「怪物はこのままでいい」井上尚弥はSバンタムが限界? 米トレーナーがさらなる階級上げに提唱「難しくなる」

2023年8月3日(木)17時0分 ココカラネクスト

井上の階級上げを求める声が強まるなかで、それに苦言を呈する識者もいる。(C)Getty Images

 去る7月25日に東京・有明アリーナで行われたボクシングの世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、井上尚弥(大橋)は、2団体統一王者のスティーブン・フルトン(米国)を圧倒。8回TKO勝ちという衝撃的なパフォーマンスを披露した。

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「イノウエは異常だ」

 試合直後から周囲からは“モンスター”に対する期待が膨らんだ。そのなかには、日本人史上2人目となる4階級制覇をやってのけた井上のさらなる階級上げを進言する声も噴出。一部の識者やファンの中には、現WBA世界ライト級レギュラー王者のガーボンタ・デービス(米国)との対戦を訴える者も現れたほどだった。

 一方で井上の適正階級が、あくまでスーパーバンタムであると訴える識者も少なくない。ニューヨークに拠点を構える米ボクシングトレーナーのアンドレ・ロジエ氏もその一人で、米メディア『Boxing Scene』で「イノウエにとって今の階級はまさに最適だ」と断言している。

 日ごろから数多の選手たちを指導し、階級制スポーツの何たるかを熟知するロジエ氏は、「もしもイノウエが126(フェザー級)とかにいくのであれば、相手は彼にとって少し大きすぎるだろうね。難しくなるはずだ」と指摘。やはりスーパーバンタムが限界であるという見解を示している。

 さらに井上が契約する米興行大手『Top Rank』のボブ・アラムCEOが「密かに画策しているのではないか」(『Boxing Scene』より)とされる元世界3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との対戦もロジエ氏は「当然、厳しいと言わざるを得ない」と断じている。

「ローマはイノウエには大きすぎる。パンチ力、スピード、視野、すべてにおいて上回ることになるからね。いいじゃないか。怪物はこのまま怪物のままで」

 もっとも、井上自身も無謀な階級上げには懐疑的な意見を示してきた一人だ。アラン・ディパエン(タイ)とのバンタム級2団体統一戦を終えたばかりの21年12月には、「『敵がいないから上げろ』ってみんな言いますけど、階級をひとつ上げるのはそう簡単なものじゃない。それで自分のパフォーマンスが潰されるなら上げることはしない」と持論を展開していた。

 おそらく今後も階級上げを求める声は続く。そうしたなかで、井上がいかなる決断を下していくのかは大いに興味深いところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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