圧倒的優位でも“自己満足”に陥らないメルセデスF1。ハミルトンは失ったレースの原因を探る

2019年8月22日(木)8時10分 AUTOSPORT web

 メルセデスF1のルイス・ハミルトンは、2019年シーズンでこれまでに12戦8勝というずば抜けた成績を挙げているにもかかわらず、あと4勝を獲得し損ねた原因を探ろうとしている。


 2019年シーズンのメルセデスはF1の戦いをほぼ完璧に支配している。12戦中10戦で圧勝し、これまでに敗れた相手はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンのみで、コンストラクターズ選手権では2位のフェラーリに桁外れの250ポイント差を付けてトップに立っている。


 メルセデスの優勝はその大半がハミルトンによるものだ。ドライバーズ選手権でもチームメイトのバルテリ・ボッタスに対し62ポイントもの大差でリードしている。


 今後不測の大惨事でも起きないかぎり、ハミルトンは6度目の世界タイトル制覇に向けてこのまま順調に突き進むだろう。


 だが、2019年シーズンのこれまでを振り返る時、ハミルトンは達成したことよりも取り逃がしたものと、その理由を探ろうとしているようだ。


「これまでのレースを振り返りながら自分に言うんだ。『12分の8は獲得できたけれど、まだ何かが欠けている』ってね。どのように4戦を逃したのか、それらのレースウイークでは何がどう不完全だったのかが問題だ」


「幸運だったレースもある。フェラーリの方が速かったけれど、ときにはチームのミス、あるいはドライバーのミスでポジションを下げたこともあったし、バクーやバーレーンではフェラーリのマシンにトラブルもあった。そうでなければ(勝利を挙げたのは)彼らだっただろう」


「それほどまでに僕たちは瀬戸際にいるということだ。当たり前のことなど何もないのだから、努力を続けていくしかない」


 確かに、メルセデス陣営でよく耳にするのは“自己満足”という言葉だが、それは安心しきってはいけないという文脈で使われているようだ。


「このチームの本当に優れた点は、誰ひとりとして自己満足に陥らないことだと思う」とハミルトンは付け加えた。


「時々そうなってしまうことがあったとしても、早い時点でその芽を取り除いて、元の気持ちに戻れている」


「でも大抵の場合、僕たちは自己満足には陥らない。常に同じ気構えでレースに臨む。これだけ成功を重ねてきても、全員が以前と同じように全力で仕事をする。誰かひとりが他の人より勝っているなんていうことはないし、お互いをたたえ合うんだ」


「シーズン前半戦で8勝というのは、もちろん素晴らしい成績だと思う」


「僕たちの成績を評価しない人には、これまでに良い成績を出してきた人たちですら、いくらパフォーマンスが良くても達成が難しかったことを分かってほしい」


「それでもレースウイークのたびにコースに行き、自分の職務を果たさなければならない。各チームふたりずつのドライバーもいる。だからそこで最善を尽くすことが最も重要なことだ」


 コース上で先頭のポジションは盤石に見えるハミルトンだが、シーズン後半戦では何人かの挑戦者が食らいついてくるはずだと考えているようだ。


「今シーズンの後半戦は、これまでのような戦いを続けることが相当難しくなるはずだと考えている」


「フェラーリは良いパッケージを持っているし、すべてのレースで機能したわけではないが、独自の戦略を持って臨んできた」


「レッドブルは、マシンにどういう変更が施されたのか僕には分からないけれど、本当に良くなったようだ。エンジンもかなり大きく進歩したみたいだし、素晴らしいことだよ」


「僕たちについては、完璧からは程遠いとはっきり言える。改善し続けるべき部分もまだ複数あるし、その行程をチームとともに進めていきたいと思う」


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