「絶対ひかなかった」再び流れを手繰り寄せた岡田彰布監督の「超ファインプレー」を球界OBが解説

2023年8月21日(月)11時42分 ココカラネクスト

岡田監督の渾身の抗議は選手の心を動かした(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神は8月20日のDeNA戦(横浜スタジアム)に2−0と勝利し、連勝。先発の伊藤将司が9回6安打無失点で今季2度目の完封勝利と力投を見せると、打線もサイ・ヤング賞右腕、トレバー・バウアー相手に今季3度目の対戦で初めて土をつけた。

 投げて打って—、伊藤将が躍動した。6回まで散発2安打と持前の制球力でテンポ良く投球を進め、自身のバットでも4回に適時打、7回に左前打と、バウアーから2本のヒットを放つ八面六臂の活躍を見せた。左腕の完封劇で最近は連投が続いていた中継ぎ陣を休ませられたのも大きかった。

【動画】9回二死、ソトの大飛球を右翼、森下がキャッチして、伊藤将が今季2度目の完封勝利を成し遂げた場面

 これでマジックをまた一つ減らし「26」とした。18年ぶりの悲願の優勝へ向け、着実に進む岡田阪神の戦いぶりには球界内からも様々な考察の声が出ている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた高木豊氏が21日に自身のYouTubeチャンネルを更新。阪神の戦いぶりについて言及している。

 週末3連戦の各球団の戦いぶりを振り返る企画の中で阪神がDeNAに勝ち越した週末の3連戦に関して、高木氏は初戦に起きたある出来事に目を向けた。

 18日のDeNA戦。1点を追う9回一死一塁に代走・熊谷敬宥が二盗を試みると、1度はセーフと判定されたものの、DeNA側のリクエストの末にアウトと覆された。

 この場面では遊撃を守る京田陽太の足が二塁ベースをふさぐ形になったようにも見えたが、走塁妨害は適用されず。怒りが収まらない岡田彰布監督は審判団に猛抗議、その後フロントを通じて、正式にセ・リーグにも意見書を提出していた。

 このシーンに関して高木氏は「岡田監督の抗議で流れが変わった」と語り、「絶対ひかなかったという、本当に(指揮官が)勝負をしているという姿勢を見ると選手は奮い立つなという」象徴的なシーンになったとした。

 約5分にわたる審判団への猛抗議の際、ベンチでは指揮官を真剣に見つめるナインの姿があった。自分たちのために最前列で戦ってくれている、その思いが改めてチームの士気を高めたというのだ。

 実際にこの18日の試合は敗れたが、翌日からの2試合は連勝と勝ち星に結び付けている。

 また高木氏は改めて、岡田監督の用兵のたくみさを評価した。

 この3連戦では遊撃ポジションを競わせる小幡竜平と木浪聖也がともに活躍するシーンがあった。

 初戦、2戦目に先発起用した小幡は2戦目で3安打の猛打賞、さらに3戦目で先発起用した木浪は先制適時打をマークと同ポジションを競う選手たちが切磋琢磨の姿勢でチーム力の底上げにつながっている。

 ほかにも外野手の布陣ではドラフト1位ルーキーの森下翔太と小野寺暖など、競い合わせることで潜在能力を引き出し、〝両方生きる〟ことにもつながっている。こういった起用法に関して高木氏は「選手の使い方が非常にうまい」と改めて高く評価した。

 セ・リーグでは18日のプレーに関して岡田監督の抗議、意見を前向きに取り入れ、今後のルール改定も視野に入れるという。

 すべての面で快進撃を続ける岡田阪神の勢いは止まりそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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