「偽善的だ」メイウェザーが井上尚弥に“難癖”をつけたワケ 英記者が指摘「イノウエの輝きを奪おうとしている」

2023年8月27日(日)10時30分 ココカラネクスト

フルトンを破って世界的に名を上げた井上(右)。その強さにケチをつけたメイウェザー(左)の発言が物議を醸している。(C)Getty Images

 WBA&IBFスーパーバンタム級王者のマーロン・タパレス(フィリピン)との4団体統一戦が迫る井上尚弥(大橋)。いまだキャリア無敗を誇る日本のモンスターを巡っては、様々な意見が飛び交っている。

 7月25日に東京・有明アリーナで行われたスティーブン・フルトン(米国)とのWBC&WBOの同級統一戦を制した井上は、圧倒的なの強さを世界に知らしめた。その影響は計り知れず、ボクシング界のレジェンドが関心を示すに至った。

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 今月8日にボクシング専門メディア『Fight Hype』のYouTubeチャンネルに登場した元世界5階級王者のフロイド・メイウェザー(米国)は「とんでもないファイターだ」と井上の実力を認めたうえで、「アメリカにきて俺たちと同じ土俵で戦うべきだ」「血液と尿検査を受ける必要がある」と持論を展開した。

 50戦無敗を誇ったレジェンドの井上に対する挑発的とも取れる発言は、海外でも物議を醸した。現地8月22日に英メディア『THE SPORTSMAM』のジョーイ・ミルズ記者は「メイウェザーは、このまま消え去るよりもナオヤ・イノウエと“燃やした”方が良いと決断したようだ」と指摘。メイウェザーが30歳の日本人チャンプに難癖をつける理由を説いた。

「メイウェザーは50戦のプロキャリアで、国外で試合をしたのは0回だ。イノウエがアメリカとスコットランドで世界タイトルを獲得したのに対し、メイウェザーは一度も母国を出て、タイトルマッチをした経験がない。ゆえに、これが偉大さの尺度であるかのように振る舞うのは偽善的だ。アメリカは宇宙の中心ではなく、ボクシングの功績はテネシーや東京で行われたとしても同じ価値がある」

 また、ミルズ記者はメイウェザーが井上について「俺の技術を学んでいるところもある」と語った部分についても「彼はイノウエの圧倒的な強さを、なんとか自分のことにしようとしただけだ」と切り捨てる。

 そして、「メイウェザーには、モンスター(井上)が、まさにいま享受している大きな称賛を浴びていた頃を懐かしもうとしている。そんな『元ファイター』の臭いがプンプンと漂っている」と46歳になったレジェンドの“思惑”を指摘。ミルズ記者は、ボクシング界の大物を辛辣に皮肉った。

「メイウェザーが『過去の人』になることはない。彼の才能はあまりにも異質で、その影響力はあまりにも大きい。今の彼が自覚しなければならないのは、一線級を退いてから6年が経過した今、これ以上ボクシングの話題の中心になることは期待できないということだ。

 かつて彼が掴んだ王座を占める新たな王が現れたのだ。すでにメイウェザーが巻いていた15本の世界タイトルのベルトは、違う人々の腰に巻かれている。だからこそ、ナオヤ・イノウエの輝きを奪おうとするのではなく、自分の伝説的なキャリアの輝きに浸るべきだ」

 井上を皮肉り、批判も相次いだメイウェザーの言動。その余波は、今も続いている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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