頭上作業が楽になる外骨格ベスト、フォードが世界15工場に展開へ。作業員の肉体的負荷を軽減

8月9日(木)16時0分 日本版Autoblog



21世紀に入ってもう18年がたちますが、まだまだわれわれの生活から自動車という便利な道具を切り離すことはできません。もちろん、自動車の製造ラインはかなりオートメーション化されてきており、テレビなどでも巨大なロボットアームが溶接のスパークを閃かせるたびに、シャシーに様々なパーツが取り付けられていくのを見たことがある人も多いでしょう。

もちろん、ロボットでは不可能な作業というのもまだまだたくさん存在するため、自動車メーカーは新たな車種の生産を開始するときなど繁盛期にむけて期間的に従業員を増やしたりして対応をはかります。ただ、メンテナンスをすれば良いロボットとは異なり、人間の場合は就業時間を通して何度も何度もの同じ動作を繰り返すと、肩や腰をはじめとして身体のそこかしこが痛くなったり、慢性的な怪我を引き起こす可能性もありえます。

フォードは自動車を組み立てる従業員に対して、そのような痛みや怪我を軽減するために「EksoVest」と称する外骨格ベストを供給すると発表しました。

EksoVestはロボット外骨格を専門的に開発する企業Ekso Bionicsによって供給され、その名のとおりベストとして上半身に装着します。これを利用する工程は、身体への負担が大きい頭上へ吊り下げたシャシーへのパーツ取付け作業を行います。

ただ、EksoVestにはモーターやバッテリーといった動力は搭載していません。パッシブタイプのアームサポートが腕を上にあげるにつれ約2.3〜約7kgほどの力で上腕を手助けし、負担を大きく和らげてくれるとのこと。

フォードは過去1年と4か月にわたってミシガンの2工場でEksoVestを試験導入してきました。そして導入した部門の86%がそれを日常的に使用するようになったため、新たに世界15か所の工場に利用を拡大することにしたと、フォードの人間工学およびバーチャルマニュファクチャリング担当の技術主任Marty Smets氏は語ります。

Smets氏は、EksoVestを使うのは自動車製造ラインの中でもごく限られた部分の人だけでであることを付け加えました。フォードは今後75セットのEksoVestを導入する計画ですが、それを15の工場で使うとなると、1工場あたりはごくわずかな数しか導入しないことになります。

とはいえフォードは外骨格の導入を長期的に考えており、小規模でも導入展開することで、技術の成熟とともに利用できる工程も増やして行きたい考えです。うまく行けば今後、自動車の生産に現場で携わる人々の業務中に負傷したり、慢性的な痛みに悩まされることがなくなっていくかもしれません。

ちなみにこのEksoVest、日本でもこの5月に積水ハウスなどが住宅施工現場向けに導入を発表しています。住宅建設現場を通りかかったときにふと中を覗き込めば、もしかすると使っているところを見られるかもしれません。

By Munenori Taniguchi

※こちらの記事は『Engadget 日本版』より許可を得て掲載したものです。

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