FIA-F4:Le Beausset Motorsports 2017年第11戦/第12戦鈴鹿 レースレポート
2017年8月30日(水)7時0分 AUTOSPORT web
真夏の連戦最終章、鈴鹿大会は
川合孝汰、平木湧也が見事入賞を果たす!
FIA-F4
第11戦&第12戦
8月26日(土)・27日(日)
鈴鹿サーキット
5.807km
ル・ボーセ モータースポーツが挑むカテゴリーのひとつであるFIA-F4選手権シリーズ第6大会が、8月26日(土)、27日(日)に鈴鹿サーキット(三重県)で開催され、川合孝汰、平木玲次、平木湧也の三人が出場した。
F1日本GPも開催される鈴鹿は、低速から高速までバラエティに富んだコーナーが、2本のストレートを挟むテクニカルコースであり、走ったことのあるドライバー誰もが「チャレンジング!」と絶賛することで知られている。まさにドライバーの腕を試すコースで、川合と湧也、玲次を含めて三人揃っての入賞が期待された。
予選
8月26日(土)
天候/晴れ
コース状況/ドライ
SUGO〜富士〜鈴鹿までそれぞれ2週間、3週間と短いスパンで続くことから「真夏の3連戦」と呼ばれ、各大会のレースウィークを通じて好感触を得ており、上向きのムードで最終章となる鈴鹿に乗り込んでい
た。
持ち込みのセットは、SUGOで得られたデータがベース。そこからの走りだしとなるが、木曜日、金曜日の専有走行で絶えず微調整を行うとともに、ドライバーそれぞれ違ったセットも試した。これがピタリとはまったのが湧也で、金曜日の3セッションすべてで上位につけた。
土曜日の予選でも、セットは改められて3人のドライバーが挑んだ結果、欠けていたパズルのピースを見つけたかのように好走を見せたのが川合だった。気温も高く、ロングコースの鈴鹿とあって早々にアタックを開始。いきなりベストタイム、セカンドベストタイムをマークし、第11戦で7番手、第12戦で9番手のグリッドを得ることとなった。
10分ほど経過したところで赤旗が出されたが、中断前のタイムがそれぞれグリッドを決める事となり、惜しくも赤旗が出された周でアタックをしていた湧也は2戦とも10番手から、そして玲次は17番手、18番手からのスタートとなった。
決勝 第11戦
8月26日(土)
天候/晴れ
コース状況/ドライ
今回、併催のスーパーGTは伝統の鈴鹿1000kmとして、しかも最後のレースということもあって、土曜日から普段以上に多くの観客が集まっていた。熱い視線が注がれる中でのスタートは、まず川合のホイールスピンが大きく1台に抜かれてしまうが、すぐにS字で抜き返して、湧也ともどもポジションキープでオープニングラップを終了。玲次はふたつポジションを上げる。
しばらくはそのまま周回を重ねるが、まず動いたのは湧也で6周目の1コーナーで9番手に浮上する。
中盤になると川合は単独7番手となった一方で、湧也はなおも8番手を激しく争い合う。玲次のバトルはさらに激しく、前後の車両と何度も順位を入れ替え合っていた。そんな中、9周目のS字で3番手を争う車両が接触によって後退。ひとつずつ順位を上げて川合が6番手、湧也が8番手、そして玲次が13番手に。
ゴール直前まで湧也と玲次はライバルと争ったものの、あと一歩のところで逆転ならず。その結果、川合が6位でゴールし、そして8位の湧也はただひとり続ける、開幕戦からの入賞をまた伸ばすことに。玲次は13位となったが、自己ベストにコンマ3秒と迫るタイムをレース中に記録した。
決勝 第12戦
8月27日(日)
天候/晴れ
コース状況/ドライ
日曜日の早朝に行われた第12戦も、大観衆の見守る中、ドライコンディションが保たれた。注目のスタートは川合がそつなく決めて、まずはポジションキープ。湧也と玲次も同様ながら、湧也はオープニングラップのうちに11番手に。ただし、それぞれ集団の中にしっかりつけて、隙あらばの構えを見せる。
まずは湧也が2周目に1台をパスし、川合のすぐ後ろに。そして3周目のシケインで、二人は順位を入れ替える。4周目には湧也がひとつ順位を上げたのに対し、片やひとつ落とし、と対照的な展開になるも、川合のスイッチはまだ落ちておらず。7周目には再び湧也の背後につけて、ともに7番手を行く車両に襲いかかっていく。その結果、9周目には湧也が7番手、川合が8番手浮上に成功した。
一方、大いに動き続けていた湧也と川合に対し、玲次はポジションアップに苦戦。後方からのプレッシャーを浴びる格好となっていた。その結果、最終ラップで19番手に。しかし、レース直後に、危険行為に対するペナルティとして2台にタイム加算があり、ふたつポジションをアップ。
川合、湧也ともに入賞でチェッカーとなったものの、レース後の再車検で湧也の車両は500gの重量不足を指摘され、失格となってしまう。そのため、川合が7位に、玲次が16位に繰り上がることとなった。
次戦はいよいよ最終戦となり、舞台はホームコースである、ツインリンクもてぎ。昨年は湧也と川合が優勝をしているだけに、玲次ともども有終の美を飾るべく、チーム全体が躍進を誓った。
コメント
チーム監督 坪松唯夫
走り初めこそクルマのバランスを合わせる必要があったが、セッティングが進むにつれ良いバランスが見つかった。川合は自分で得たポジションをレース運びで失っていることがある。状況を見極めれば今以上の結果が得られると思う。
玲次は練習中のコースアウトから調子を崩し、波に乗り切れぬまま終わってしまった。練習からの取り組みが必要である。湧也はレース運びが上手いだけに一発のタイムが欲しいところだ。湧也のクルマが再車検で500gの重量不足が指摘され失格になったことは非常に残念でならないが、次戦に向けチームとドライバーがひとつになり更に努力して行く。
Driver 川合孝汰
今回は練習中から予選に向けて準備はしっかりやっていたので、ミスなく予選はできたと思います。セカンドベストがあまり速くなかったのは今後の課題ですが、何にも邪魔されず赤旗が出る前にしっかりベストタイムを出せたのは、ひとつ成長できた部分かもしれません。第11戦は前からも後ろからも離れて、結果的に予選と同じ順位でゴールできましたが、レースメイクは今ひとつでした。
第12戦はスタートも良かったですし、しっかり集団の中で戦えました。悔しい思いをした去年の鈴鹿から比べると、2戦ともシングルでゴールできたのは良かったと思います。この後のもてぎはホームであり、自分の得意なコースなので、すべての課題を克服し、完璧な状態にできるよう、しっかり準備していきたいと思います。
Driver 平木玲次
今回はレースウィークの始まりから流れが悪くて、その流れを断ち切れずに予選、決勝まで引きずってしまいました。クルマのセッティングに、自分の走りをうまく合わせ込むことができず、まったくいいところがないままレースが終わったような感じになり、非常に悔しく思います。
第11戦は前の混乱にも助けられながら、うまくポジションを上げられたのですが、12戦は、後ろとのレースになってしまった感じです。前の集団に追いつきそうになったところで、後ろに追いつかれてしまったり、どうにも自分の駆け引きの甘さが出てしまいました。
次のもてぎがもう最後の大会になってしまいましたが、期間が空くのでしっかり準備とテストをして、自分の走りを見つめ直して、次に備えたいと思います。
Driver 平木湧也
予選の前までは調子も悪くなくて、トップ5を狙っていたのですが、いざGTが走って予選を迎えると自分のペースで走れなくて。アタックラップに赤旗が出てしまったのも大きかったのですが、不完全燃焼でした。第11戦は10番手と危ない位置からのスタートだったので冷静には行ったんですが、なんとか順位を上げようという思いが空回りして、思いどおりに行きませんでした。
第12戦の失格は、全戦ポイント獲得できていたので、非常に残念です。ただ、第11戦の反省を踏まえて、うまくいった部分もあり、結果的に3ポジションアップできました。もう、もてぎの1大会しか残されていません。地元なので、3年目の良さを出して行きたいと思います!