クラシック制覇という一族の悲願を託された逸材、クロスキーの可能性

8月11日(日)6時17分 Sportiva

厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第12回:クロスキー

 3歳クラシックの舞台には上がるものの、タイトルには手が届かない——。そうした馬が多数いる一族にとって、クラシックの栄冠を獲得することは、まさしく”悲願”となる。

 今年も、そんな”悲願”を託された2歳馬がまもなくデビューする。美浦トレセンの国枝栄厩舎に所属するクロスキー(牡2歳/父ハーツクライ)である。


兄姉が果たせなかったクラシック制覇が期待されるクロスキー

 同馬は、間違いなく良血である。その兄姉たちも大いに活躍している。だが、多くの馬がクラシックへと駒を進めながら、勝利を得るまでには至っていない。

 2010年生まれの姉フロアクラフト(牝/父フジキセキ)は、トライアルのスイートピーS(東京・芝1800m)で2着となって、GIオークス(東京・芝2400m)の出走権を手にした。本番では17番人気の評価を覆して5着と健闘したが、勝ち負けを演じるまではいかなかった。

 2011年生まれの姉バウンスシャッセ(牝/父ゼンノロブロイ)は、クラシック制覇に最も近づいたが、あと一歩及ばなかった。同馬は、GIIIフラワーC(中山・芝1800m)を制して、牡馬クラシックのGI皐月賞(11着。中山・芝2000m)に挑んだあと、大本命のオークスに臨んだ。3番人気に推されて、1番人気のハープスター、2番人気のヌーヴォレコルトらと大接戦を演じたが、コンマ1秒及ばず、3着に泣いた。

 2016年生まれのコントラチェック(牝3歳/父ディープインパクト)も期待の1頭だった。たぐい稀なスピードの持ち主で、フラワーCを圧勝。満を持してオークスに挑んだものの、9着に敗れた。

 こうして、これら姉たちの無念を晴らし、一族の悲願達成へ、大いなる期待を寄せられているのが、クロスキーである。無論、姉たちとは違って、牡馬クラシックを目指すことになるが、これまで同馬に関わってきた人々の評価はどんなものなのか。ノーザンファーム早来で育成を担当した木村浩崇氏は、春の取材でこんな感触を口にしていた。

「育成を始めてから、本当に順調にメニューをこなしてくれました。すごくよくなりましたね。まだ現時点で緩さはあるのですが、それでもいいタイムで走れています。これからさらによくなると思いますし、父は成長が遅めのハーツクライですから、伸びしろは十分あるのではないでしょうか」

 なお、この血統は気性面で特徴的な馬が多かったが、その点についてはどうなのか。木村氏はこう語る。

「兄のホーカーテンペストなどを見てきましたが、クロスキーはこの血統ということを考えると、『扱いやすい』と感じますね。たぶん姉のコントラチェックのような逃げ馬ではなく、タメて切れるタイプになるのではないでしょうか。他のスタッフからの評価も高いです」

 気性面にやや不安を抱えていた兄姉たち。そうしたタイプと違うとなれば、彼らが届かなかったタイトル奪取への夢は一段と膨らむ。

 同馬はすでにトレセンで調教を積んで、8月17日の2歳新馬(新潟・芝2000m)でデビューする予定だ。

 一族の悲願を背負ってキャリアをスタートさせるクロスキー。まずは初陣でどんな走りを見せてくれるのか、しっかりとチェックしたい。

Sportiva

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