WEC富士の暫定エントリーリストが発表。ニック・キャシディ欠場、代役はダビデ・リゴン

　9月9日から11日にかけて、静岡県の富士スピードウェイで開催される、2022年WEC世界耐久選手権第5戦『富士6時間耐久レース』の暫定エントリーリストが公開された。7月21日付で発表されたリストでは、4クラス合計36台の参加が明らかになっている。

　ル・マン覇者でありシリーズチャンピオンでもあるTOYOTA GAZOO Racingが、2台のトヨタGR010ハイブリッドを走らせているハイパーカークラスでは、前戦モンツァでデビューを飾ったプジョー・トタルエンジーズのプジョー9X8も2台揃って登場予定だ。

　また、そのモンツァで今季2勝目を挙げシリーズランキング首位に立っている、アルピーヌ・エルフ・チームの36号車アルピーヌA480・ギブソンも暫定リストに名を連ねた。一方、既報のとおり、グリッケンハウス007 LMHを走らせるグリッケンハウス・レーシングはチームの経済的な理由により来日を見送っている。

　LMP2クラスは、ロジスティクスに係るリスクを考慮した結果、富士戦への参加を断念したARCブラティスラバを除いた計13台がエントリーしている。

　最高峰のハイパーカークラスでドライバーラインアップの変更がない一方、LMP2クラスは数名の入れ替えがある模様だ。そのうちのひとりであるニコ・ミューラーは今季、ベクター・スポーツでライアン・カレン、セバスチャン・ブルデーと10号車オレカ07・ギブソンをシェアしてきたが、この富士ラウンドでは欠場が決まっている。

　また、WRTでショーン・ゲラエル、ロビン・フラインスとともに31号車オレカ07・ギブソンで戦ってきたレネ・ラストも来日をキャンセル。いずれもDTMドイツ・ツーリングカー選手権第6戦スパ・フランコルシャンとWEC富士の日程がバッティングすることが欠場の理由となっている。なお、レギュラードライバーを欠くふたつのチームは、現段階で両名の代役を務めるドライバーを確認していない。

　今季限りでのカテゴリー廃止が決定しているLMGTEプロクラスは、フェラーリ、ポルシェ、コルベットを代表する3つのチームから全5台のワークスカーが出場する。この中では、新型コロナウイルスに感染し前戦モンツァを欠場したリヒャルト・リエツが、ポルシェGTチーム91号車ポルシェ911 RSR-19のシートに戻る予定だ。

　LMGTEアマクラスは、LMP2と並び最多13台のマシンがグリッドに着く。同クラスでは、ほぼすべてのチームがラインアップを維持するが、54号車フェラーリ488 GTEエボを走らせるAFコルセのみ変更があり、DTM第6戦に出場するニック・キャシディに代わってフェラーリのワークスドライバーであるダビデ・リゴンを起用している。開幕が1カ月後に迫ったWEC富士の暫定エントリーリストは以下のとおりだ。

■2022年WEC世界耐久選手権第5戦富士6時間 暫定エントリーリスト（7月21日付）