札幌記念は4歳世代のGI馬3頭が中心も、一角崩しを狙うなら3歳馬

8月17日(土)5時57分 Sportiva

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 夏競馬で唯一のGII戦である札幌記念(札幌・芝2000m)が8月18日に行なわれます。

 年によっては、GI戦と比べても見劣りしないメンバーがそろい、「スーパーGII」とも呼ばれるこの一戦。夏の北海道シリーズ、さらには夏競馬全体のメインイベントと言ってもいいほどのレースです。

 そして今年も、フィエールマン(牡4歳)、ワグネリアン(牡4歳)、ブラストワンピース(牡4歳)といった4歳世代のGI馬が3頭出走。「スーパーGII」と呼ぶにふさわしい豪華な顔ぶれがそろいました。ただ、同世代のクラシックホースとグランプリホースの3頭が顔を合わせることなんて滅多にありませんから、今回は「スーパーGII」をしのぐ、GI級のレースと見てもいいでしょうね。

 そんなレースにあって、フィエールマンとブラストワンピースは今回、GI凱旋門賞(10月6日/フランス・芝2400m)に向けたステップとして出走するようですね。2014年にも、ハープスターとゴールドシップが札幌記念をステップに凱旋門賞に挑戦。その時の札幌記念では、両馬がマッチレースを展開し、見事にワンツーを決めて、凱旋門賞への期待も高まりました。

 もちろん、今年も”チームジャパン”への期待を高める意味でも、4歳世代のGI馬3頭がレースの中心になると踏んでいますし、実際に僕もこの馬たちに注目しています。

 なかでも、GI2勝のフィエールマンと、ダービー馬のワグネリアン、この2頭の評価は甲乙つけ難いところです。ブラストワンピースも、凱旋門賞挑戦を控える身としては、恥ずかしい競馬はできないでしょうが、今回に関しては、先の2頭をより有力視しています。

 フィエールマンに関しては、勝っているGIがいずれも3000m超の長距離戦であることや、今回はあくまでも凱旋門賞へのステップレースであることから、「札幌記念では力を出し切れずに終わるのではないか?」といった意見も耳にします。

 しかし僕は、そうは思いません。確かに菊花賞(京都・芝3000m)と天皇賞・春(京都・芝3200m)を勝っていることで、長距離馬のイメージが強くなっていますが、そもそもフィエールマンの本質は中距離馬だと思っています。デビューからしばらくは1800m戦を使ってきましたし、2つのGIタイトルはどちらも、距離が合っていたというより、同馬のポテンシャルの高さと手綱を取ったクリストフ・ルメール騎手のうまさで勝ち取ったと思うからです。

 この春のローテーションについても、昨今競馬ファンの間でも囁かれているように、ノーザンファームのいわゆる”使い分け”によって、GIIアメリカジョッキークラブC(2着。1月20日/中山・芝2200m)から天皇賞・春(4月28日)へと向かったのだと思います。仮に、GI大阪杯(3月31日/阪神・芝2000m)や、GI宝塚記念(6月23日/阪神・芝2200m)に出走していても、勝ち負けを演じていたのではないでしょうか。

 何より、ルメール騎手が菊花賞以来、同馬を手放すことなく、凱旋門賞のパートナーにも選んだ馬ですから。そう考えれば、2000mの札幌記念でも問題なく力を出せるはずですし、その先の凱旋門賞に向けてもいいステップになると思います。

 先にも触れましたが、2014年のハープスターとゴールドシップは札幌記念でしっかり結果を出してフランスへ向かいました。叩き台とはいえ、フィエールマンも簡単には負けられないでしょう。

 一方、ワグネリアンも秋競馬の王道路線で主役となるためには、札幌記念でしっかりと力を示しておきたいところです。

 3歳の秋はGII神戸新聞杯(1着。阪神・芝2400m)の1戦だけ、4歳の春も大阪杯(3着)の1戦だけと、昨春のダービー(東京・芝2400m)を勝って以降はなかなか順調にいっていない状況ですが、この札幌記念はだいぶ前から目標にしていたそうです。事実、主戦の福永祐一騎手も相当前からここでの騎乗を予定していて、ワグネリアン自身もここに向けてしっかりと調整されてきたみたいですね。万全な状態でレースに臨んでくることは間違いないでしょう。

 意外にもフィエールマンとは初対戦ですが、ブラストワンピースにはダービー、大阪杯と、ともに先着しています。ダービー馬、すなわちこの世代の頂点に立った馬ですから、堂々とした競馬を見せてもらいたいですね。

 これらフィエールマンとワグネリアンの優位は動かないと見ていますが、一角崩しがあるとすれば、さらに下の世代、3歳馬ではないかと踏んでいます。そこで、今年の札幌記念に出走する唯一の3歳馬、ランフォザローゼス(牡3歳)を、今回の「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。



札幌記念に挑む唯一の3歳馬ランフォザローゼス

 札幌記念に出走してくる3歳馬というのは、例年その数は少ないのですが、この時期に古馬の強豪相手にあえて挑んでくるというのは、それなりに勝算や狙いがあってのことでしょう。現にこれまでも、人気以上の結果を出した馬が結構います。

 ランフォザローゼスは、ダービージョッキーの福永騎手が今年のダービー騎乗馬に選んだ素質の持ち主。着順こそ7着でしたが、3着ヴェロックス、4着サートゥルナーリアとはほとんど差がありませんでした。

 今回は、ダービーよりも3㎏軽く、他の馬と比べても3kgのアドバンテージがある斤量54kgで出走できます。2000mという距離も合っているイメージがありますし、毎年北海道シリーズで好成績を残している藤沢和雄厩舎所属の馬ですから、使ってくるからには勝負になると見込んでいるはずです。

 ちなみに、ランフォザローゼスは、父がキングカメハメハで、母父がディープインパクト。奇しくも、先日亡くなった2頭の名馬の血を受け継いでいる馬なんです。そんな因縁もあって、余計に期待が膨らみます。

 まあ、そうは言っても、ワグネリアンも父がディープインパクトで、母父がキングカメハメハという、ランフォザローゼスとは逆の配合。フィエールマンも父がディープインパクトで、ブラストワンピースも母父がキングカメハメハと、有力馬の多くが名馬2頭の血を受け継いでいるんですけどね……。

 こうしてみると、ディープインパクトとキングカメハメハの2頭は、競走馬としても、種牡馬としても、本当に偉大な存在であったことを、あらためて痛感させられます。

 何はともあれ、注目の札幌記念。GI馬が激突するということだけでなく、凱旋門賞や秋の王道GIの行方を占う意味でも、見どころ満載の一戦です。「スーパーGII」という呼び名を超越する、見応えのあるレースになることを期待しています。

Sportiva

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