冨安健洋が体感する守備の国イタリアの細かさ。「毎日が刺激」

8月12日(月)6時17分 Sportiva

 2019−20シーズンを迎えるにあたって、多くの日本人選手が欧州への移籍を実現させている。そのなかにはバルセロナやレアル・マドリード、マンチェスター・シティといったビッグクラブも含まれる。ただ、それらはただちにトップチームでプレーすることを前提にした移籍ではない。そういうケースを除くと、むしろ今季ここまでの特徴は、日本から直接、欧州5大リーグのクラブへ移籍した選手がいないことだろう。

 そんななか、ステップアップという意味でひときわ目立つのが、弱冠20歳で日本代表にも定着した冨安健洋のボローニャ入りだ。ベルギー1部のシント・トロイデンで1シーズン半プレーをし、セリエA行きを実現させた。しかも5年契約を勝ち取っており、評価の高さをうかがわせる。

 ちなみにシント・トロイデンからは、鎌田大地もレンタル元だったフランクフルトへと戻っており、5大リーグへ動くことのできた選手ということになる。


プレシーズンマッチに出場した冨安健洋(ボローニャ)

 冨安は、ボローニャですでに練習試合4試合に出場している。7月26日のケルン戦では後半から、29日のシャルケ戦では先発して62分まで、8月3日のアウクスブルク戦ではやはり先発し57分までプレーした。ポジションはいずれも右サイドバックである。冨安は「練習でも右サイドバックに入ることが多い」と言っており、このポジションで考えられているのだろう。ボローニャの4バックは左サイドバックが攻撃的に上がるパターンが多い。攻撃時、最終ラインは3枚になるため、3バックの右ストッパーのような形になる。

 また、8月10日のビジャレアル戦では、先発の座こそ逃したものの、2−3で迎えた後半30分から出場。フリーキックのチャンスにヘディングで同点弾を決めている。

 アウクスブルク戦後に話を聞くと、新天地ならではの苦労があるようだ。「もう慣れたか」と聞くと、「いや、もう全然。全然ですよ……」という返事だった。

「大変というか、シャルケ戦もよくなかったし、今日もよくなかった。攻守ともにポジションがまだ定まっていないので、まだまだ時間が必要だなと感じます。ただ、時間をかけてポジション確保というわけにもいかないですし、簡単じゃないですね」

 アウクスブルク戦では、目立ったミスもなく、無難にプレーしているように見えたが、本人はまだまだ納得とはいかないのだという。

「周りとの連係というのもまだまだだし、僕自身も思い切ってできていないところがある。迷いながらやっているというか、どこにポジションを取って何をすべきかというのがはっきりしていないので、コーチとも話さないといけないですね」

 伝統的に守備が重要視されるセリエAの最終ラインともなると、だいぶ難易度が上がるようだ。

「たしかに細かいですね。ベルギーの時は、どちらかというとマンツーマンで、人対人という感じでした。日本にいた時は組織的に守備をしていたので、それも僕にとっては新鮮でしたけど、イタリアに来たら、より細かく、繊細な守備を求められる。簡単じゃないですね」

 組織で守った日本、戦術よりも個人の能力で1対1が重視されたベルギー。それに対してイタリアはまた感触が違うようだ。周囲との連係が取れないことに加えて、言葉の問題もあり、攻撃面もまだ課題だらけだという。

「パスコースもない感じがする。僕にとっては、ボールを受ける前のポジショニングというのはかなり大事なんです。その、ボールを受ける前のポジショニングが定まっていないから、ボール持った時に『コースがないな』と感じるし、(相手の)プレッシャーも感じる。まずはそこを何とかしないと、ですね」

 課題ばかりが口をついて出るが、それでも新天地でのチャレンジに、その表情は生き生きとしている。

「楽しいですけど、まだまだって感じです。簡単じゃないのはわかっていましたけど、毎日が刺激だし、少しずつやっていかないといけないですね」

 今後、ボローニャはコッパ・イタリア1回戦を経て、8月25日にリーグ開幕戦を迎える。初戦の相手はヴェローナ。順調にステップアップを果たした冨安が、「守備の国」でどんなプレーを見せてくれるか、楽しみである。

Sportiva

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