WECオースティンの性能調整が発表。全車に変更あり、トヨタとポルシェは重量増+出力減
2024年8月26日(月)20時13分 AUTOSPORT web
8月30日から9月1日にかけて、アメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で2024年シーズン第6戦『ローンスター・ル・マン』が開催されるのに先立ち、WEC世界耐久選手権は8月23日付けで同ラウンドのハイパーカーBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)を発表した。
この中では、前回大会の第5戦サンパウロでライバルメーカーのマシンを圧倒したトヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)を含むすべてのハイパーカーに調整が加わっている。
車両重量の項目では、ポルシェ963とトヨタGR010ハイブリッドがそれぞれ2kgと5kgのプラス。この他のクルマはマイナス調整となり、最大値はプジョー9X8のマイナス14kgだ。
もっとも重いクルマとなったトヨタは最大出力も9kW(約12PS)削減されたが、250km/h以上でのパワーゲインは前戦比で1.8パーセント増加し、調整後の値は全体でもっとも高い4.6パーセントに設定された。
GR010ハイブリッドの次に重いフェラーリ499Pは、ポルシェと同じく3kW(約4.7PS)のベースパワー削減を受け取った。パワーゲインは0.1パーセントのプラス、963も0.7パーセントのプラス調整となっている。
一方、BMW MハイブリッドV8とキャデラックVシリーズ.Rと並んで2番目に軽いクルマとなったプジョー9X8は、最大出力のマイナス1kW(約1.3PS)とマイナス1.2パーセントのパワーゲインを受け取ることに。さらなる下げ幅となっているのがアルピーヌA424のマイナス1.9パーセントだ。このクルマのパワーゲインは調整後マイナス3.2パーセントに設定された。
9kgの車重削減が認められ、最強軽量マシンとなったランボルギーニSC63は出力も1kW(約1.3PS)のプラスに。さらにパワーゲインも1パーセントの増加が認められている。
ランボルギーニと同じくイタリアのブランドである、イソッタ・フラスキーニが走らせていたティーポ6コンペティツィオーネは、先週同社が発表したWEC撤退の決定を受け、COTAのBoPブルテンから記載がなくなっている。
■2024年WEC世界耐久選手権第6戦ローンスター・ル・マン
ハイパーカークラスBoP(8月23日付)
マシン | PF | 最低重量 | 最高出力 ≦250km/h | パワーゲイン ≧250km/h | 最大エネルギー量 | Fr.ERS作動域 (Dry/WET) |
---|---|---|---|---|---|---|
アルピーヌA424 | LMDh | 1041kg(-3) | 515kW(-1) | -3.2%(-1.9) | 907MJ(-3) | —— |
BMW MハイブリッドV8 | LMDh | 1037kg(-7) | 513kW(+1) | -0.9%(-0.9) | 906MJ(-2) | —— |
キャデラックVシリーズ.R | LMDh | 1037kg(-2) | 518kW(-1) | -0.6%(+0.9) | 907MJ(0) | —— |
フェラーリ499P | LMH | 1055kg(-5) | 500kW(-3) | 1.9%(+0.1) | 901MJ(-4) | 190kph/190kph |
ランボルギーニSC63 | LMDh | 1030kg(-9) | 520kW(+1) | 0.0%(+1.0) | 908MJ(-1) | —— |
プジョー9X8 | LMH | 1037kg(-14) | 509kW(-1) | -1.2%(-1.2) | 902MJ(-7) | 190kph/190kph |
ポルシェ963 | LMDh | 1053kg(+2) | 509kW(-3) | 0.7%(+0.7) | 907MJ(-1) | —— |
トヨタGR010ハイブリッド | LMH | 1065kg(+5) | 497kW(-9) | 4.6%(+1.8) | 906MJ(-6) | 190kph/190kph |
()内の数字は前戦比
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