BTCC:ジェームス・コール初優勝でスバル・レヴォーグ連勝。選手権リードを拡大

2017年8月29日(火)14時22分 AUTOSPORT web

 BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第8戦がロッキンガムで開催され、オーバルを含めたパワーサーキットでチームBMRのスバル・レヴォーグが躍動。レース1ではジェームス・コールが自身初となるBTCCでの勝利を挙げ、エースのアシュリー・サットンとのワン・ツーを達成。続くレース2では、そのサットンが今季6勝目を挙げ選手権リードを盤石のものとした。


 トヨタ・アベンシスのトム・イングラムやユーロテック・ホンダのジャック・ゴフなど、日本車勢が速さを見せたロッキンガムのプラクティス。その流れで迎えた予選で最速を記録したのは、パドックでも予想外との声が挙がったチームBMR”3人目の男”、ジェームス・コールのスバル・レヴォーグだった。


 そして2番手には「”FFクラス”で最速なのは誇るべきこと」と、ウエイトを積んでもなお速さを見せるFRマシンのスピードを揶揄したゴフのホンダ・シビック・タイプR。3番グリッドのセカンドロウに、イングラムのアベンシスと、スバルの新エース、サットンのレヴォーグが並んだ。

オーバルを含むロッキンガムでは、FR勢がタイヤマネジメントの点でも優位に


 迎えたレース1のスタートでは、いきなりイングラムのアベンシスがブレーキトラブルを抱え、ダミーグリッドからピットへと直行。これで労せずして3番手となったサットンだが、後方から同じFRマシンのウエスト・サリー・レーシング(WSR)BMW125i Mスポーツ、コリン・ターキントンが1コーナーのブレーキング競争で前へ。

今季開幕戦勝者のトム・イングラムのトヨタ・アベンシスはブレーキトラブルでスタートできず


 しかし、レヴォーグ同様に75kgのバラストを積むBMWも立ち上がりで苦労し、サットンがすぐさまポジションを奪還。さらに後方からはターキントンをかわして浮上してきたトリプルエイト・レーシング、MG6GTのジョシュ・クックが、ヘアピンでサットンの前に出ることに成功するも、再びターキントンの際と同じく次のコーナーで車速を乗せ、すぐさまポジションを取り戻す落ち着いたレース運びを見せた。


 その後、5番手のターキントンは後方から迫ってきたチーム・ダイナミクスの名手、マット・ニールのホンダ・シビック・タイプRに5周目のヘアピンでかわされ後退。レース序盤にしてほぼトップ6の陣容が固まり、コール、ゴフ、サットン、クック、ニール、ターキントンの並びで、レースは16周目のファイナルラップへ突入すると、ここで最後のアタックを仕掛けたのは3番手を走るレヴォーグのサットンだった。

3レースを通じて大暴れを演じたMG6のジョシュ・クックは、最終的に失格処分と16年ぶりの次戦出場停止の裁定が


 最終ラップのファイナルセクターでシビックのゴフを捉えたサットンは、そのままコンマ6秒差で振り切り2位でチェッカー。これでスバル・レヴォーグGTがワン・ツー・フィニッシュとなり、出走106戦目のコールがBTCC初優勝。2位のサットンが3ポイント差でポイントリーダーのターキントンを逆転し、選手権首位の座を取り戻した。

惜しくもレース1で2位を逃したユーロテック・ホンダのジャック・ゴフは3戦連続トップ5と気を吐いた


 ウイナーのコールがポールからスタートしたレース2は、フロントロウに並んだサットンがアウトサイドから仕掛けたのに対し、セカンドロウ3番手ジャック・ゴフのシビックがコールのインへダイブ。これで行き場を失ったコールのレヴォーグは失速し、アウトサイドのサットンが一気に先頭へと躍り出る。


 さらに2周目には、3番手のゴフをかわしてきたMG6のクックがコールをオーバーテイク。その際に彼のレヴォーグはオーバーランを喫し、ターキントンのBMW直前の7番手までポジションを下げることに。


 続く3周目には、レース1のパンクで30位に終わり、グリッド後方からの追い上げとなっていたタイトルコンテンダーのゴードン・シェドン(ホンダ・シビック・タイプR)が、ロブ・オースティンの旧型トヨタ・アベンシスと接触し右フロントサスペンションを破損。これでシェドンは週末2度目のリタイヤとなり、選手権争いからも後退を余儀なくされるとともに、レースはセーフティカー(SC)導入となった。


 レース再開2周後には3番手争いが激化し、モーターベース・パフォーマンスのフォード・フォーカスST、マット・ジャクソンがクックのMG6とサイド・バイ・サイドとなり、接触しながらのバトルを披露。しかし、最終的にクックがジャクソンのフォーカスをプッシングする形となりジャクソンはわずかにドロップ。


 この間隙をついてチーム・ダイナミクスで孤軍奮闘のニールが2台をかわすも、彼のシビックに追いついたクックが今度はニールにヒットし、2台はコースオフ。これでボディワークを破損したクックもリタイヤに追い込まれ、さらにレース3で最後尾スタートのペナルティが課されることに。

2戦連続でレースを落とした王者ゴードン・シェドンは「現状のマシンではFR勢に対抗するのは厳しい」と肩を落とす


 このアクシデントで再び2番手を取り戻したジャクソンが、サットンのレヴォーグに続き2位表彰台をゲット。3位には、18周レースの後半にタイヤグリップ減少に苦しんだFF勢を次々とかわしてきたターキントンのBMWが入った。

レース2では、アシュリー・サットンがスタートから盤石のレース展開で今季6勝目をマーク


 続くレース3は前戦トップ8のリバースグリッドとなり、WSRのアンドリュー・ジョーダンがそのメリットを活かし切り、第4戦オールトンパーク以来となる今季3勝目をマーク。2位にメルセデス・ベンツAクラスのアダム・モーガン、3位にスバル・レヴォーグのジェイソン・プラトが続き、サットンは5位。

「今季は不運が重なっていただけに、競争力を取り戻したい」とレース前に語っていたアダム・モーガンが最終レースで2位を獲得


 これで300点の大台に乗せたサットンが選手権リードを盤石のものとし、2位に12ポイント差でターキントン。2戦連続リタイヤの痛手を負ったシビックのシェドンは、55ポイント差の3番手に後退という苦しい展開となった。


 2017年シーズンも残すところわずか2ラウンドとなったBTCCの次戦第9戦は、9月15〜17日にシルバーストンで開催される。

レース3を制したのも、やはりFRマシンのBMW、アンドリュー・ジョーダン。「週末を通じて徐々にポジションを上げられた成果だ」


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