WorldRX参戦のハンセン、FIAの“三つ星”環境認定を取得「本社は100%再生エネルギーで稼働中」

　2021年もWorldRX世界ラリークロス選手権にハンセン・ワールドRXチームとして参戦するハンセン・モータースポーツが、FIA国際自動車連盟より“スリースター（三つ星）”環境認定を取得した最初のラリークロスチームになったことがアナウンスされ、チームはより持続可能で環境に優しい組織への変革への取り組みが評価され「正しい方向に進んでいることが確認できた」とコメントしている。

　FIAが主導するこの環境認定プログラムは、モータースポーツの競技に携わるチームやマニュファクチャラー、メーカーなどすべての利害関係者に対し、環境パフォーマンスを測定および改善できるように設定されたもの。

　原材料の消費を削減するとともに事業からの二酸化炭素（CO2）排出量を削減し、持続可能性を促進するための継続的な改善に重点を置き、その取り組みへの数値目標などが認定評価の対象とされている。

　2021年の初めに国連が主導する『United Nations Sports For Climate Action Framework（スポーツ・フォー・クライメート・アクション・フレームワーク）』に参加し、3つ星のFIA環境認定を取得することが、この成功したスウェーデン・チームの次の目標となっていた。

「環境意識と持続可能性への取り組みの基準を設定することは、ハンセン・モータースポーツの重要な目標でした。したがって、FIAから最高レベルの環境認定を取得したラリークロス界最初のチームになることは、私たちの組織にとって大きなマイルストーンになります」とコメントしたのは、ハンセン・モータースポーツのチームマネージャーを務めるスーザン・ハンセン。

■FIA会長のジャン・トッドも取り組みを評価

「私たちスポーツのすべての関係者が自分の役割を果たすことが重要であり、FIAがそのステークホルダーにそれぞれ最低レベルの環境認定を満たすよう促したことを称賛したいと思います。気候変動が私たちの生活にどのような影響を与えているか。その現実を日々、目の当たりにしているわけですから」と続けたスーザン。

「ドイツでの世界選手権の週末でさえ、この地域で起こっている気候の大惨事のため延期されました。気候変動に関する最近のIPCCレポート（国連気候変動に関する政府間パネルによる報告書）は、緊急行動の必要性をさらに強調しています」

「したがって、可能な限り最高レベルの認定を直接目指すことが重要であると感じています。可能な限り環境に配慮した活動を行い、気候変動との戦いで主導権を握るため、あらゆる手段を講じることを忘れないでいたいと思っています」

　今季のWorldRX最高峰クラスは『RX1』と呼ばれる新たな名称を採用しただけでなく、来季2022年には完全電動車両を用いた『RX1e』への発展が計画されているだけに、600PS級のガソリンエンジンを搭載した内燃機関スーパーカーにとっては、これが最後のシーズンとなる。

「2022年にFIA世界ラリークロス選手権が完全な電気自動車に転換することで、私たちはモータースポーツやより広い自動車産業、そして一般の人々に模範を示す必要があります」と続けるスーザン。

「FIAからのこの認定は、私たちが正しい方向に大きな一歩を踏み出したことを示しており、今、この点でチームのパフォーマンスをさらに向上させるために努力と推進を続けなければなりません」

　すでにハンセン・ワールドRXチームは、気候変動との継続的な戦いにおいて廃棄物をさらに削減し、より多くの材料をリサイクルし、CO2排出量を削減するための多くのイニシアチブを導入している。

　スウェーデンのヨーテーネにあるハンセン・モータースポーツの本社は、100％再生可能エネルギーで稼働するよう改修され、使い捨てプラスチックと紙の消費量を大幅に削減し、さらに廃棄物を減らすべく再利用可能な金属ボトルが導入。また、チームパートナーのトタル・エナジーズも、その活動に関連する温室効果ガス排出量の削減に同時に取り組んでいる。

「彼らハンセン・ファミリーとハンセン・モータースポーツは、持続可能性と環境への配慮と、その取り組みに対するパイオニアだ。彼らがスリースターFIA環境認定で認められた最初のラリークロス・チームであることをうれしく思っているよ」と、FIA会長のジャン・トッドも改めてその取り組みを評価している。