青森山田を止めるのはどこだ 夏の王者決めるインターハイ、14日に開幕
2021年8月13日(金)17時58分 サッカーキング
8月14日から福井県で令和3年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)男子サッカー競技が開催される。今年度は1回戦を2日間に分けて開催し、2回戦と3回戦の間に1日の休みを設けるなど、これまでの7日間の短期決戦から、9日間に渡る大会となった。
今大会の注目は、「どこが青森山田を止めるか」にある。近年、全国大会で目覚ましい結果を残し続ける“高校サッカー界の横綱”青森山田は今年もダントツで優勝候補に挙げられている。
高校ナンバーワン注目プレーヤーであるMF松木玖生、卓越した守備センスと機を見た攻撃参加が売りのボランチの宇野禅斗、屈強なFW名須川真光と昨年度の選手権準優勝メンバーが核となり、屋台骨を形成。ここにクレバーな2年生左SBの多久島良紀、対人に強く高い得点力も併せ持つCB丸山大和、高速ドリブルで右サイドを切り裂くMF藤森颯太、抜群の身体能力を誇るFW渡邊星来とトップレベルの個性的なタレントが脇を固める。
ユース年代最高峰リーグであるプレミアリーグのEASTで首位を独走するなど、圧倒的な力を持つ横綱に対して、どのチームも“打倒”を掲げており、かなりのモチベーションを持って挑んでくる。
「どのチームもかなり研究してきたり、相当な気迫で来るので、そこは難しさもある」と黒田剛監督が語ったように、インターハイは一発勝負のトーナメントということもあり、勝ち抜くことは簡単ではない。現に青森山田がインターハイを制したのは2005年度の1度のみで、いかに狙われる立場での真夏の連戦が難しいかが分かる。
今大会も行く手を阻まんとする難敵揃いのブロックに入った。初戦の相手は名将・小嶺忠敏監督が率いる長崎総合科学大附属。GK亀井一起とCB児玉勇翔、アンカーの高良陸斗を中心にした県予選無失点を誇る堅守から、MF別府史雅とFW西岡紫音の強力コンビがカウンターからゴールをこじ開ける。攻守ともに洗練されたチームだけに、青森山田にとって最初の関門となる。
順当に勝ち進んだ場合、準々決勝で前橋育英、鎌田大地の出身校である東山など個性的なチームが待ち構える。前橋育英はプロ注目の左アタッカー笠柳翼と、チーム伝統の背番号14を背負う2年生ボランチ・徳永涼という看板を持ち、右SB岡本一真、決定力のあるFW守屋練太郎などタレント揃い。東山にもプロ注目の右サイドアタッカー阪田澪哉というタレントがおり、彼を中心に繰り出す高速アタックは高いレベルにある。
準決勝では今大会ナンバーワンの激戦ブロックを勝ち抜いたチームと激突する。静岡学園、流通経済大柏、大津という優勝候補に加え、プロ注目のMF吉田陣平を擁する佐賀東、大阪桐蔭、中国新人大会王者の高川学園、仙台育英など力のあるチームが揃っている。
中でも前出した3チームの実力は抜きん出ている。静岡学園は2年生CB行徳瑛、技巧派ボランチ玄理吾、右の万能型アタッカー川谷凪と多士済々。青森山田と同じプレミアEASTに所属する流通経済大柏も2年生GKデューフエマニエル凛太朗、CB田口空我、松本洋汰と渋谷諒太のダブルボランチ、そしてプロ注目のFW川畑優翔とセンターラインの強固さは全国トップクラスだ。プレミアWESTで3位につける大津もタレントが豊富で、191cmの大型GK佐藤瑠星、1年生の時から攻守の要となっているMF森田大智、そして192cmの2年生ストライカー小林俊瑛と184cmの1年生ストライカー碇明日麻という強烈な個を有する。
決勝の相手はどこが上がってきてもおかしくない。激戦区の神奈川を勝ち抜いた東海大相模、県予選準決勝で東福岡を下した飯塚、選手権2年連続ベスト4の矢板中央、個性的なアタッカーが揃う立正大淞南、湘南ベルマーレ内定のFW鈴木章斗を擁する阪南大高。FW福田師王とMF大迫塁という注目2年生コンビが牽引する神村学園、左SB入江羚介やMF伊藤聡太、齊藤慈斗ら2年生にタレントを揃える帝京、MF佐野航大が注目の米子北。さらに高校ナンバーワンCBチェイス・アンリを擁する尚志と特長を持ったチームがおり、息の抜けない戦いが最後まで続く。
果たして青森山田が2度目のインターハイ優勝を手にして、三冠に向けて勢いをつけるのか。それともそれをどこが食い止めるのか。見どころ満載のインターハイにぜひ注目をしてほしい。
文=安藤隆人
今大会の注目は、「どこが青森山田を止めるか」にある。近年、全国大会で目覚ましい結果を残し続ける“高校サッカー界の横綱”青森山田は今年もダントツで優勝候補に挙げられている。
高校ナンバーワン注目プレーヤーであるMF松木玖生、卓越した守備センスと機を見た攻撃参加が売りのボランチの宇野禅斗、屈強なFW名須川真光と昨年度の選手権準優勝メンバーが核となり、屋台骨を形成。ここにクレバーな2年生左SBの多久島良紀、対人に強く高い得点力も併せ持つCB丸山大和、高速ドリブルで右サイドを切り裂くMF藤森颯太、抜群の身体能力を誇るFW渡邊星来とトップレベルの個性的なタレントが脇を固める。
ユース年代最高峰リーグであるプレミアリーグのEASTで首位を独走するなど、圧倒的な力を持つ横綱に対して、どのチームも“打倒”を掲げており、かなりのモチベーションを持って挑んでくる。
「どのチームもかなり研究してきたり、相当な気迫で来るので、そこは難しさもある」と黒田剛監督が語ったように、インターハイは一発勝負のトーナメントということもあり、勝ち抜くことは簡単ではない。現に青森山田がインターハイを制したのは2005年度の1度のみで、いかに狙われる立場での真夏の連戦が難しいかが分かる。
今大会も行く手を阻まんとする難敵揃いのブロックに入った。初戦の相手は名将・小嶺忠敏監督が率いる長崎総合科学大附属。GK亀井一起とCB児玉勇翔、アンカーの高良陸斗を中心にした県予選無失点を誇る堅守から、MF別府史雅とFW西岡紫音の強力コンビがカウンターからゴールをこじ開ける。攻守ともに洗練されたチームだけに、青森山田にとって最初の関門となる。
順当に勝ち進んだ場合、準々決勝で前橋育英、鎌田大地の出身校である東山など個性的なチームが待ち構える。前橋育英はプロ注目の左アタッカー笠柳翼と、チーム伝統の背番号14を背負う2年生ボランチ・徳永涼という看板を持ち、右SB岡本一真、決定力のあるFW守屋練太郎などタレント揃い。東山にもプロ注目の右サイドアタッカー阪田澪哉というタレントがおり、彼を中心に繰り出す高速アタックは高いレベルにある。
準決勝では今大会ナンバーワンの激戦ブロックを勝ち抜いたチームと激突する。静岡学園、流通経済大柏、大津という優勝候補に加え、プロ注目のMF吉田陣平を擁する佐賀東、大阪桐蔭、中国新人大会王者の高川学園、仙台育英など力のあるチームが揃っている。
中でも前出した3チームの実力は抜きん出ている。静岡学園は2年生CB行徳瑛、技巧派ボランチ玄理吾、右の万能型アタッカー川谷凪と多士済々。青森山田と同じプレミアEASTに所属する流通経済大柏も2年生GKデューフエマニエル凛太朗、CB田口空我、松本洋汰と渋谷諒太のダブルボランチ、そしてプロ注目のFW川畑優翔とセンターラインの強固さは全国トップクラスだ。プレミアWESTで3位につける大津もタレントが豊富で、191cmの大型GK佐藤瑠星、1年生の時から攻守の要となっているMF森田大智、そして192cmの2年生ストライカー小林俊瑛と184cmの1年生ストライカー碇明日麻という強烈な個を有する。
決勝の相手はどこが上がってきてもおかしくない。激戦区の神奈川を勝ち抜いた東海大相模、県予選準決勝で東福岡を下した飯塚、選手権2年連続ベスト4の矢板中央、個性的なアタッカーが揃う立正大淞南、湘南ベルマーレ内定のFW鈴木章斗を擁する阪南大高。FW福田師王とMF大迫塁という注目2年生コンビが牽引する神村学園、左SB入江羚介やMF伊藤聡太、齊藤慈斗ら2年生にタレントを揃える帝京、MF佐野航大が注目の米子北。さらに高校ナンバーワンCBチェイス・アンリを擁する尚志と特長を持ったチームがおり、息の抜けない戦いが最後まで続く。
果たして青森山田が2度目のインターハイ優勝を手にして、三冠に向けて勢いをつけるのか。それともそれをどこが食い止めるのか。見どころ満載のインターハイにぜひ注目をしてほしい。
文=安藤隆人