TCRドイツ第4戦:女性ドライバーのミシェル・ハルダーが初優勝。兄のマイクも表彰台に

8月13日(火)14時45分 AUTOSPORT web

 ADACドイツ自動車連盟のタイトル戦となっているTCRジャーマニー(ドイツ・シリーズ)第4戦が8月10〜11日にオランダのザントフールトで開催され、土曜決勝では古豪リキモリ・チーム・エングストラーのマックス・ヘッセ(ヒュンダイi30 N TCR)がシリーズ初優勝。続く日曜はリバースポールから出た女性ドライバー、ミシェル・ハルダー(FK8ホンダ・シビック・タイプR)がライト・トゥ・フラッグの完勝で初勝利を挙げ、3位に入った兄のマイクとともにポディウムに上がっている。


 2019年シーズン開幕戦ドイツ・オッシャースレーベン以降、チェコ共和国のモスト、オーストリア・シュピールベルクのレッドブルリンクと、海外フライアウェイ戦が続くTCRドイツ。


 WTCR世界ツーリングカー・カップ王者のガブリエル・タルキーニがゲスト参戦したその第3戦オーストリアからサマーブレイクに入っていたシリーズは、今季最後の海外戦となる第4戦オランダからシーズン再開となった。


 後半戦スタートに合わせてシリーズが発表したコンペンセーション・ウエイトでは、他国の選手権同様にヒュンダイ勢がもっとも厳しい措置を受け、60kgもの重量を搭載。TCRシリーズ共通のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)ウエイト20kgと合わせて、1345kgとヘビー級の車両重量となったばかりでなく、ライドハイトも下限90mm、エンジン出力も参戦車中唯一の97.5%に規制されるなど、苦しい戦いが予想された。


 その想定どおり、土曜の予選ではドミニク・フューゲル、ブラッドリー・バーンズのFK8ホンダ・シビック勢がフロントロウを占拠。現王者のヒュンダイ・チームHPレーシング・インターナショナル、ハラルド・プロチェク(ヒュンダイi30 N TCR)は3番手確保が精一杯となった。


 しかし同日午後17時20分にスタートが切られた決勝では、オープニングラップのクラッシュでバリア修復の必要が出たことから赤旗中断に。約20分後にセーフティカー(SC)先導で再開されたレースは、ライバルの脱落にも助けられ6番手から浮上してきたヒュンダイのヘッセが、レース時間残り1分のところで首位を行くホンダのマイク・ハルダーに仕掛けると、重量級マシンでオーバーテイクを決め、首位浮上に成功。


 そのままチェッカーかと思われたが、ポジション奪還を焦ったハルダーが残る数コーナーで再三ドアをこじ開けようと粘ると、軽いコンタクトからヘッセがハーフスピンに陥りドロップ。これで首位を取り戻したハルダーだったが、レースコントロールから「不当なアドバンテージ」とされポジションを戻すよう指示を受けスローダウン。ヘッセがシリーズ初優勝を獲得した。

R1オープニングの3番手争いから主導権を握ったマイク・ハルダー。しかし最終的に後方から追い上げたマックス・ヘッセが勝利を奪う
現ポイントリーダーのアンティ・ブリはR1で5位、R2では2位表彰台に割って入る


 このレース1決勝結果を受けリバースグリッドで争われた日曜レース2は、前日勝利を逃した兄の仇を討たんとばかりに、20歳の妹ミシェル・ハルダーがリバースポールから好スタート。


 その後方からは5番グリッド発進の現ポイントリーダー、アンティ・ブリ(アウディRS3 LMS)がダッシュを決め、1コーナーで3番手までジャンプアップすると、オープニングラップのコントロールライン通過時点で2番手にまで躍進してくる。


 首位攻防マッチレースの背後では、兄のマイクも現王者プロチェクと死闘を繰り広げる。1コーナーアウト側からオーバーテイクを決めたチャンピオンに対し、続くラップでリベンジを決めマイクが5番手争いを制すと、アウディRS3 LMSのレネ・キルヒャーを仕留めて4番手へ。さらに前を行くリキモリ・チーム・エングストラーのVIPカー、ランス-デビッド・アーノルド(ヒュンダイi30 N TCR)もかわして表彰台圏内へと上がってくる。


 さらに、2番手を行くチャンピオンシップリーダーの背後まで迫ると、ブリのアウディRS3 LMSをバトルへと誘い込み、首位を行く妹を追走することを許さず。この兄の献身的アシストにも助けられたミシェルが一度もトップランを譲ることなくシリーズ初優勝を達成。


 2位にブリ、3位にマイクが続き、ブリは5位に終わった王者プロチェクに対し選手権でのリードを12点にまで拡大。マイクは妹の勝利を祝うべく、兄妹でポディウムへと登壇した。


「兄と一緒に表彰台に立てるなんて最高の気分よ」と、喜びを語った勝者ミシェル。


「私自身も完璧なスタートが切れて、すぐにわずかなギャップを築くことができた。そのマージンを最後まで維持することができたわ」と続けたミシェルに対し、3位の兄マイクも「今日の彼女の走りはパーフェクトだったし、リバースポールを優勝に変えられたのは彼女の実力だ。自分も良い仕事ができたし、彼女の勝利を誇りに思うよ」と、妹の快走を称えた。


 続くTCRドイツ・シリーズはバック・トゥ・バックの連戦となり、8月17〜18日の第5戦は本国ドイツに戻りニュルブルクリンクが舞台に。今季はジェシカ・バックマン、タルキーニ、そしてアーノルドとバトンが繋がれたVIPゲストカーのステアリングは、WRC世界ラリー選手権コンテンダーのティエリー・ヌービルが握ることとなっている。

R2はリバースポールからスタートのミシェル・ハルダーが一度も首位を譲ることなく快走
兄妹でエントリーするTeam HalderのFK8ホンダ・シビック・タイプRのふたりが、表彰台に並ぶ結果となった


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