「アロンソはシューマッハーと同等の才能を持ちながら、それをうまく生かせなかった」とマッサ
2018年8月19日(日)9時15分 AUTOSPORT web

フェリペ・マッサは、フェラーリでチームメイトだったフェルナンド・アロンソについて、レーシングドライバーとして非常に優れた才能を持っているのは間違いないが、チーム内に波乱を起こすことがしばしばあり、それがアロンソ自身にマイナスの効果をもたらしたと考えている。
マッサは2010年から2013年の間、フェラーリでアロンソと4シーズンにわたってペアを組んだ。マッサはキャリア序盤の2006年には、7度のF1チャンピオン、ミハエル・シューマッハーのチームメイトも務めている。
マッサは彼独自の洞察によって、ふたりを比較し、僚友の立場から見たふたりの違いについて語った。
「純粋に才能ということであれば、僕はミハエルとフェルナンドは同レベルだと思う」とマッサは言った。
「アロンソはたやすくレースを理解し、信じられないほど速く走れる。神から与えられた才能を持っており、豊富なスキルを持つ非常に知的なドライバーだ。それはミハエルについても同じことが言えるだろう」
マッサと組んだ2006年をもってシューマッハーはいったんF1から退いた。ベテランのシューマッハーは当時まだF1キャリア初期の段階にいたマッサへの援助と指導を惜しまず、ふたりは親しい関係にあった。だが、同い年のアロンソをチームメイトとして持つことは、マッサにとっては全く異なる体験になったという。
「認めざるをえないが、彼(アロンソ)の隣にいるのは簡単なことではなかった」とマッサは振り返った。
「僕はミハエルとは親しい間柄だった。若かった僕は、7度の世界チャンピオンからすべての知識を吸収しようと躍起になっていた。そしてシューマッハーは僕にとてもよくしてくれた。でもフェルナンドに対しては、違う方法で立ち向かわなければならなかった」
「マシンを降りれば、アロンソとは何の問題もなかった。僕たちはいつも健全な協力関係のもとで仕事に取り組んでいた」
「フェルナンドにはひとつ問題があるんだ。バイザーを下ろしたら彼は別の人格になる。彼はチームを真っ二つにすることができるんだ。そのことは彼が所属してきたたくさんのレーシングチームで見受けられていた」
「僕はそれが彼の問題だと見ているんだ。もしかしたらそういう特質がなければ、彼は才能をもっと生かせたかもしれないね」
アロンソは2019年にはF1で走らないことを決定、「引退」という言葉は使っていないものの、今季末でF1キャリアに一区切りをつけることになる。