『モリゾウさんからの還暦祝い』で近藤真彦JRP会長がSF23のデモランを実施へ。今後の開発テスト予定も明らかに
2024年8月24日(土)12時47分 AUTOSPORT web
8月24日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦における定例記者会見『サタデーミーティング』において、JRP日本レースプロモーションは、今後のカーボンニュートラル(CN)開発テストのスケジュールとその内容、そしてJRP近藤真彦会長のSF23開発車両によるデモランの予定を明らかにした。
JRPでは2022年から『SUPER FORMULA NEXT50』プロジェクトを通じ、『カーボンニュートラルへの対応』と『エンターテインメント性の向上』のふたつをテーマに、メーカーの垣根を越えてCN開発テストを繰り返し実施している。
これまでもホンダエンジン搭載のWhite Tiger SF23(通称『白寅』)とトヨタエンジン搭載のRed Tiger SF23(『赤寅』)により、ボディカウルや燃料、タイヤなどで新素材等がテストされ、2023年に採用された新型シャシー『SF23』や新スペックのヨコハマタイヤなど、さまざまなアイテムが実際のシリーズに投入されている。
直近では2024年7月、ウエットタイヤの開発テストがモビリティリゾートもてぎで行われたが、今回のサタデーミーティングでは、今年予定されている残り3回のテスト日程が明らかとなった。
・9月5日(木)〜7日(金) 鈴鹿サーキット
・9月26日(木)〜27日(金) 富士スピードウェイ
・11月12日(火) スポーツランドSUGO
実施内容についてJRPの上野禎久社長は、「カーボンニュートラル燃料についての実践的な取り組み」「タイヤにおけるカーボンニュートラル原料の再生比率向上」「共通パーツの安全性の開発」という3つの柱を挙げている。
燃料に関しては、複数のアイテムの比較をするのではなく、「導入を予定している燃料に対する、安全性のテスト」であると上野社長。早ければ来年の導入を目指すという。また2番目に挙げたタイヤの項目については、第3戦スポーツランドSUGOでの一件を受けて、「最近課題のあるウエットタイヤの安全性について、しっかりとテストをする」としている。
現在は『白寅』は塚越広大、『赤寅』は高星明誠が開発ドライバーを担当しているが、「今後もこのラインアップに変更はないか?」との記者の質問に対し、上野社長からはサプライズ発表が。
「じつは以前、『近藤会長はスーパーフォーミュラに乗らないのか?』という質問をいただいたのですが、開発ドライバーとして、近藤真彦さんを採用しようかと……(笑)」
この“開発ドライバー”は冗談だが、10月12〜13日に富士スピードウェイで行われる第6・7戦で、SF23開発車両『赤寅』をデモランするのは本当の話。そのための準備として、9月27日のテスト終了後、近藤会長が富士を走行するという。
「ぶっつけ本番ではなかなか怖くて乗れないので、テストのときに高星を下ろして、チンチンに温まったタイヤで乗せてくれ、と(笑)」と近藤会長は“テストを志願”したことを明かした。また、思いがけぬ形での『フォーミュラ復帰』の経緯については、次のように説明した。
「少し前にモリゾウさん(トヨタ自動車豊田章男会長)に、水素カローラに乗せていただきまして『素晴らしいですね』と。僕は最近、レースをやると仕事・ビジネスのことばかりに頭が行っていたんですが、『やっぱりいざ本格的にヘルメット被ってハンドルを握ると、レースの楽しさが分かりました』と言ったら、『還暦祝いに赤寅のシートをプレゼントする』ということで、デモランを2〜3ラップさせていただけるというご褒美をいただきました」(※近藤会長は今年7月に60歳の誕生日を迎えている)
デモラン本番に向けた近藤会長の“テスト”は、9月27日の17時から30分間、富士で行われる。上野社長からは出席したメディアに対し「ぜひ、ご取材を」との呼びかけがされたが、近藤会長は「もしスピンしたら、それは内緒にしてください(笑)」との“注意”が付け加えられた。
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