ThreeBond Racing 全日本F3選手権第5ラウンドもてぎ レースレポート

2018年8月22日(水)15時48分 AUTOSPORT web

2018 JAPANESE FORMULA 3 CHAMPIONSHIP
RACE REPORT Vol.05


第10戦/第11戦/第12戦
8月18日(土)/8月19日(日)
ツインリンクもてぎ


 8月18日(土)〜19日(日)、全日本F3選手権シリーズ第5大会(第10戦、第11戦、第12戦)が、栃木県ツインリンクもてぎで開催された。今大会は、1大会3レースイベントであり、公式予選で記録したベストラップタイムで第10戦、セカンドベストラップタイムで第11戦、第10戦決勝レースの順位で第12戦のスターティンググリッドを決定するという規則が適用される。異常気象とも言われる猛暑が続いてはいたが、レースウイークを前に北寄りの風が吹き込み、快適で過ごしやすいコンディションとなった。


公式予選


 8月17日(金)まで行われていた専有練習走行では、笹原は上位タイムを記録はするものの、ニュータイヤを使用した時のタイム伸びしろが小さいという現象に悩んだまま、土曜日朝8時20分からの公式予選セッションに臨むこととなった。
 
 1大会3レースイベントの規則で、週末に使用できるドライのニュータイヤは3セット。チームは、1セットはレース距離の長い第12戦の決勝レース用に温存し、2セットを使って2回のタイムアタックを行う作戦を選んだ。


 笹原は1セット目のニュータイヤでのタイムアタックに入ったが、タイムは1分45秒291と伸び悩み、この時点では5番手につけた状態でピットに戻った。ピットではノーズコーンを外してフロントのロールバーおよびスプリングの調整を行い、2セット目のニュータイヤを装着してコースイン、セッション残り7分となったところで2回目のタイムアタックに入った。


 笹原は1分44秒485までラップタイムを短縮したが全体のポジションは7番手に終わった。この結果、第10戦のスターティンググリッドは7番手、第11戦のスターティンググリッドは9番手と決まった。


第10戦 決勝


 8月18日(土)午後4時10分から14周のシリーズ第10戦決勝レースが始まった。スターティンググリッド7番手からスタートした笹原は鋭い加速で6番手へ順位を上げて第1コーナーへ進入、マシンをアウトに振ってクロスラインを狙いさらに順位を上げようとするが進路を塞がれてそのままコーナーを立ち上がった。
 
 ところが3コーナーを立ち上がろうとしたところでスピードが鈍った。「いつもならレバーを操作すればギヤが変わって加速していくのですが、空回りする感じで加速しなくなってしまいました」と笹原。


 3コーナーから4コーナーにかけて次々と後続車に抜かれた笹原はスローダウン、1周を走り終えてピットへ帰還した。クラッチにトラブルが生じており、走行続行は不可能な状況でレースを終えた。チームは翌日の第11戦に向けてクラッチ交換の作業にとりかかった。

笹原右京(ThreeBond Racing)


第11戦 決勝


 8月19日(日)も前日同様に薄曇りで涼しい風が吹くコンディションとなった。午前8時25分から第11戦決勝レースが始まった。チームの作戦としては、ニュータイヤは周回数が20周と長いシリーズ第12戦のために温存し、第11戦はユーズドタイヤで戦う作戦だった。


 しかし、前日のリタイアにより第12戦のスターティンググリッドが最後尾となってしまったため上位進出は難しくなった。シリーズポイント獲得を考えたとき、9番手スタートの第11戦が有利と考えた笹原は、ニュータイヤを第11戦に投入する提案をチームに対して行ない、チームもそれを受け入れてニュータイヤを装着した状態で笹原をスターティンググリッドへ送り出した。
 
 スタート合図の瞬間、笹原は絶好のスタート加速を見せ、アウト側からオーバーテイクをかけて一気に6番手まで順位を上げた。さらに#2阪口選手に詰め寄ると3周目の5コーナーでイン側に飛び込み順位を入れ替えた。クラッチを交換したマシンは快調で、笹原はオーバーテイクが難しいと言われるツインリンクもてぎで前走車との間隔を縮めていく。
 
 笹原は5周目の第4コーナーで#93大湯選手のインに飛び込み前へ抜け出すと、みるみる引き離しながら3番手を走る#1金丸選手との間隔を縮めにかかった。他車よりタイヤアドバンテージのある笹原は、#1金丸選手より0.5秒速いペースで追走、13周目にはその間隔を0.5秒としテールトゥノーズにまで迫り、ラストラップの90度コーナーでパスを仕掛けるもダスティーな路面に止まりきれず、4位のままチェッカーフラッグを受けた。


第12戦 決勝


 8月19日(日)午後4時30分、第12戦の決勝レースが始まった。チームは、最後尾スタートの笹原がオーバーテイクしやすいよう、思い切ってダウンフォースを減らすセッティングをマシンに施した。
 
「第11戦は第10戦とセッティングはまったく変更しませんでしたが、4位まで追い上げられたので、このコースでもオーバーテイクができるクルマに仕上がっていたと思います。第12戦ではグリッドも最後尾なので、さらにオーバーテイクができるよう、ダウンフォースをどこまで削れるのかというレベルまで実験的なセッティングをしました」と伊与木エンジニア。


 そのセッティングを活かしてスタートすると、1周目、一気に12番手へ順位を上げ、2周目には9番手、8周目には8番手、15周目には7番手へ進出し、ベスト4となるラップタイムでさらに追い上げを続けた。
 
 しかしユーズドタイヤを装着していたためか、実験的なセッティングがタイヤに負荷をかけ過ぎたか、追い上げのペースは後半鈍っていった。結局、シリーズポイント獲得圏内にあとわずか届かない7位でフィニッシュした。
 
 第11戦で4位に入賞した笹原は、シリーズポイント3点を獲得、ポイント通算26点としたがドライバーランキングは1点差の5番手へ後退した。


ドライバーコメント


「土曜日の第10戦は、さあこれからというときに加速しなくなってレースが終わってしまいました。それで第12戦のスターティンググリッドは最後尾となってしまったので、ポイントを獲得できる可能性は第11戦の方が高いだろう、そのためにニュータイヤは第11戦で使おうと考えました」


「皮むきも済んでいないニュータイヤで走り出したので、感触がわからないままスタートしましたが、レースを始めてしばらくすると良い感触であることがわかってきたので、そこからは攻めました」


「最終ラップは3番手のインに飛び込むまで行ったのですが前へ出ることができませんでした。第12戦は、最後尾スタートなので追い抜きができるよう、ローダウンフォースにしましたが、それが良かったか悪かったかは難しいところで、途中で追い上げのペースが上がらなくなってしまいました」


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