スーパーGT:JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 スーパーGT第6戦鈴鹿 決勝レポート
2017年8月28日(月)11時15分 AUTOSPORT web
2017 SUPER GT
INGING MOTORSPORT
第6戦鈴鹿サーキット レースレポート
◆8月27日(日)<決勝>
天候:晴れ
コース状況:ドライ
#51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 6 位
5番手からスタートしたJMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、セットアップやタイヤ選択などの戦略で苦労したもののミスなく走り切り、6位でSUZUKA 1000kmのチェッカーを受ける。
真夏の3連戦を締めくくることになる『第46回インターナショナルSUZUKA 1000km』。JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、26日(土)の予選Q1を9番手で突破し、予選Q2では鈴鹿サーキットを得意とするJAF-GT勢には届かなかったものの5位を獲得。決勝レースでの飛躍が期待された。
迎えた27日(日)の決勝は、前日とは一転して夏の日差しがサーキットに照り付ける。10時55分から20分間のウォームアップ走行時には、すでに気温は30℃を超え、路面温度は45℃まで上昇した。ウォームアップ走行では、予定通りに中山雄一と坪井翔の両ドライバーが乗り込み7周を周回してタイヤの皮むきをするとともに、マシンの最終チェックを行なった。
1000km(173周)の長丁場となる決勝レースは、予定通りの12時30分に三重県警の白バイとパトカーの先導によるパレードラップでスタート。気温は30℃、路面温度は47℃と午前中のウォームアップ走行よりもさらに過酷な状況で6時間のレースが始まった。
スタートを担当した中山は、1周目に早くも4号車グッドスマイル初音ミクAMGをパスして4番手に浮上する。中山は3周目に自身のベストタイム2分2秒647をマークし、さらに上位を追った。
GT500クラスとの混戦の中でも2分3秒台〜4秒台の安定したラップタイムを刻み22周目を走行しピットイン。3番手で坪井にバトンを渡す。坪井も中山と同等のラップタイムで周回を続け、ピットインのタイミングで一時は18番手まで順位が落ちたものの30周目には8番手、35周目には4番手まで順位を浮上させる。
39周目に55号車が最終コーナーでクラッシュしたため1回目のセーフティカーが導入される。6周に渡ってセーフティカーが先導し、レースは44周目にリスタート。JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、2分3秒台の好タイムで周回を重ねて50周目にはトップに立つ。そのまま56周目に2回目のピットインを行ない坪井から中山にドライバーチェンジ。
ただ、路面温度はスタート時の47℃から45℃とそれほど下がることなく、装着したタイヤとコンディションがマッチしない。中山が2回目のドライブとなった第3スティントは、タイムが伸び悩み2分4秒〜5秒で走行するのが精いっぱいだった。そのため第3スティントは、21周の短い周回数で77周目にピットイン。
2度目のステアリングを握った坪井は、14番手から再び上位を目指すことになった。88周目には、31号車のクラッシュにより2回目のセーフティカーが導入される。このセーフティカーランで上位のマシンはギャップがなくなりトップから10番手まで15秒の僅差でのバトルが繰り広げられる。
リスタート後に9番手だったJMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、100周目に6番手となり108周目に3番手で4回目のピットインを行なう。坪井からバトンを受けた中山は自身の最終走行となった第5スティントもミスなく安定したラップを刻み、ピットイン後の10番手から順位を3番手まで浮上させ133周目にピットイン。
チェッカードライバーとなる坪井が乗り込む。ピットアウトの時点で、ほぼ全車が規定義務の5回ピットストップを終了しており、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は8番手となっていた。坪井は138周目にベストラップの2分1秒489をマークし、少しでも多くのポイントを獲得するために必死に先行車を追った。
終盤になっても3番手からJMS P.MU LMcorsa RC F GT3の8番手までが10秒以内の拮抗したバトルとなったが、ライバル勢も必死にポジションを死守する。レースも残り僅かの150周を過ぎても8番手は変わらなかったが、155周目に先行車がクラッシュしてポジションアップし、翌周には61号車をパスして158周目に6位でチェッカーを受けた。
レース中盤では表彰台に登ったマシンとバトルを行なっていたこともあり6位という結果に満足はいかないが、1000kmの長丁場をドライバーもチームもミスなく走り切ったことは自身に繋がる。残り2戦は、さらにシリーズポイントを重ね上位を目指す。
●コメント
影山正彦総監督
まずは長丁場の1000kmレースをミスなくゴールできたことに対してスタッフに感謝しています。ただ、ここ数戦はJMS P.MU LMcorsa RC F GT3のポテンシャルを100%引き出せないレースが続いています。予選では5番手という結果を得られたのですが、決勝レースは最後の予想外の展開に助けられたのもあって6位になりました。
ポイントを重ねられたということでは良かったですが、内容は厳しかったです。タイヤ選択やマシンのセットアップを含めてもう一度、チーム全体で検討しなければいけないという認識は持っています。次戦のタイラウンドも、今回の鈴鹿と同様の気温や路面温度になると思うので、しっかりと対策を練って挑んでいきたいです。
<松岡真司チーフエンジニア>
結果として終盤にふたつ順位が上がって6位となったことは良かったですが、タイヤの選択を見誤ったことやライバル勢に押さえ込まれてラップタイムが落ちたスティントがあったことが悔やまれます。今思うとタイヤの選択や戦略でもう少し攻められたかもしれません。
JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、どのサーキットでも高速コーナーが速い一方で、低中速コーナーを苦手としています。そのため、低中速コーナーを速くする方向でセットアップしたのですが、タイヤの特性を活かすという意味では異なったチャレンジをしても良かったです。色々とデータは取れているので、残りの2戦に活かしていきたいです。
中山雄一選手
チームもドライバーもトラブルやミスなく走り切れたことは良かったです。また、6位でポイントを重ねられたのですが、さらに上位も見えていたので納得はしていません。スタートは、直後に4番手に上がれたのですがJAF-GT勢のペースが速くてついていけませんでした。
2回目のスティントは、タイヤの性能とコンディションが合っていなくて苦戦しました。次戦のタイラウンドは、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3に合っているコースだと思うので、シリーズランキングの上位を狙うためにも高得点を取っていきたいです。
坪井翔選手
初めての1000kmレースだったのですが、これまでに感じたことのない過酷さでした。鈴鹿での30周という連続周回も経験したことなかったので大変でしたが、それでも役割は果たせたと思っています。最後のスティントは僅差の勝負だったので一台でも抜こうと思っていましたが、ライバル勢もペースが速くて難しかったです。
結果としては6位まで上がれましたが、途中でバトルしていたマシンが表彰台に登っていたので悔しさもあります。チームの全員が認識していますが、タイヤとのマシンのマッチングが上手くいってないので、その問題だけ解決すればさらに速いマシンになると思います。次戦に向けてチーム一丸で良いセットアップを見つけたいです。