伝説の連続試合安打記録を塗り替えた高卒4年目、中日・岡林勇希の挑戦はどこまで届くか

2023年8月15日(火)12時11分 ココカラネクスト

岡林は低迷する中日にあって数少ない希望と言えるだろう(C)ACPHOTO

 中日・岡林勇希が8月13日の広島戦で「ミスタードラゴンズ」の記録を74年ぶりに更新した。先頭打者として立った初回に左前打。これで26試合連続安打となり、1949年に初代ミスタードラゴンズこと西沢道夫が記録した25試合連続安打記録を抜いた。

【動画】岡林勇希が74年ぶりの球団新記録!26試合連続安打を放ったシーン

 身長175センチの21歳が、伝説を超えた。西沢は1937年から前身の名古屋軍で活躍。戦前には長身の快速球投手・打者転向後の戦後は細身のバット・華麗な打撃フォームの強打者として人気を集めた。初代ミスタードラゴンズと位置付けられ、2代目・高木守道、3代目・立浪和義へと称号は受け継がれていった。通算1717安打を放つとともに、投手としては1940年にシーズン20勝を挙げるなど通算60勝をマークした。

 「目の前の試合を必死にやった結果です。超えられたのはうれしいけど、記録は意識してこなかった」と喜んだ。7月11日から1か月以上も安打を続けている。当然、今季の日本プロ野球では最長。では歴代の記録と比べてみるとどうなのか。

 連続試合安打のNPB記録は、広島・高橋慶彦が1979年に残した33試合。岡林はあと7試合安打を続ければ、日本記録と肩を並べることになる。次いで32試合が阪急・長池徳二。31試合に阪急・野口二郎と、西武・秋山翔吾が並んでいる。秋山は2015年に達成。このシーズンはNPB記録である年間216安打をマークした。

 一方、海の向こうではどうか。これは野球ファンなら一度は耳にしたことがある「アンタッチャブル・レコード」がさん然と輝く。ヤンキースのジョー・ディマジオが1941年に記録した56試合連続安打。多くの関係者が「今後、絶対破られない記録」と口をそろえる金字塔だ。

 ディマジオは同年5月15日のホワイトソックス戦から、7月16日のインディアンス戦まで77日間にわたって安打を打ち続けた。2位がウィリー・キーラーとピート・ローズの44試合連続なので、その偉大さが際立つ。

 驚きなのは、ディマジオは7月17日のインディアンス戦で無安打で記録が途切れたが、その翌日の同戦から16試合連続安打も記録したこと。もし17日の試合で1安打していたら、記録は73試合まで伸びていた。

 なお今季のメジャーリーグでは、レンジャーズのマーカス・セミエンが5月10日から6月6日にかけてマークした25試合連続安打が最長。岡林の記録はこれをすでに上回った。日本人選手ではレッドソックスの吉田正尚が4月20日から5月7日にかけて16試合連続安打したのが最長記録だ。

 3代目ミスタードラゴンズの立浪監督は「ヒットを打ち続けるのは本当に難しいこと。100年くらい抜かれないと思います」と高卒4年目の偉業を称えた。昨年は161安打を放ち、21世紀生まれ初の打撃タイトル保持者となる最多安打に輝いたヒットマン。伝説を超えた記録は、どこまで続くか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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