仙台育英、東海大相模、智弁和歌山 甲子園のスーパー1年生

8月6日(火)7時0分 NEWSポストセブン

仙台育英の伊藤樹投手

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 8月6日に甲子園で開幕する第101回全国高校野球選手権大会。成長著しい年代だけに、活躍するのは3年生が多いが、名門校のスーパー1年生にも注目だ。ノンフィクションライターの柳川悠二氏が、令和元年に新怪物となりそうな「スーパー1年生」たちについてレポートする。


 * * *

 24対1──激戦区・神奈川を戦後の決勝最多得点で制したのは、私学の雄・東海大相模だった。


「アグレッシブベースボール」を掲げ、強打が伝統の同校にあって、今年は2年生5人がスターティングメンバーに並ぶ。


 決勝で尺玉級の花火を打ち上げた2年生トリオ山村崇嘉(たかよし)、鵜沼魁斗(かいと)、西川僚祐(りょうすけ)の猛打の陰で光っていたのが1年生の石田隼都(いしたはやと)。昨年、ボーイズジャパンのエースとして活躍した石田はリリーフ登板し、3回をパーフェクトに抑えた。


 スーパー1年生をふたりも擁し、今夏の甲子園で台風の目となりそうなのが宮城・仙台育英だ。


 5月に筆者は仙台育英に向かった。その日は大船渡との練習試合が予定されていて、佐々木(朗希)が目当てだったが、どうしても見ておきたい投手がもうひとりいた。4年前の甲子園で仙台育英が準優勝した時のエース・佐藤世那と同じ名前の読みをする笹倉世凪(せな)。1年生左腕である。


 笹倉は岩手県の出身で、仙台育英の附属にあたる秀光中に越境留学。2年次には軟式球で147キロをマークし、昨年は全中で準優勝。その名は既に全国区だ。


「身体の馬力が、高校生のレベルではありません。菊池雄星、大谷翔平、佐々木朗希……岩手出身の4人目の怪物に育ってもらえたらと思っています」


 そう笑ったのは、仙台育英の須江航監督だ。大船渡との試合で、先発のマウンドを任された笹倉は、4番を打つ佐々木にバックスクリーンに飛び込む特大の本塁打を浴びた。須江監督には、注目を集める大船渡との試合で、笹倉が苦い経験をすることで、さらなる成長を促そうという狙いがあった。まさにそのとおりの展開だったが、163キロ右腕からチーム初安打を記録する思わぬ誤算もあり、非凡な野球センスにあふれる選手だ。


 さらに、笹倉と一緒に秀光中から高校に上がった右腕の伊藤樹(たつき)も、2年後のドラフトを騒がせるかもしれない。教科書のお手本のような美しい投球フォームから、器用に変化球を投じていく。現時点で投手としての完成度では笹倉を上回るように見える。


 大荒れの宮城大会決勝では、15対10で迎えた7回からマウンドに上がり、いきなり3者連続三振を奪うなど3回を無失点で抑えそのまま胴上げ投手となった。


「9回に投げるとは思っていなくて。すごい経験ができました。MAXは141キロです。右打者にはスライダーとスプリット、左打者にはスプリットとシュートを決め球に使っています」(伊藤)


 須江監督は、身体が出来上がっていない1年生のふたりに、「週に200球」という球数制限を指示してきた。決勝後、須江監督はこんなことを話した。


「甲子園でも、笹倉と伊藤のポテンシャルをフルに活かしたい。ふたりで4回を投げて、残りの5イニングを3年生投手でしのぐ。それが理想の展開です」


 他にも名門私立で1年生から活躍する選手がいる。ドラフト候補の3年生を擁する智弁和歌山で、4番を任される徳丸天晴(てんせい)だ。準決勝の南部戦では4打数4安打2打点の“天晴れ”な内容。レフトからの強肩でも魅せる。和歌山では安泰の地位を築く智弁和歌山なだけに、甲子園の度に徳丸の成長を見守る楽しみもある。


 また、奈良の智弁学園にも期待のルーキーがいる。185センチの体躯から140キロ前後の速球を投げ込む小畠一心と、4番を任される前川右京だ。


 地方大会で出色の活躍をみせた「スーパー1年生」の中から、この夏、早くも佐々木に続く令和“第2”の怪物が生まれてもおかしくない。


※週刊ポスト2019年8月16・23日号

NEWSポストセブン

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