怒号から笑顔に変わった11台抜きの3位表彰台。タイトル争いに名乗りを挙げたケーヒンNSXの『重くても強いクルマ』

2018年8月8日(水)10時57分 AUTOSPORT web

 スーパーGT第5戦富士500マイル。酷暑のなかのサバイバル戦、夕暮れまでおよんだ富士500マイルでもっとも輝いていたマシンは、17号車のケーヒンNSX-GTだろう。


 予選直前の段階で「エンジンがかからない」トラブルが発生したケーヒンNSXは、14番グリッドからの決勝スタートとなったが、最終的には11台抜きを演じて3位表彰台へと登りつめた。土曜日の夕方には金石勝智監督の怒号がピット内を包んだが、そこからの大逆転劇だった。


 開幕戦の優勝を見れば、軽い状態でのケーヒンNSXの速さに疑いの余地はない。しかし、第2戦以降、ひとたびウエイトを積むと、そのスピードは影を潜めポイントさえも取れないレースが続いていた。


 今回の富士に向けては、とくに苦戦が予想されていた。そもそも、富士とホンダNSXの相性はお世辞にも良いとは言えないうえ、ケーヒンNSXは実ウエイトがGT500で最重量となる50kgを積んでいたためだ。


 そんな中で、17号車は突如目を覚ました。「今回は『重くても強いクルマ』に仕上げることがテーマでした。ウエイトは50kg、さらに燃料満タンで約70kg。最大で合計120kgを積んでも戦えるクルマにしたかった」とはケーヒンNSXの田坂泰啓エンジニア。


 レース終盤、気温が下がってくるとNSXのタイムが相対的に上がってきたことに加えて、各スティントの終盤でも、ケーヒンNSXが驚異的なペースを保ち続けた理由は「硬めのタイヤを使いこなすセッティング」にありそうだ。


 土曜日にはお怒りだった金石監督も、レース後には「ドライバーもメカニックも、土曜日にトラブルがあったなかでここまで持ち直してくれた。昨日のトラブルがあって、逆に救われました。トラブルが出たことによっていろいろ変えることができて、いい引き出しを増やすことができました。耐久レースはチームの総合力が大事なので、チームとしてちょっとは強くなったのかなと感じましたが、これからまだまだ、強くなりたいですね」と笑顔でコメント。


 軽くても、重くても速いケーヒンNSXがタイトル争いに名乗りを挙げた。


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