五輪連覇へネリー・コルダは急降下からカムバック 直前3試合スキップの理由は「普通の人間になることも…」
2024年8月8日(木)7時15分 ALBA Net
<パリ五輪 初日◇7日◇ル・ゴルフナショナル(フランス)◇6374ヤード・パー72>
東京五輪金メダリストのネリー・コルダ(米国)は、前半7番までに3つのボギーを叩く苦しい立ち上がりだったが、そこからカムバック。イーブンパー・13位タイまで順位を戻した。
スタート直後の1番から3パットのボギーと暗雲が垂れ込めた。さらに4番では1.5メートルのパーパットを外し、7番でも3パットでスコアを落とすことに。「練習グリーンとコースでまったくコンディションが違って、かなり遅かった。体感で1フィートくらいは違ったわ」。イメージ通りにカップまで届かず、いらだちも募る。
しかし「前半はあまりポジティブになれなかったけど、後半はいいパットが打てるようになった」と徐々に感覚も合い始めると、約2メートルを決めた9番パー5でようやく初のバーディ。さらに13番、14番もショットとパットがかみ合って連続バーディが来た。「練習してきて、どれくらい打たないといけないかは分かっていた。打ちすぎもよくないから、それを信じるしかない。後半はしっかりと乗っていけたわ」。ジタバタすることなく、準備してきた感覚を貫いたことが奏功した。
今季は開幕直後からツアー記録に並ぶ出場5試合連続優勝を達成(今季6勝)。「全米女子オープン」からは自己ワーストとなる3試合連続予選落ちも経験したが、休みを挟みながら無理ないスケジュールを組んでいる。五輪前も「アムンディ・エビアン選手権」以降の3試合はスキップし、クラブを握らない週も作ったほど。「精神的な休息を取るのもいいことだと思う。でも、大会に出ていないときもたくさん練習はしている。ジムで汗を流して、そうやって鋭さを保つようにしているの」。試合出場と調整、そこで“緩急”をつけているのにはもちろん考えがあってのことだ。
「休んだり、一歩離れたり。両親がプロテニスプレーヤーで、姉がプロゴルファーだったことはとてもラッキーだったわ。普通の人間になることも大切。人生もゴルフも何もかもがジェットコースターのようなものだから」。父のペトルさんは1998年「全豪オープン」男子単を制したテニス選手で、母のレジナ・コルドバさんも1988年のソウル五輪に出場したテニス選手だ。姉のジェシカはツアー通算6勝のプロゴルファーで、弟もセバスチャンもプロテニスプレーヤー。そんなアスリート一家だけあって、よき相談相手がたくさんいる。
多くのギャラリーが見守るなかでのプレーには、「ただただ頭が下がる思い。こんなにたくさんの人が来て、みんな応援してくれるなんて」と感激。国旗が掲げられ、国家が流れる東京の表彰台から見た景色が感動的だったことは、当然かすむことはない。「(パリでも)とても素晴らしい経験ができているわ」。首位との差は7打といきなり開いたが、連覇に向け残り3日間でじわりじわりと詰め寄っていく。
<ゴルフ情報ALBA Net>