花嫁の父としてのディープ&キンカメが世界の種牡馬を呼び込む 

8月24日(土)7時0分 NEWSポストセブン

種牡馬としても抜群の実績を残すディープインパクト

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 ディープインパクト、キングカメハメハという名馬2頭が相次いで急逝したことは明らかに時代の節目を意味する。しかし、物語の幕が降りるわけではない。競馬歴40年のライター・東田和美氏がレポートする。


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 現役時代に華々しい活躍をし、2011年からずっとリーディングサイアーの1、2位に君臨していた種牡馬が相次いで急死したことで、競馬ファンのショックは大きいが、これだけの大種牡馬になると、まだまだ生きているように歴史を動かしていく。


 サンデーサイレンス(SS)は1995年にリーディングサイアーの座についたが2002年に死亡。その翌年の2003年に母の父、つまりBMSとして5位にランクイン。翌2004年当然のように1位になると、2018年まで首位を守り続けている。死して17年経つ今年も出走回数・勝利数とも2位のクロフネを大きく引き離しており、まだ2、3年はこの座を守りそうだ。


 キングカメハメハはサイアーベスト10にランクインした9年後になる昨年、BMSの2位にランクイン。ディープは後継種牡馬はまだ決め手不足だが、牝馬に関しては傑物ぞろい。2011年にサイアーベスト10にランクインして昨年早くもBMSで12位。今年はベスト10にランクインし、やがてサイアー、BMSの同時1位にもなるだろう。今後SS直子の産駒は徐々に減り、ディープとキンカメがBMSの1、2位に君臨して鎬を削る時代が10年ほど続く。


 BMS上位には他にもスペシャルウィーク、アグネスタキオン、ダンスインザダーク、フジキセキといったSS産駒がズラリ。非サンデー系ではキンカメの他フレンチデピュティ、クロフネ、シンボリクリスエス、ブライアンズタイムなどがいるが、これらの産駒にはSS系と配合した牝馬も多い。


 余談だが、2011年からサイアーベスト10の常連だったステイゴールドがBMSとしては不振。2018年のランクは81位、10勝しかしていない。2009年にリーディングサイアーになったマンハッタンカフェもBMSランクでのベスト10入りはない(2019年20位)。繁殖牝馬として結果を出していないということだ。


 日本のサラブレッドがSS系で飽和状態になる懸念はずっと前から指摘されていた。昨年の種牡馬ランキングのベスト20までの半数以上はSS系。しかし、いまやエピファネイアやリオンディーズ、モーリスのようにSSが3代前になる種牡馬も登場、SSの4×3も可能になり、すでに結果を出し始めている。


 SS女子の相手としては、当分ロードカナロアを中心に、ルーラーシップ、ハービンジャー、ノヴェリストが頑張ってくれそうだが、今年のセレクトセールでは、有力オーナーがこぞって「サンデーサイレンスが入っていない」牡馬にこだわった。引退後、種牡馬としてのニーズを考えてのことだ。


 今後はドレフォン、マインドユアビスケッツ、今年購入したブリックスアンドモルタルと、ディープ女子やキンカメ女子との相性がどうなのかが焦点だ。さらに、かつてのダンシングブレーヴやラムタラのように、世界があっと驚く種牡馬が日本にやってくるかもしれない。いまの日本の競馬界にはその「土壌」が十分にある。もう「種牡馬の墓場」などとは言わせないだろう。その原動力が「花嫁の父」としてのディープとキンカメだ。


●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

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