BTCC第8戦:雨中の戦いでスバル・レヴォーグGT連勝も車高違反で失格の憂き目

2018年8月30日(木)16時4分 AUTOSPORT web

 2018年シーズンのBTCCイギリス・ツーリングカー選手権はスコットランドにわたり、ノックヒルを舞台に第8戦が争われ、レース1で王者スバル・レヴォーグGTのアシュリー・サットンが今季5勝目をマーク。悪天候のなか、続くレース2でもレヴォーグGTがトップチェッカーを受けたが、最低地上高違反で失格処分を受けた。


 起伏に富んだワインディングロードを思わせるノックヒル戦で8月25日に行われた予選では、チーム・ハルフォズ・ユアサのルーキー、ダン・カミッシュ(FK8ホンダ・シビック・タイプR)がチーム・ダイナミクス加入後初となるポールポジションを獲得。


 2番手にも今季からBMWを投入してシリーズに復帰参戦しているチーム・パーカー・レーシングのステファン・ジェリー(BMW125i Mスポーツ)が続き、新鮮な顔ぶれがフロントロウを独占。セカンドロウにウエスト・サリー・レーシング(WSR)勢のアンドリュー・ジョーダン、コリン・ターキントンが並び、3台のBMWが連なる上位グリッドとなった。


 翌日曜の26日に迎えたラウンド22となるレース1は、未明から降り続く雨の影響でヘビーウエットのトリッキーなコンディションのなかスタート。トラクションに優れるFR勢のBMWを抑えてカミッシュがトップで1コーナーへと進入し、上位勢はポジションを維持したまま慎重な立ち上がりを見せる。


 しかし4番手のターキントンがヘアピンでチームメイトの前に出ると、その後は3台のBMWが激しいバトルを展開。2周目以降もヘアピンでオーバーテイク合戦を繰り広げ、BMW同士のポジションが目まぐるしく入れ替わる。 


 その後方では、8番グリッドスタートだったサットンのスバル・レヴォーグGTが、こちらもFRのトラクションを活かしてオープニングラップで6番手に浮上してくる。


 8周目までにBMWパックの背後に迫ったスバルは、ジョーダン、ジェリーと立て続けに仕留めて、すぐさま3番手に浮上。11周目にはターキントンのインサイドにダイブを決め、同じ周に首位のカミッシュも楽々と捉えてレースリーダーの座にまで上り詰めた。


 終盤にはセーフティカー(SC)ピリオドが発生するも、王者サットンは盤石のリスタートで応戦し首位のポジションは揺るがず。そのまま27周のトップチェッカーを受け、豪雨の難コンディションで見事に今季5勝目を飾ってみせた。


「僕らはこういうリザルトを必要としていたんだ」と、フィニッシュ後に満足げに振り返ったディフェンディングチャンピオン。

予選で自身初のBTCCポールポジションを獲得したルーキーのダン・カミッシュ
予選でフロントロウに並んだステファン・ジェリーだったが、リザルトに繋げられず
8番グリッドスタートの王者スバル・レヴォーグGTは、悪天候をものともせず、中盤までに首位浮上に成功する
安定した強さを見せるコリン・ターキントンは、2度の2位表彰台で選手権大量リードを構築


「(選手権ライバルの)コリンがP2に上がってきたのは残念だったけど、今日の残りのレースに向けてセットアップはうまくいっている。僕たちはポイント獲得に向けあらゆる側面に気を払う必要があるし、すべての小さな物事が重要になってくる。今日のマシンは本当に素晴らしかったよ」


 そう王者が振り返るとおり、終盤まで2番手を守っていたジェリーは縁石に足元をすくわれコースオフを喫し後退、代わってターキントン、カミッシュがレース1表彰台を確保している。


 この勝利で続くレース2ポールポジションからのスタートとなったチームBMRのスバル・レヴォーグGTは、降り続く雨のなかで抜群のスタートを決めてホールショット。序盤のSC導入にも動じず、そのままリードを拡大していく。


 しかし悪天候によるあまりのトラックコンディション悪化に、オフィシャルがレース中断の協議を始めるなか、サム・スメルツ(アウディS3セダン)がハイドロプレーニングか、1コーナーを直進して車速を落としきれないままバリアにヒット。


 これでレースは20周時点で赤旗となり、そのまま終了。サットンが連勝し、2位にトム・イングラム(トヨタ・アヴェンシス)、3位にWSRのBMWジョーダンが入る暫定リザルトとなった。


 そのレース2チェッカー後、ピットレーンに戻った上位入賞車のうち再車検を受けたチームBMRのスバル・レヴォーグGTと、スピードワークス・モータースポーツのトヨタ・アヴェンシスは、最低地上高をクリアできずに失格処分に。


 これで3位のジョーダンが今季13人目の勝者となり、以下繰り上げで2位ジョシュ・クック(ボクスホール・アストラBTCC)、3位カミッシュの最終リザルトとなった。


 この処分決定により、それぞれ75kgと68kgのバラストを搭載するサットンとイングラムは、レース3を最後尾グリッドから戦うこととなり、事実上上位進出の可能性は閉ざされることに。


 結果、リバースポールからスタートしたモーターベース・パフォーマンスのトム・チルトン(フォード・フォーカスRS)が、ターキントンを0秒948差で抑えてBTCC復帰後の初勝利を挙げ、シーズン14人目のウイナーというBTCC新記録も樹立。


 3位ジョーダンと入れ替わりで2位に入ったターキントンは、シーズン残り2戦にしてイングラムに対し43ポイントの大量リードを築き、選手権首位の座を守ることとなった。


 いよいよクライマックスを迎える2018年のMSAダンロップ・ブリテッッシュ・ツーリングカー・チャンピオンシップの次戦第9戦は、9月15〜16日にシルバーストンで争われる。

R2のポールポジションからスタートしたスバル・レヴォーグGTだが、この後まさかの展開に
R2の表彰台に上がったトップ2台が最低地上高違反で失格。チームの控訴も棄却されている
WSRのアンドリュー・ジョーダンも、この週末4位、優勝、3位と常に上位で戦った
WTCC、TCRを経て昨季からBTCCに本格復帰したトム・チルトンが、うれしい復帰後初勝利を飾った


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