラクティス中の国際中継におけるアプリリア・レーシングのチームマネージャーであるパオロ・ボノーラへのインタビューを引用しよう。


「(新エアロで達成しようとしているのは)旋回性と敏捷性です。また、私たちはバイクから熱を取り除くために取り組んでいます。昨年、私たちはこの問題に少しばかり苦しみましたからね」


 なお、新しい空力デバイスについてはアプリリア・レーシング、トラックハウス・レーシングの4名のライダーに供給されているという。現時点で、唯一、来季もアプリリアに残留することが決まっているラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)を含めた4名のライダーが同じ仕様のパッケージを走らせるのは、理にかなった話だ。


「私たちはこのサマーブレイクで……ブレイクではなかったんですけどね……、懸命に取り組みました。新しいバイクを持ち込むためです。それは今季二つ目のホモロゲーションで、比較が容易になりますので、全てのバイクが同じ仕様となります」


 さて、ライダーたちはこの新しい空力デバイスについて、どのように評価したのだろうか。エスパルガロは、ボノーラが説明していた通り、敏捷性が上がった、と述べている。


「バイクは少しだけ機敏になった。重要なことだ。バイクの動きを変えるのが本当に難しくて、どこが限界なのかも本当にわかりづらい、という問題を抱えていたからだ。このフェアリングでバイクは少し機敏になる。いつも、というわけじゃないけど、悪くはないよ」


 ただ、熱の問題については、エスパルガロの見解は「進化はない」というものだった。


「アジアに行ったときに問題がわかるだろう。問題は気温ではなく、湿度なんだ。僕たち人間も呼吸ができないけど、エンジンも呼吸ができなくなる。エンジンが呼吸できなければ、何もかもがどんどん熱くなる。全てが口の中に、ライダーの中に取り込まれていくことになる。アジアのレースまで待たなければならない。ただ、僕はあまりポジティブではないね。新しいフェアリングについてはパフォーマンス面ではよさそうだけど、気温という面ではあまり進化しているとは思わないな」


 一方、ビニャーレスは「どちらのパッケージでもあまり差はないと思う」と語っていた。


 ライダーたちのコメントを聞くと、劇的な改善を感じているわけではなさそうだ。ただ、エスパルガロが語っていたように、今後のレースでさらなる効果が現れる可能性は考えられる。


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