井上尚弥へ揺るがぬ評価! PFP投票で唯一の票を投じた米誌編集長が指摘「クロフォードも吞気にいるべきじゃない」

2023年8月3日(木)7時0分 ココカラネクスト

クロフォード(左)にPFPランクで劣った井上(右)だったが、世界的権威を誇る米誌編集長の評価は揺らいでいない。(C)Getty Images

 現地7月31日、創刊101年を誇る米老舗ボクシング専門誌『The Ring』は、全階級を通じて誰が最も優秀なボクサーであるかを指すパウンド・フォー・パウンド(PFP)を更新。先月25日にスティーブン・フルトン(米国)を倒し、4階級制覇をやってのけた井上尚弥(大橋)を2位に選出した。

 難攻不落とされた王者を圧倒した日本のモンスターに世界が震撼した。だが、『The Ring』が1位に選出したのは、史上初となる2階級での4団体統一を果たしたテレンス・クロフォード(米国)であった。

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 無理もない。クロフォードが残したインパクトは、それほど特大だった。

 クロフォードは、井上の試合から4日後に米ラスベガスで開催された世界ウェルター級4団体王座統一戦で、3団体統一王者エロール・スペンスJr.(米国)から3度のダウンを奪って勝利。プロキャリア40戦無敗とした35歳のベテランは、衰え知らずのパフォーマンスで業界に衝撃を与えた。

 ただでさえ、“世界最強”を決するのは容易ではない。ましてや、ともに「世紀の一戦」と目されたビッグマッチを制したファイターに優劣をつけるのは至難の業と言えよう。ただ、「世界で最も権威がある」とされる『The Ring』はクロフォードの快挙を高く評価した形となった。

 同誌によれば、「テレンス・クロフォードこそがふさわしい男だった。議論はなかった」という。しかし、井上に対する1位票がゼロというわけではなかった。他でもない編集長であるダグラス・フィッシャー氏は票を投じていたのである。

 今回の投票について「私が少数派であるのは分かっている」と記したフィッシャー編集長は、井上を推挙した理由も明かしている。

「どちらが1位となっても間違いにはならないと心の底から感じている。なぜなら、どちらも世代を代表するタレントだからだ。しかし、私はイノウエをパウンド・フォー・パウンドのキングとすることにこだわった。

 イノウエはプロでわずか25戦目にして、4階級王者であり、元4団体統一王者でもある。彼はスーパーバンタム級でナンバーワンと評価されていた相手を、同階級での初戦で圧倒したんだ。クロフォードがより実績があり名高いスペンスを相手に同様に圧倒したことは分かっているが、私はテキサン(スペンス)の交通事故、目の手術、減量苦、ライフスタイルといった背景を考えずにはいられなかった。フルトンは、始まって早々に機能しなくなったスペンスよりも、フレッシュで、多才なボクサーだったと思う」

 さらに「イノウエと同じぐらい価値がある」とクロフォードを称えながらも「イノウエは今年が終わるころには2階級で4団体統一王者になる。おそらく我々はこの議論を見直すことになる」と断言。そして、「イノウエが1位になるには5階級で主要タイトルを勝ち取る必要があるかもしれないが、すでに彼はそこへ向かっている。だから、バド(クロフォードの愛称)も呑気に身構えているべきではない」と井上の進化を強調している。

 惜しくもPFPでは2位に終わった。しかし、日進月歩で進化を続けるモンスターの声価は高まっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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