注目集めた1回10失点、中日・近藤廉の投球 今後は日本球界でも野手登板是非議論進むか

2023年8月26日(土)17時0分 ココカラネクスト

立浪監督の起用に様々な意見が飛び交った(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 現在リーグ最下位と苦しむ中日で8月25日のDeNA戦(バンテリンドーム)が思わぬ注目を集めた。

 初回には通算2000安打の大台に迫る大島洋平が、トレバー・バウアーから快音を響かせて通算1999安打を弾ませ、金字塔に王手をかけた。序盤は歴史的瞬間を期待させる空気が充満した。だが、最終回に待っていたのは惨劇とも呼べるシーンだった。

【動画】中日は25日の試合、7回にも福島が牧に2本目となる適時打を浴びるなど、投手陣が崩れた

 2−8と6点を追う9回、4番手で登板したのが近藤廉だった。この日、今季初めて1軍出場登録されたプロ3年目の24歳左腕だ。重圧は少ない場面で、経験の少ない若手を投げさせるには悪い場面ではなかった。だが、先頭の佐野恵太から3連打を浴びて2失点とすると、その後、二死まで持ち込んだが、ここからアウトをなかなか奪えずに失点だけを繰り返した。

 結局打者16人の猛攻を浴び、8安打10失点。このイニングだけで62球を投じた。1イニングの投球数の最多は2004年の阪神・吉野誠の64球で、それに次ぐワースト2位という記録。1イニング10失点も、プロ野球ワーストの11失点にあと1点というところだった。

 試合後の立浪和義監督は勝ちパターンの投手しか残っていなかったと弁明したものの、この近藤の投球内容にはネット上でも「9回近藤選手へ仕打ちはどういう意図があったのか?立浪監督に問いただしたい」「まだ実績のない投手、これでイップスになってもおかしくない」「今日の試合を見てゾッとした」などと起用を批判する声が一部から上がった。

 一方メジャーリーグでは点差の開いた試合ではブルペンの消耗を抑えるため、野手が登板することがままある。この試合では2−8のイニング頭からは難しくても、点差が2桁以上に開いた場面など、途中からでも選択肢の一つとしてあってもよかった。実際に2023年からは野手登板について「リードしているチームなら10点以上、リードされているチームなら8点差以上離れていないと野手は登板できない」とルールが更新された。逆に明文化されている以上、その条件下ならば躊躇することなく野手を登板させることも可能といえる。

 日本のプロ野球では、どんなに大差がついた試合でも野手の登板はまだ一般的ではない。2020年、8月6日の巨人・阪神戦では0−11と大差がついた8回に増田大輝が登板。巨人では2リーグ制以降初の野手登板で、これには賛否両論が湧き起こった。やはりこうしたシーンにも、アレルギーを持つファンは一部存在する。一方でこの日のバンテリンドームの惨劇は、日本での野手登板解禁へ向けての一つのきっかけとなるかもしれない。多くのファンも、乱暴な言葉は慎みながら、なじみの薄い起用法の是非に話を広げてみてもいいかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「中日」をもっと詳しく

「中日」のニュース

「中日」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ