MotoGP第12戦イギリスGP:FP2で転倒したクアルタラロ、足を引きずりながらも初日総合トップタイムを叩き出す

2021年8月27日(金)23時19分 AUTOSPORT web

 MotoGP第12戦イギリスGPのフリー走行1回目、2回目がシルバーストン・サーキットで行われ、MotoGPクラスはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイムをマーク。クアルタラロはフリー走行2回目で転倒して左足を痛めながらも、再びコースインして初日を制した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は初日総合15番手だった。
 
 イギリスGPは、2020年に新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったため、2年ぶりの開催となった。今大会の約1週間前の8月20日、ヤマハがマーベリック・ビニャーレスのスティリアGPでの振る舞いを受け、契約の即時解消を発表。ビニャーレスは第10戦スティリアGP決勝レースでエンジンを故意にレブリミットまで回す様子が映像で確認されており、第11戦オーストリアGPでは、ヤマハによって出場停止の処分を受けていた。イギリスGPでは、ヤマハのテストライダーであるカル・クラッチローが母国グランプリでモンスターエナジー・ヤマハMotoGPの空いた一席を埋める。
 
 一方、6月末に左ひざの手術を受けてリハビリ中のフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)は、今大会も欠場。代役として、Moto2クラスに参戦中のイギリス人ライダー、ジェイク・ディクソンがMotoGPクラスに初参戦する。また、スティリアGPでの決勝レースのクラッシュにより右足くるぶしを骨折して、第11戦オーストリアGPを欠場したロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)は、今大会で復帰した。
 
 フリー走行1回目は、気温14度、路面温度19度のドライコンディション。気温、路面温度ともに今シーズンのレースウイークのなかでも低い状況で始まった。
 
 序盤のタイム更新は穏やかで、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)や、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がトップタイムをマーク。開始15分をすぎて、トップはマルク・マルケス。2番手にはクアルタラロ、3番手にはジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がつける。
 
 セッション終盤、残り3分でホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)がクラッシュ。その約1分後にコーナーでマルク・マルケスが激しく転倒を喫した。マルク・マルケスは何度も路面を転がったが、立ち上がってピットに戻った。ただ、マルク・マルケスのマシンがコース上に残り、転倒の際に飛び散った芝生や土の処理のため、赤旗が提示され、セッションは1分57秒を残して中断となった。
 
 約10分の中断ののちセッションが再開されたが、転倒前に記録したタイム、2分00秒941で、マルク・マルケスがトップのままセッションを終えた。2番手はアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)、3番手はクアルタラロ、4番手はポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)で、5番手がミラー。中上は6番手だった。


■FP2、クアルタラロがセッション序盤にクラッシュ


 フリー走行2回目は気温16度、路面温度23度で始まった。セッション開始8分、クアルタラロが8コーナーで転倒。その際、バイクと身体の間に左足が挟まるような状態となり、クアルタラロは立ち上がったものの、左足をひきずっていた。クアルタラロはその後、ピットに戻り、走行を再開した。
 
 この日はフリー走行1回目、2回目をとおして、クアルタラロのほか、マルク・マルケスやマルティン、アレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)などが転倒しているが、比較的激しいクラッシュが多かった。
 
 セッションはアレイシ・エスパルガロがトップタイムをマーク。2番手にはポル・エスパルガロ、3番手にはヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)がつけていたが、残り時間20分、ミラーが3番手に浮上した。
 
 さらに、セッション序盤にクラッシュを喫したクアルタラロが再びコースインすると、トップタイムをマーク。クアルタラロは2番手のアレイシ・エスパルガロに0.329秒の差をつけて、1番手に浮上する。クアルタラロはその後もタイムを更新。トップをキープした。
 
 残り時間が3分を切ると、ポル・エスパルガロが自身のタイムを更新。しかし、クアルタラロのタイムには届かない。トップのクアルタラロは転倒の影響を感じさせない走りで自身のトップタイムをさらに縮め、1分59秒317を記録。終盤に2番手に浮上したミラーに対し、0.512秒もの差をつけてフリー走行2回目、そして初日を制した。1秒以内に十数人のライダーが入ることもある僅差のMotoGPクラスにあって、この差は大きいと言える。
 
 2番手はミラー、3番手は最後に大幅にタイムを縮めたマルティンとドゥカティ勢が続き、4番手はポル・エスパルガロ、5番手はマルク・マルケスとホンダ勢が続いた。バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は10番手、中上は15番手で初日を終えている。

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