夏の補強で戦力アップを果たしたJ1クラブトップ3【2023】

2023年8月25日(金)18時0分 FOOTBALL TRIBE

宮本優太(左)中島大嘉(中)山下敬大(右)写真:Getty Images

8月も中旬を過ぎ、2023明治安田生命J1リーグも中盤戦から終盤戦へと移行。昨シーズンは一時まさかの降格争いにも巻き込まれたヴィッセル神戸が快進撃を続けており、王者である横浜F・マリノスと首位争いを繰り広げている。


他クラブも負けじと追随する中で、今夏も話題となったのが各クラブが行った選手補強だ。シーズン途中での加入は、すぐにチームへフィットできるかという課題もある。しかしこのタイミングでの補強により、新加入選手の活躍による新たな試合展開も期待でき、一層リーグが盛り上がることは間違いない。


ここでは、夏の選手補強を経て大幅に戦力アップを果たしたと見られる3つのJ1クラブをランキング形式で紹介していく。




浦和レッズ DF宮本優太 写真:Getty Images

3位:浦和レッズ


新加入選手(以前または現在の所属クラブ)



  • DF宮本優太(KMSKデインズ)※期限付移籍先から復帰

  • FW安部裕葵(バルセロナアトレ・ティック)

  • MFエカニット・パンヤ(ムアントン・ユナイテッド)※期限付き移籍

  • MF中島翔哉(アンタルヤスポル)

  • MF早川隼平(トップ昇格)


5月にACL(AFCチャンピオンズリーグ)優勝を成し遂げ、今2023シーズンJ1ではここまで失点数19と、トップの堅守を誇る浦和レッズ。マチェイ・スコルジャ新監督の手腕、既存の戦力の奮闘など好調な要因は複数あるだろうが、その一端を担っているのが冬に獲得したDFマリウス・ホイブラーテンの存在と言えよう。


攻撃面では同じく新戦力で3月に加入したFWホセ・カンテが徐々に得点数を伸ばしており、現時点で冬の補強について一定の成果が出ている。しかし、総得点では上位2クラブに大きく後れを取っており、ここから優勝争いに加わるためには改善点が必要との見方もできる。


そんなチーム状態もあってか、今夏の浦和はチャンスメーカーの補強に余念がない。海外へ渡っていた日本人選手を軸に即戦力3人の補強に成功した。


FW安部裕葵は、2019年に若くして鹿島アントラーズの背番号「10」を背負い、スペインの名門バルセロナの目に留まったほどの逸材。残念ながら度重なる怪我の影響もあり満足のいく結果とはならなかったが、相手を振り回すような高度なドリブルスキルに疑いの余地はない。


同じく海外へ渡っていた元日本代表の背番号「10」MF中島翔哉も、言うまでもなくボールを持ったときの推進力と豊富なアイデアで、浦和の攻撃を必ずや活性化させてくれるだろう。また、現役のタイ代表選手MFエカニット・パンヤも、安部や中島に負けず劣らずのドリブルやパスでのチャンスメイクに大きな期待がかかる。


昨年加入し第5節のジュビロ磐田戦で鮮烈なデビューを果たしたMFダヴィド・モーベルグをはじめ、複数の選手が期限付きではあるもののチームを離れた浦和。しかし、補強した選手はいずれも抜けたモーベルグの穴を補って余りあるような選手ばかりであることから、戦力アップを果たしたクラブ3位とした。安定した守備陣に加え、補強した選手で攻撃力の増強が叶えば、上に居並ぶ3クラブ(横浜FM、神戸、名古屋グランパス)を脅かす存在になれるはずだ。


FC東京 FW山下敬大 写真:Getty Images

2位:FC東京


新加入選手(以前または現在の所属クラブ)



  • DF白井康介(京都サンガ)

  • MF原川力(セレッソ大阪)※期限付き移籍

  • MFジャジャ・シルバ(アル・ナスル)

  • FW山下敬大(湘南ベルマーレ)※期限付き移籍先から復帰


昨2022シーズンからチームの指揮を執っていたアルベル・プッチ・オルトネダ監督を6月に解任し、新たにピーター・クラモフスキー監督を迎えたFC東京も、今夏積極的に選手獲得へと動いたクラブのひとつだ。


まずJリーグファンを驚かせたのは、京都サンガの絶対的な右サイドバックだったDF白井康介を完全移籍で獲得したこと。90分間、献身的に上下動を繰り返しチャンスメイクもできるサイドバックの補強で、怪我人も出ていた同ポジションの不安を払拭した。


中盤では、これまで底を支えていたMF安部柊斗が海外挑戦を決める中、セレッソ大阪からかつてリオデジャネイロ五輪の日本代表にも選出されていたMF原川力を獲得。守備はもちろんミドルシュートやフリーキックなど攻撃面での貢献も期待できる即戦力だ。


また、攻撃的な選手としてMFジャジャ・シルバを獲得。今季ここまで中央に絶対的な存在としてFWディエゴ・オリヴェイラを起用し、両脇は多くの試合でFW仲川輝人ら日本人選手が固めてきたFC東京だが、例えスタートからの起用でなくてもFWアダイウトンやシルバが出場し新たなブラジル人トリオが形成されれば、相手クラブにとって相当な脅威であることは間違いない。


成長著しい安部の海外流出があった一方で、国内外からの即戦力補強は必ずや巻き返しに繋がる要素であることから、戦力アップを果たしたクラブ2位とした。新監督と新戦力を迎え、どこまで順位を上げて行けるのか、FC東京の逆襲に注目していきたい。




名古屋グランパス FW中島大嘉 写真:Getty Images

1位:名古屋グランパス


新加入選手(以前または現在の所属クラブ)



  • FW中島大嘉(北海道コンサドーレ札幌)※期限付き移籍

  • FW前田直輝(ユトレヒト)※期限付き移籍先から復帰

  • MF久保藤次郎(藤枝MYFC)

  • MF森島司(サンフレッチェ広島)


今2023シーズンここまで3位と好調な名古屋グランパスは、今夏新たに4名の新戦力を迎えた。長く主力を担ってきた背番号「10」FWマテウス・カストロら数名の流出こそあったものの、即戦力の補強に成功したと言えよう。


期限付きで北海道コンサドーレ札幌より獲得したFW中島大嘉は、まだまだリーグ戦で実績こそ少ないものの将来性は十分で「和製ハーランド」と称されることもしばしば。FWキャスパー・ユンカーら実力者とのポジション争いが予想され、出場機会を得ることからのスタートになるが、その規格外のフィジカルは新たな武器となること間違いなしだ。


J2の藤枝MYFCから獲得したMF久保藤次郎は、もともと名古屋の下部組織育ち。加えて今季藤枝ではすでに8つのアシストをマークしており、さらなる攻撃力向上の一端を担ってくれそうだ。そして、サンフレッチェ広島の中核を担っていた選手の1人、MF森島司。マテウスの抜けた穴が大きい反面、新たな得点源として十分に期待できる存在と言えよう。さらには、海外へ期限付き移籍していたFW前田直輝の復帰も大きい。


J1でもトップクラスの守備力を誇る名古屋。そこへ攻撃的なオプションが複数加わった補強となっているだけに、優勝争いに向けて万全の体制を整えたと言っても過言ではない。現状は上位2クラブに先行を許しているが、新戦力と現有戦力の融合が早期に叶えば逆転は十分に可能。長谷川健太監督の起用法も含めて、終盤戦で最注目のチームとなるだろうことから、戦力アップを果たしたクラブ1位とした。

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