アーセナル、“鬼門”攻略も浮き彫りとなった課題。CL出場権獲得へ、結果に肉付けすべき強み

8月12日(月)11時36分 フットボールチャンネル

苦戦を強いられるも…

 プレミアリーグ第1節、ニューカッスル対アーセナルが現地時間11日に行われた。今季こそはチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得を目指すアウェイチームは、90分通して内容面で課題が浮き彫りとなったが、オーバメヤンの得点でなんとか勝ち切っている。鬼門である敵地での一戦を攻略した同クラブ。今後、修正していくポイントはどこにあるのか。(文:小澤祐作)

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 全19試合中わずか1試合。これは、2018/19シーズンのプレミアリーグにおいてアーセナルがアウェイ戦でクリーンシートを記録した回数である。この結果を見ても分かる通り、ガナーズは敵地での戦いを大の苦手としていた。最大の目標であったチャンピオンズリーグ(CL)出場権を逃した昨季はとくにこの辺りの脆さを露呈し、ビッグ6の中ではアウェイ戦の成績が断トツで低かったのだ(7勝4分8敗)。ホーム戦の成績はリーグで3番目に良かっただけに、この点の脆さは早急に改善が必要であった。

 そういった意味でも、この勝利は大きいのではないだろうか。現地時間11日に行われたプレミアリーグ第1節。敵地でニューカッスルと激突したアーセナルは、後半に奪った1点を守り切って1-0で勝利している。課題と見られていたアウェイ戦での勝ち点3獲得は、同クラブにとって最高のスタートダッシュとなった。

 しかし、試合全体を振り返ってみると、かなり苦しい展開となったのは間違いない。けが人やその他様々な理由で欠場者が相次いでいたアーセナルは、新加入の二コラ・ペペやダビド・ルイス、ダニ・セバージョスらが控えに回り、ジョセフ・ウィロックやリース・ネルソンら若手が先発に名を連ねた。それ以外にもマテオ・ゲンドゥージやエインズリー・メイトランド=ナイルズといった、昨季からチームの主力として活躍していた20代前半の選手たちもスタートからピッチに立っている。

 ベストメンバーを組めたとは言い難いアーセナルは、やはり立ち上がりから苦戦を強いられた。ボールを奪ったら素早く縦に仕掛けてくるニューカッスルのシンプルな攻めに対し最終ラインが深い位置まで下がり、なかなか高い場所でボールを奪うことができない。コパ・アメリカ2019(南米選手権)で活躍したミゲル・アルミロンや今夏ホッフェンハイムより加入したジョエリントンを中心とした攻めを展開するニューカッスルに対しピンチを招くシーンもあった。

支配率は70%超。それでも…

 16分には左サイドにボールを展開され、マット・リッチーがクロス。ボックス内でジョエリントンにこれを合わせられ、あわやというシーンを招いた。その3分後には、相手のスローインから最後はジョンジョ・シェルビーにシュートを放たれたアーセナル。これはポストに助けられたが、ニューカッスルのシンプルかつパワフルな攻撃に手を焼いていたのは明らかであった。

 ただ、カウンターではやはり強みを出せた。たとえば30分の場面では、グラニト・ジャカ→ネルソン→ヘンリク・ムヒタリアンと繋ぎ、最後はピエール=エメリク・オーバメヤンが左足でシュートを放つなど、手数をかけないスピーディーな攻めはやはり質が高かった。

 しかし、カウンターではチャンスを生み出せたアーセナルであったが、自分たちで長い時間ボールを保持して相手の守備網を破るまでには至らなかった。全体的にボランチと2列目の選手間の距離が長くなっており、スムーズにパスが回らない。そのため横パスが多くなり、なかなかニューカッスルにとって脅威とはならない。縦パスを入れようと試みても、守備時は5バックを敷くホームチームの堅い守備に苦戦し、効果的なパスがほとんど入れられなかったのである。

 アーセナルは前半、ボール支配率を実に70%としたが、シュート数はわずか3本で、枠内に飛んだのは1本のみであった。対してニューカッスルは支配率30%にも限らずシュート数は5本とアーセナルより多く放っている。アウェイチームはボールを支配していた、と言うよりは持たされていたのである。

相手のミスから値千金の決勝弾

 前半は内容面でニューカッスルを下回ったアーセナル。ウィロックやネルソンら若手選手の奮闘はあったものの、全体的な連係は未完成のようにも思えた。苦手とするアウェイ戦でまたも勝ち切れないのか。どこかそんな雰囲気が漂ってもおかしくはなかった。

 しかし、アーセナルにとって待望の瞬間が訪れた。58分、ポール・ダメットのパスを右サイドでカットしたメイトランド=ナイルズがそのままドリブルで前進。最後は中央でフリーとなっていたオーバメヤンへ正確なクロスを送ると、ボールを受けた背番号14は巧みなコントロールで落ち着かせ、飛び出してきたGKマルティン・ドゥブラフカに対しボールを浮かせてゴールを奪った。

 欲しかった先制ゴールを手に入れたアーセナルはその後、セバージョス、ペペ、マルティネッリ・シウバら新加入選手を次々と投入。ウナイ・エメリ監督はあくまで守り切るのではなく、攻めにいく姿勢を見せたのである。

 ただ、彼らが起爆剤となることは残念ながらなかった。連係面が不足している感は否めず、「まだこれから」といった印象の方がどちらかと言えば強かった。もちろんペペらはアフリカネーションズカップ開催の影響でコンディションが万全ではない可能性もある。そこを考慮しても、この試合で失敗の評価を付けるのは時期尚早。だが、新加入選手をどう組み合わせていくのかは、今後しばらくの課題ということになりそうだ。

 アーセナルはこのまま1-0で勝利。開幕戦と言う特別な緊張感を抱く中で、しかもアウェイで勝ち点3を奪えたことは、素直に自信を持つべきであろう。内容はお世辞にも良いとは言えなかったが、まずは結果がすべてである。

 その内容も改善してくならば、やはり引いた相手に対しどう崩し切るのか。そこが重要なポイントになるはずだ。この試合でもニューカッスルの“5バック”に手を焼いたが、今後対戦するチームの中にはさらに引いて守る戦術を執るところも出てくるはず。カウンターはもちろん脅威だが、そこにさらなる強みを肉付けできるようになるならば、アーセナルは確実に面白いチームになるだろう。

(文:小澤祐作)

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