なぜ、加藤未唯の失格騒動で“笑っていた”のか 批判殺到のスペイン人選手が告白「彼女たちの状況とは関係ない」

2023年8月31日(木)6時0分 ココカラネクスト

加藤ペアの処分後にベンチで笑っていたと誹謗中傷を受けたソリベストルモ。彼女は当時の舞台裏を明かしている。(C)Getty Images

 世界中で物議を醸した騒動の最中に、サラ・ソリベストルモとマリー・ブズコワ(スペイン/チェコ)が見せたのは“笑顔”だった。

 騒動は約3か月前に起きた出来事がキッカケとなった。今年6月の四大大会「全仏オープン」の女子ダブルス3回戦で、ソリベストルモとブズコワ(チェコ)のペアは、加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組と対戦。その試合中に加藤が何気なく打った球がボールガールの頭部を直撃してしまうアクシデントが発生した。

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 この時に主審から一度、「警告」の処分を受けた加藤。しかし、ボールガールが泣き続け、相手ペアが猛抗議をしたために、処分は「失格」に覆った。さらに試合を中止とした大会側は、彼女に対して、女子ダブルスでの賞金とポイントを剥奪と罰金も科した。

 あまりに重すぎる処分と主審のあやふやな対応は各国メディアで批判が殺到。ここ日本でも小さくない話題となった。そのなかでクローズアップされた一つの事象が、先述の“笑顔”だった。

 ソリベストルモとブズコワは、加藤に警告処分を下した主審に対して「彼女(加藤)はわざとやったんじゃないの? 泣いてるじゃない」と執拗に抗議。そして一度ベンチに戻った際に、会話を交わしたふたりは笑みを浮かべていた。

 この光景が現地の中継映像に映ると、SNSを通じて世界中に拡散。ファンから誹謗中傷も受けたソリベストルモとブズコワは一時的にSNSの閉鎖に至るほどのバッシングを浴びた。

 この時、両者はなぜ笑っていたのか。現地6月29日に海外のテニス専門メディア『CLAY』の取材に応じたソリベストルモは、「あそこに座って笑い出したのは、マリーとスペイン語で話していたから。彼女はとても上手に話していたんだけど、途中に存在しない単語もたくさん言ってきたの」と告白した。

「彼女は存在しない単語をいくつか言ってきたの。私は緊張感もあって、思わず笑ってしまった。それだけ。試合とは何の関係もないし、彼女たちを馬鹿にするとか、置かれていた状況との関係もない。私たちを知っていて、私たちを普段から見ている人たちは、(世間とは)まったく違う意見を持っていると思う」

 この証言に関してはペアを組んだブズコワとも一致する。25歳のチェコ人選手は今年7月に地元メディア『iROZHLAS」のインタビューで「私がスペイン語で文法的に間違ったことを言ったら、サラがそれを笑った。彼女たちが失格になった後に私たちが不適切に笑ったように切り取られたけど、現実はそうではない」と語っていた。

 仲間との束の間の談笑を都合のいいように切り取られた——。世界中で“悪役”のように扱われたソリベストルモは、同インタビューで「間違いを犯した人間が、どうして自分の責任を負いたくないのかが理解できない」とも語っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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