ヨルグ・ミューラーが5年ぶりに来日。鈴鹿前にスペングラーとともにTeam Studieが歓迎パーティ開催

　8月26〜27日に、三重県の鈴鹿サーキットで開催されるスーパーGT第5戦鈴鹿。このレースを前に、2013〜2017年にGT300クラスで戦ったヨルグ・ミューラーが来日し、2014〜17年に所属していたBMW M Team Studieによるサプライズの歓迎パーティが開催された。また、この日は第5戦鈴鹿から復帰するブルーノ・スペングラーの誕生日で、こちらも盛大に誕生日が祝われた。

　1994年にはアロウズやザウバーでF1テストドライバーを務めたミューラーは、その後1997年からBMWウイリアムズのテストも担当。一方でBMWのワークスドライバーとしも活躍し、アメリカン・ル・マンやETCC、さらに2005〜09年にはWTCC世界ツーリングカー選手権にBMW陣営の主軸として参戦するなど、BMWのエースのひとりとして世界中で活躍してきた。

　2013年には、GSR 初音ミク BMWのサードドライバーとして来日し、スーパーGTに初挑戦。この時は表彰台獲得に貢献するも、レース後の再車検で失格に。2014年からは、BMW Sports Trophy Team Studie／BMW Team Studieのドライバーとして荒聖治とコンビを組み、2014年にランキング3位を獲得するなど、2017年までの4年間GT300にフル参戦した。

　現在ミューラーはワーケンホルスト・モータースポーツでエンジニアを務めたり、ドライバーを務めたりと精力的に活動を続けているが、コロナ禍もありミューラー自身が希望していた来日はなかなか実現していなかった。

　そんなミューラーが、今回「完全にプライベート」で5年ぶりに来日を果たすことになった。23日には羽田空港に到着し、BMW M Team Studieの鈴木康昭代表が空港まで出迎え。その後の便で、第5戦からGT300復帰を果たすスペングラーが到着し、こちらも鈴木代表が出迎えた。

　今季、チームはスペングラーの来日時にもサプライズでの歓迎パーティを行っていたが、サプライズ大好きな鈴木代表は、宿泊先からふたりを連れ出すと、渋谷で待ち構えていたチームメンバーのもとへ。スーパーGTの公式場内実況を務めるピエール北川アナウンサーを「無駄づかい（笑）」し、盛大なパーティが幕を開けた。

　会場内に入ったミューラーは、かつてのチームメイトである荒をはじめとしたメンバーとの再会に思わず顔を覆い、サプライズは大成功。実は羽田空港到着時、ロストバゲージに見舞われ着の身着のままで到着していたミューラーは「温かい歓迎、本当に嬉しいよ。この5年間、日本のみんなに会いたかった。この週末を楽しみにしていたんだ」と喜色満面の様子をみせた。

　同様に会場に到着したスペングラーも、ひさびさのスーパーGT参戦とあり「また戻ってくることができて嬉しいよ。良く知っている顔ぶれ、日本の家族にまた会えて喜んでいるし、今年の春にサプライズを受けたことを思い出したよ」とチームメンバーとの再会を楽しんでいたが、ここでさらなるサプライズが。

「今日はもしかして……!?」と鈴木代表が明かすと、奥からはケーキが登場。8月23日はスペングラーの誕生日で、照れながらも祝福に喜んでいる様子をみせた。

　この日は遅れて柳田真孝も会場に到着し、BMW M Team Studieのドライバーたちが勢揃い。スペングラーの留守を守った柳田の活躍により、荒は第5戦をランキング首位で迎える。スペングラーがいない間にStudie BMW M4のサクセスウエイトも100kgに増えた。

「ここまでチームメイトに支えられてリードをしていますが、この先に繋げられるようなレースにしたいですね」と荒。またスペングラーも「100kgも重くなっているということで、週末までに50kgは僕がダイエットしなきゃいけないかな（笑）。それは冗談だけど、僕には経験あるチームメイトがいるし、シミュレーターも使ってできる限りの準備をしてきたつもりだ」と週末へ向けて意気込みを語った。

　そして、ミューラーはこの週末は鈴鹿でチームとともにレースを観戦する予定だという。「この週末はグランドスタンドでビールを飲みながら、セイジとブルーノが走るところを観ながら楽しもうと思うよ（笑）！」とミューラーは冗談めかしたが、ファンも遭遇できるシーンがあるかもしれない。