パリ五輪金メダルで“殿堂入り”　リディア・コが掲げた次なる目標は？

リディア・コがスコットランドでメジャーへ、さらなる弾みをつける（撮影：福田文平）

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＜ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン 事前情報◇13日◇ダンドナルドリンクス（スコットランド）◇6584ヤード・パー72＞

パリ五輪で金メダルを獲得したのは、わずか3日前の土曜日。その勝利でLPGA殿堂入りを果たしたリディア・コ（ニュージーランド）はお祝いも休息もなしでパリからスコットランドと早々に移動した。そして月曜からコースへ出て練習ラウンドを行っている。

27歳での“殿堂入り”は史上最年少記録。そして2016年リオ五輪で銀メダル、21年の東京五輪で銅メダルを手にし、ついにパリで金メダルを胸に下げた。「まだ勝利した実感が湧いてないの。土曜日の夜は移動であまり眠れなかったし、日曜の夜は眠りについたけど、とても非現実な気持ちで。目が覚めて、あれは夢だったのかなと思うほどだった」とここまでを振り返る。一方で「たくさんのお祝いメッセージをもらった。女子ゴルフのレジェンドたちにも祝ってもらった。ナンシー・ロペス、メグ・マローン、ベス・ダニエル…。こんな機会は一生に一度しかない。ほんとうに今も興奮している」と声を踊らせた。

月曜日には会場のダンドナルド・リンクスを9ホールプレー。「コースに入るとたくさんの友人、ツアー仲間が声をかけてくれた。選手のお母さんの一人と話していたら、また涙が溢れてきたわ」。余韻に浸りつつも、火曜日も9ホールをラウンド。“次の勝利”へ、切り替え中だ。

ダンドナルド・リンクスはその名の通りスコットランド北西部にあるリンクスコース、今年の「全英オープン」が開催されたロイヤル・トルゥーンのすぐ近くに位置する。リンクスコースへのアジャストは「とても難しいけれど、少しでも早く調整したかった」とも話す。それは次週が今季メジャー最終戦「AIG女子オープン」（全英女子）が聖地セント・アンドリュース・オールドコースで開催されるのも大きい。

パリ五輪後、チームの面々と話しをしたという。そこで「次の目標は？」と聞かれ、「自分の競技ゴルフを終了させる前に、メジャーに勝てれば、本当に最高だと思う」と答えた。

まだアマチュアだった15歳4カ月でLPGAツアー初勝利を挙げてから通算20勝。メジャーも15年の「エビアン選手権」、16年の「ANAインスピレーション」（現・シェブロン選手権）を制しているが、8年間はビッグタイトルから遠のいている。「どこで私のキャリアが終了するのか分からないけれど、でも新たな目標ができた」。気合いも十分だ。“前哨戦”でさらに加速をつけ、勢いそのままにセント・アンド・リュースでの勝利を目指していく。（文・武川玲子）