「自分たちの心も動くチームになれていて嬉しい」 なでしこ主将・熊谷が胸を張るチーム力
2023年8月6日(日)0時3分 サッカーキング
なでしこジャパンは1点リードで迎えた20分に今大会4試合目にして初の失点を喫したが、主将の熊谷紗希は「想定内」と話し、「ラッキーな形でしたけど、先制してもこのままいけるとは思っていなかったですし、簡単な試合にならないとは思っていたので。(サイド攻撃への対応を)練習していただけに、やられ方は悔しいですけど、それでも前半1−1。想定内にできたところはすごく大きかったですし、失点しなかったら必ずチャンス、勝機はあると思っていて、その通りになってくれました。前の選手があれだけ走って取ってくれた3点目は、特にチームとしてのメンタル的にも大きかった」と振り返った。
相手が5−4ブロックで構え、日本にボールを持たせつつ、中央を固めてきたため、前半は攻めあぐねる部分もあったが、チームとしてDFラインを上げる、ボランチの位置関係が縦になるように意識するなどの修正を加えて勝利を手にした。その修正力を「すごいっすよね、マジで」と正直な言葉で表現した熊谷。「相手を見てサッカーができる。ハーフタイムに(池田)太さんから、引いている相手に対してボランチ2枚が落ちてゲーム作りをするのはもったいないから、1枚は積極的に出て行けとは言われました。言われてできるすごさもちろんあります。出てきた選手によってやることがはっきり変わるし、それが今のチームの強さだと感じているので。ここで終わるのはもったいないと思うし、まだまだこのチームはいけると思うので、とにかく次に向けて準備していきたい」と力強く話している。
チームはセカンドボールに対する意識も高かったが、「『この試合にすべてを懸けよう』と話していたし、自分たちの心も動くチームになれていることがすごく嬉しい。全員が集中したからこそのセカンドボールへの反応だと思うし、途中で出てきた選手たちもいろいろな役割を果たしてくれる。本当にチーム全体で勝てたことだと思うし、これだけ集中してこの試合に臨めたことは、自分たちの準備が良かったというか、そこにはグループステージから自信を持っているので」と、チームを称える。
ノルウェー戦前には相手のサイド攻撃と高さに対する警戒感をどの選手も口にしていたが、先制した直後に、その警戒していた形のワンチャンスをものにされた。チームとして肩を落としてしまうような失点になりえたが、傷口を広げることなく、しっかりと勝ち越して勝利を手にした。その成功体験は次戦にもつながる自信になる。熊谷は、「この試合を見たら、きっと次の相手も狙ってくると思いますし、自分たちがリードしていたら最後の展開は確実に起こりうることなので、そういった意味で良いシミュレーションにもなりました。勝ったから何でも言える部分はありますが、焦りはなく、メンタル的にもビハインドにはなっていないですし、この展開をここで一つ経験できたことはすごく良かったと思います。この試合が次に繋がる試合にしなければいけないと思いますし、次は(相手より)1日多く時間があるので、次に向けてまた修正していきたいと思います」と、次戦へと目を向けている。