賭けに負けたエンゼルスの“完全解体”は必然の動き 批判が値しない理由は大谷翔平の去就にも関係あり

2023年8月31日(木)18時0分 ココカラネクスト

大谷の奮闘もむなしく負けが込んでいるエンゼルス。ゆえにチームは白旗を出し、完全解体に踏み切った。(C)Getty Images

 完全に白旗を上げた出来事だった。現地8月29日、米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者は、エンゼルスが先発右腕のルーカス・ジオリト、救援投手のマット・ムーア、レイナルド・ロペス、ドミニク・リオーネ、そして外野手のハンター・レンフロー、ランダル・グリチェクをウエーバーにかけたとすっぱ抜いた。

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 突然の一報を受け、エンゼルスには批判の声が上がった。米メディア『The Ringer』は、「なぜエンゼルスと他のMLB球団は優秀な選手を放棄するのか」と銘打った記事を掲載。そのなかで「アート・モレノがア・リーグ西地区で最も恥ずかしいオーナーのタイトルに猛追している」と指摘し、贅沢税の支払いを回避する方針に切り替えた首脳陣をバッサリと切り捨てた。

 ポストシーズン進出の可能性が遠のく状況を思えば、致し方がない面がある。

 ウエーバーを行ったという報道が出た時点で、エンゼルスは63勝69敗とワイルドカード争いでも3位から11.5ゲーム差。悲願のポストシーズン進出の望みが他力本願となっていた彼らにとって、今オフにFA(フリーエージェント)となる6人を保有するメリットはない。むしろコスト削減に踏み切るのは球団として必然だ。

 また、今季の終了後に確定する贅沢税の支払い回避だけじゃなく、ドラフト戦線においても意味を持つ。というのも、今オフにFAとなる大谷翔平が新チームと契約した場合に、エンゼルスは補償として契約チームからドラフト指名権を獲得するのだが、この時に贅沢税の課税ラインを超過していると、得られる指名順位が2位から4位に繰り下げとなる。

 ここから6選手の無償放出が成功するか否かによるものの、自軍のトッププロスペクトが乏しいエンゼルスにとって、得られるドラフト指名権は上位である方がいい。

 今夏のトレード市場で積極果敢な補強を繰り返し、買い手となったエンゼルス。しかし、無残にも彼らは負けが込んでしまった。つまり“オールイン”をした賭けに負けたのである。ましてや今オフには大谷が退団する可能性が高まっている状況を考えても、フロントが損切りに走るのは当然と言えよう。批判に値するとは言い難いのではないか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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